氷ノ山 (ひょうのせん)

(1,510m、兵庫・鳥取)  190座

氷ノ山越からやっと姿を見せた山頂。避難小屋が見える

福定親水公園〜氷ノ山越〜氷ノ山〜(東尾根)〜福定親水公園

2010年11月6日(土)

三瓶山北の原キャンプ場620−三次IC−(中国道)−福崎IC−(播但道)−和田山IC−(R9・R87)−福定親水公園(泊)

 今日は移動日である。三瓶山の北の原キャンプ場を6時20分に出発。カーナビがついに壊れてしまい道路標識を頼っての移動である。

 それでも何とか氷ノ山国際スキー場の近くまで行ったが、福定親水しんすい公園へ行く道が分からず通り過ぎてしまい、途中で道を尋ねて引き返す。

 福定親水公園へ行って車が多いのに驚いた。路肩にズラリと車が並んでいた。私は車が止められないかと心配したが、すでに下山した人がいたようで何とか駐車場へ止めることが出来た。

(和田山ICから約1時間、14時前に到着)


(満車状態の駐車場)

(遠くまで路駐している)

 車から降りると、山から下って来てコ−ヒ−を飲んでいたご夫婦から、
「今日はどうされるんですか?」と訊かれる。
「ここはキャンプ場があるというのでテントを張るつもりです」と答えると、
「止めた方が良いですよ・・・。昨夜、ここに熊だ出たんですよ・・・。私達は車中泊だったんですが、この駐車場で熊がウロウロしていたんですよ」と言う。

 奥さんは、「私は初めて熊を見て驚きました」と興奮ぎみに言い、「テントなんかやめて車の方がいいですよ・・・」と言う。
 貴重な情報を頂いた。気の弱い私には、熊がいる所にたった一人でテントを張る勇気はない。迷わず車中泊と決めた。

 夕食までにはまだ時間があるので、ビ−ルを買いに出かける。しかし旅館や民宿は多いものの、コンビニや酒屋はなく、あつかましいが旅館で缶ビ−ルを譲ってもらった。
 そして駐車場のすぐ下を流れる沢でビ−ルを冷やす。

 ここは紅葉が綺麗だ。その紅葉を見ながらビールを飲み、山から下って来た神戸から来たという御仁と話し込む。
「上は紅葉が綺麗ですか?」と聞くと、首を横に振りながら、
「この駐車場が一番綺麗だねえ・・・!」と笑いながら言った。どうも氷ノ山は紅葉は期待できないようだ。


(駐車場の目が覚めるような紅葉)



2010年11月7日(日)

福定親水公園640〜821氷ノ山越835〜947氷ノ山1003〜1022神大ヒュッテ〜(東尾根)〜1110避難小屋1125〜1138林道〜1210福定親水公園

 夜中に3台の車が入って来た。
 私の隣へ止めた車が朝5時前から起き出してガサガサし出したので私も起きてしまった。お隣さんはこんなに早く起きて何時に出発するのだろうか。

 朝食を摂っている間にも2、3台の車が入って来た。ここは朝方には満車になってしまうという。
 6時半を過ぎても誰も出発しようとしない。仕方がない。今日も一番乗りで行くか・・・。

 熊鈴を付け、ホイッスルを首からぶら下げて6時40分出発。

 トイレの上で車が入れる道と合流し、2、3分ほど登ると立派なキャンプ場があった。しかし、予想通りテントは一張もなかった。昨夜はここへテントを張らなくて正解だったと思った。

 (キャンプ場と管理棟、右側に炊事棟がある)

 すぐに河原へ出た。そして左手に滝が見えた。沢沿いに登って行くと、今度は布滝が正面に見えた。登山道は左へ巻くが、せっかくなので滝を見に行った。沢に掛かった橋からは滝の全景が見え、迫力があった。
 私と入れ替わるように、隣へ止めた車の若夫婦がやって来た。

 (写真は布滝)

 再び分岐へ戻り、尾根道を登って行く。周りは明るく、熊が出そうな感じはしない。

 すぐに、今度は左手に「のぞきノ滝」という標識があり、石仏が建っていた。よく見ると「不動滝」という標識もあった。
 左手を覗き込んだが、樹木が多くて部分的にしか見えなかった。

 右手に布滝の水音を聞きながら、ブナの紅葉の中を登って行く。朝の澄んだ大気がさわやかだ。

 急な坂道を登って行くと、「△△の終り」という標識が立ていた。「急坂の終り」だったか、「登り坂の終り」だったか確かではないが、道路標識のようで思わず笑みが出た。

 その標識通り平坦な道になった。その平坦な道を進んで行くと、ポツンと小屋が見えた。こんな所に小屋があるとは知らなかった。
 その小屋には地蔵堂と書かれ、中に大きな地蔵さんがあった。
 ここからは、なだらかに右手の山を巻きながら登って行く。

 小さな沢があった。沢水が旨そうなので一口飲んでから、沢を跨いで行く。
 今度は「木像跡地」というのがあった。かつては木像が建ていたのだろう。

 ブナ林の黄葉が良くなって来た。黄葉を楽しみながら登って行くと、チョロチョロと水の音が聞こえて来た。そして、「夏でも涸れない、ひえの水」と書かれた水場があった。ここでも、ありがたく一口飲んで行く。


 それにしても、もう登山口から1時間以上も歩いているのに、氷ノ山は一向に見えて来ない。「お〜い、氷ノ山はまだか〜!」

 それから2、3分もすると案内板があった。対岸に「とうろう岩」というのがあり、テッペンが氷ノ山の山頂と書いてあった。「とうろう岩」は分からなかったが、氷ノ山の山頂は見えた。しかし逆光でボンヤリとしか見えない。

 しばらくすると「弘法の水」という水場があった。ここは水場が豊富で水に困ることはない。

 氷ノ山越近くまで来た時、薄っすらとした日差しを浴びた。昨夜は満天の星だったが朝方から雲が多くなり、今日は日差しは期待できないと思っていたが、やっと薄日が差して来た。

 氷ノ山越へ8時21分着。
 ここは十字路になった峠で、小さくて小奇麗な避難小屋が建っていた。小屋の前からは、山頂がボンヤリとシルエットになって見えた。もっとバッチリ見えるといいんだがなあ〜、とグチが出た。


(小奇麗な避難小屋)

(峠には石仏もあった)

(氷ノ山、山頂の避難小屋が見える)

 私がここで一服している間に、布滝からずっと私の後ろを歩いていた若夫婦が先に出かけて行った。さらに単独の御仁が休憩もせずに登って行った。これでもう熊の心配はしなくて済みそうだ。