榛名山−2/2

 さらに相馬山の手前に、磨墨(するす)岩という岩塊が見えて来た(写真の手前の岩)。昔、粉をひく臼のことを「るする」と言ったそうで、磨墨は当て字だそうである。それにしてもヘンな名前だ。

 その磨墨岩は登れるらしいので、ぜひ登ってやろうと思った。近づいてみるとそれは岩というより小さなピークである。岩と潅木が入り混じった急峻なところにケモノ道のような踏み跡があった。ザックを置いてカメラだけを持って登って行った。我ながらこんな所を登るのはやはり物好きだと思った。

 2、3人がやっと立てるほどのピークに立つと、隣のピークに石仏が建っていた。しかし絶壁のため行けない。それにしてもあの石仏はどうやって建てたのだろうか。

 ここから見る相馬山は最高に貫禄があった。ひときわ高くモッコリした頂部と、紅葉した山裾が谷底まで伸びた山容は、美しく迫力があった。


(磨墨岩に建つ石仏、左)

(磨墨岩からの相馬山)

 再び縦走路まで戻り、しばらく歩いて行くと右手にわずかな踏み跡があった。これがあの石仏へ登る道に違いないと思った。

 磨墨(するす)峠へ10時23分着。ここには東屋があり、中でラーメンを食べている人や外で食事をしている人達がいた。

 ここからは石の階段になった。昔のものか近代になってから造られたものかは分からないが、いずれにしろ信仰の山らしいと思った。石の階段が終わると今度は木の階段になった。それを登りきると真っ赤な鳥居があった。中央に「相馬山」と書かれていた。10時50分着。

 その鳥居の脇にあった石に座って休憩。
 11時ジャストに出発。
 ここから本格的な急登になった。道は自然の岩や石が並べられていた。昔の修験者が造った道だろう。道の両脇には石碑が並び、何となく不気味だ。近くに登山者がいたので助かったが、こんな所を一人で歩くのはたまらない。

 さらに登って行くとクサリ場があり、鉄梯子があった。それを一気に登って行く。
 斜面がなだらかになると石仏があった。一瞬山頂かと思ったが奥の方に神社が見えた。

 山小屋と間違うような神社があり、石仏や仏像が並ぶ山頂へ到着。山頂には20人ぐらいの団体さんがいた。その団体さんの間を掻い潜るようにして最高点に立ち、お賽銭を入れてお参りした。(写真右が山頂)

 山頂から少し引き返した広いところで昼食にした。

 11時50分山頂発。
 梯子場まで来ると、さっき山頂にいた20人のパーティーが詰まっていた。最後尾で20人が下るのを待たされた。
 クサリ場を過ぎてからオシッコがしたいと思ったが、この山はどうも御神体のようなので我慢した。

 赤い鳥居が立った分岐へ12時10分着。
 ここからはヤセオネ峠へ向かって下って行く。下り出してすぐに真っ赤な鳥居と「心行地蔵」と書かれた仏像があった。鳥居には「黒髪大神」と書いてあった。何に! 黒髪大神! 髪の毛がすっかり薄くなった私には刺激的な言葉である。この山は黒髪の神様なのか? もしそうだとすれば、さっきお参りしたからご利益があるかも知れない。もっとお賽銭を入れてくれば良かったかな、と思った。

 ヤセオネ峠のバス停へ12時27分着。榛名湖畔へ戻るバスは50分待ち。早く着きすぎてしまったようだ。
 ヒッチハイクをしようと手を上げたが、全然止まってくれない。仕方がない。歩いていこう。

 榛名富士のロープウェイ駅まで約3キロを歩いて行った。真っ直ぐな道路をテクテク歩くのは本当にやりきれない。

 ロープウェイ駅へ13時10分着。バスで来るより早く着いた。それに3キロほど余分に歩いたので、最近めっきり出てきたビール腹が少しはへこんだかも知れない。
 ロープウェイの駅前で地元のオジさんに榛名富士の登山道を教えてもらう。湖畔近くに小さな標識があった。まずはそこで一休み。

 13時25分発。
 途中に「道は整備されていないため滑りやすい所があります」と書いてあった。確かにザレた急登で滑りやすい。ロープウェイが出来てからは登る人も少ないので、道も整備していないのだろう。

 しかし、すぐに普通の登山道になった。急登に変わりはないが踏み跡がしっかりしている。それに家族連れや若い二人連れなどが下って来た。きっとロープウェイで登って下って来た人達だろう。

 ここはモミやミズナラなどが生い茂り、根元はクマザサが覆っていたが、所々に真っ赤に色づいたモミジの大木があった。こんな大きく綺麗なモミジがあるなんて本当に嬉しい。人工的に業者が移植したのではなく、自然のままそこに生えているのがいい。それにここはロープウェイが見えないので静かだ。

(ピンボケで済みません!)

 山頂近くなって小屋が見えた。しかし良く見ると、それは小屋ではなくローフウェイの駅だった。そこから玉石を敷いた幅広い道を観光客に混じって登って行き、朱色に塗られたピカピカの神社が建った榛名富士(1,391m)の山頂へ14時10分着。

 ここから見る相馬山がすばらしかった。カメラを構えたが露出不足でシャッターが切れない。手動でシャッターを切った。


(榛名富士山頂の神社)

(榛名富士山頂からの相馬山)

 14時30分。サア、急いで下ろう。登って来た道を一気に駆け下り、登山口へ14時58分着。駐車場まで歩いて戻った。