A紅葉の石鎚山

(弥山からの天狗岳)

土小屋〜弥山〜天狗岳〜南尖峰・往復

2011年10月7日(金)


自宅−東名・・(瀬戸大橋)・・いよ西条IC−寒風山登山口−瓶ケ森林道−土小屋・国民宿舎石鎚(泊)

 今年の紅葉紀行は四国の石鎚山に決めた。
 石鎚山は10年ほど前に登ったことがあるが、その時は山頂直下でガスが出てしまい、弥山へ立った時は何も見えず、目の前にあるはずの天狗岳はひと目も見ることができなかった。もちろん天狗岳へ立っても何も見えず、「バツグンの高度感」を味わうことが出来なかった。

 そんなことがあって、「石鎚山は必ずもう一度行こう」と思っていた。その石鎚山が紅葉の名所であり、天狗岳の見頃は10月上旬から中旬だという。

 私は10月の3連休に紅葉を見るには、アルプスか東北以北へ行かないと見られないと思っていたが石鎚山で見られるとは意外だった。四国は南国で温かいというイメージがあったからだ。石鎚山の近くにある日本200名山の笹ケ峰と東赤石山は来年の夏に行く予定だったが、この際一緒に登って来ることにした。

 朝4時半に車で家を出た。一路四国をめざして行く。土小屋へ行くには松山へ出てスカイラインで行く方法もあるが、私は明後日に寒風山から笹ケ峰へ登るため登山口を確認したかったので瀬戸中央道で伊予西条へ出た。いよ西条ICへ14時30分ごろ着いた。自宅から約10時間である。関東からは本当に遠い。

 いよ西条ICからR194で寒風山トンネルをめざして行った。長いトンネルを抜けてすぐ左折。登山口をめざして林道を登って行く。舗装はされているが狭い道で対向車に気を使う。平日だというのにやたらと対向車が多い。寒風山や笹ケ峰、瓶ケ森、石鎚山などから下って来た人達だろう。

 寒風山の登山口には広い駐車場やトイレ、休憩舎、さらには茶屋まであった。ここから瓶ケ森林道を走って行くが、ここも狭い道で対向車に気を使う。


(寒風山登山口、左が瓶ケ森林道)

(林道から見えた山は寒風山だろうか)

(瓶ケ森林道)

 国民宿舎へ16時20分着。明るいうちに着けてホッとした。ここは2日前になって「絶対に予約はとれないだろう」と思いながら電話をしたが、ラッキ−なことに予約がとれた。

 受付のお姉さんが、「今日登った人が、山頂の紅葉はこのポスターより綺麗だと言ってました」、とポスターを指さす。紅葉した天狗岳のポスターを見て胸がときめいた。

(このポスターより紅葉が綺麗だという)
明日は絶対に晴れてほしいものだ。
2011年10月8日(土)

国民宿舎605〜745二の鎖場753〜819弥山(撮影タイム)〜840天狗岳〜852南尖峰〜弥山955〜1052ベンチ2(昼食)1120〜1158国民宿舎      

 朝5時に外へ出てみると満天の星だった。今日は絶好の登山日和になりそうだ。紅葉に染まった天狗岳がまぶたに浮かぶ。早く明るくならないかなあ〜。


 明るくなるのを待って宿を出た。(6時5分発)

 玄関前から正面(北東)に見える山は寒風山と笹ケ峰だろうか。(瓶ケ森だった)

 宿舎の脇を登って行くと5分ほどで支尾根へ出た。ここで駐車場からの道と合流し、遊歩道のような広い道を歩いて行くと、すぐに朝日が昇る(6時17分)。

 樹木の間から朝日を浴び、風もなく実にさわやかな朝だ。それに時間が早いせいか人っ子一人いない。静寂が一帯を包む。

 ベンチ1の所まで来ると4,5人の先客がいた。ここから階段を登って行くが、いたる所にリンドウが咲いていた。まだ日差しがないので花は開いていない。

 突然、正面に石鎚が見えた。思わず歓声を上げる。
 堂々とした岩の殿堂はまるで北アルプスの剱岳のようだ。山頂の小屋も、そして紅葉も確認できる。まさに感動の一瞬である。


 このコースはいたる所から山頂が見えるのがいい。

 初めて下山者に会った。山頂の小屋へ泊まったという御仁とご挨拶。右手に見える山は何かと尋ねてみると、
「あれは子持権現山と瓶ケ森です。笹ケ峰は瓶ケ森の後ろになってしまいますねぇ・・・」とのこと。私が笹ケ峰だと思っていた山は瓶ケ森だったようだ。

 道端で珍しい花を見た。初めて見る花だが、茎からぶら下がって咲いているので、ツリフネソウかも知れないと思った。

 鳥居が建った二の鎖小屋へ7時45分着。小屋は建て替えのためか取り壊されていた。
 ここで厚手のシャツを脱いで一服。10年前に来た時はこの辺は残雪がたっぷりあったのを思い出す。
 ここから見る切り立った岩壁と紅葉がいい。


 ここからは鎖は登らず右手の巻き道を行く。鎖は以前に登っているのでパス。それよりも1分でも早く弥山から天狗岳が見たい。早く行かないとガスが湧き出してしまう可能性があるからだ。

 階段を登るごとに紅葉が良くなってきた。それに、ここから見る岩壁はまるで穂高のジャンダルムのようだ。

 三の鎖も巻いて行く。鎖場の上へ出ると、すぐにモーターの音が聞こえ山頂小屋へ着いた。正面に天狗岳がそそり立っていた。紅葉もすばらしい。ヤッター!バンザーイ!


 やっと弥山から天狗岳を見ることが出来た。もう何も言うことはない。
 しばし撮影タイムとする。ここからは少し逆光になるが、そんなことはお構いなしに何枚も写真を撮った。

 さて天狗岳へ行こう。ストックをデポして天狗岳へ向かって行く。10年前に来た時はガスで視界が3,4m位しか利かず不安だったが、晴れた今は何の心配もない。それに稜線の紅葉がすばらしい。

 岩場を越え、ついに晴れた山頂へ立った。念願だった「バツグンの高度感」を存分に味わうことが出来た。