シャクナゲ紀行
十文字峠 (じゅうもんじとうげ)

(2,035m、長野県・埼玉県)


十文字小屋周辺のアズマシャクナゲ


2008年6月11日(水)

毛木平〜十文字峠〜乙女の森〜カモシカ展望台〜十文字峠〜毛木平

相模原430--相模湖IC--須玉IC-(R141)--野辺山-(R68)-川上村--723毛木平駐車場737--- 905八丁坂ノ頭915----十文字小屋 --乙女の森--カモシカ展望台---十文字小屋(昼食)1144--1305毛木平

 シャクナゲといえば、必ず十文字峠の名が出て来る。花の百名山でもある十文字峠の シャクナゲが見たい一心に、開花情報を確認していたが、今年は例年より大分遅れ6月10日ごろが見頃だという。
 私は7日にアポイ岳から帰って来たばかりだったが、、何とか休暇をもらってMOさんと出かけて行った。

 十文字小屋の管理人さんは、「今年は若干花が少ない」と言っていたが、乙女の森の シャクナゲは圧巻、凄いの一言だった。

(写真左:拡大できます)

 MOさんと朝4時30分に待ち合わせ。今朝はいつものドンヨリとした黒い雲ではなく、 やがて晴れて来そうな白い雲が覆っていた。

 相模湖ICから中央高速に乗り、須玉ICで降りた。
 R141で清里、野辺山を目指して行った。途中から八ケ岳がバッチリ見えた。5月の連休にはたっぷりあった残雪も、わずかに谷筋に残ってすいるだけだった。(写真右)

 野辺山からはR68で川上村を目指して行く。

 川上村役場を過ぎ、舗装道路からダートになると毛木(もうき)平の駐車場は近い。
 駐車場へ7時23分着。相模原から3時間で着いた。60台ほど置ける広い駐車場には20台ぐらい止まっていた。この時期の週末は早朝から満車になる らしいが、今日は平日のせいかすいていた。

 この駐車場の脇には東屋やトイレがあり、周りにはレンゲツツジなどが咲いていた。一見、公園のようだった。

 駐車場からはゲートがある川沿いの林道を進んで行く。緑が眩しい。ここには「キャンプ禁止」の立て看板があった。
 しばらくすると分岐があり、甲武信ケ岳への道を右手に見送ると、すぐに千曲川源流にかかった挟霧橋という立派な木の橋を渡る。

 (この写真は下りに撮ったもの。橋を渡った先に毛木平駐車場がある)

 すぐに小さな沢に架かった丸木橋を渡ると、急斜面になった。

 老夫婦が下って来た。この時間に下って来るのは十文字小屋へ泊まったのだろう。
 シャクナゲの状況を尋ねると、
「小屋の周りは咲いてますが全体には少ないですね・・」
 とのことだった。

 私は内心、「やっぱり・・・、今年は少ないかあ・・・」と思った。シャクナゲは花付きが多い年と少ない年を繰り返す といわれ、昨年が最高に花付きが良かったというので、今年は良くないだろうと思っていたからだ。

 しかし、来年まで待とう、ということが出来ないタチなので、MOさんを誘ってやって来た訳だ。花が少なくても来年の下見だと思えばいい。

 森林地帯の急斜面で一汗かかされたが、すぐになだらかになった。
 やがて涸れ沢沿いの道となり、ミズナラやダケカンバ、モミジなどが多くなった。秋の紅葉 の季節はさぞかし見事だろうと思った。

 歩きながら五里観音を意識していたが、ついに気付かずに八丁坂の登りになった。かなりの急登だが、この程度の急登ならどこにでもあるだろう。

 ジグを切って登って行くと、途中に水場(沢水)があった。中年のご夫婦が休憩していたが我々は素通り。

 この急登も距離が短いので助かる。登り切った所に「八丁坂ノ頭」の標識が立っていた(写真左)。まずはここで一服しよう。

 ここからは本物の八丁坂ノ頭のようなピークを巻いていく。なだらかで歩き易い。所々に シャクナゲの木があるが、花は全く咲いていなかった。

 MOさんに、「ハイ、あれがシャクナゲの木で〜す」とおどけたが、全く咲いていないシャクナゲに少々不安になって来た。

 (写真右は、シャクナゲの花が咲いていないので、ヤケクソでカラマツの新緑を撮った)

 八丁坂ノ頭から20分足らずで十文字小屋の屋根が見えて来た。

 十文字峠の標識を写真に収め、小屋に向かって歩き出した瞬間、パッとシャクナゲの花が群落で咲いているのが目に飛び込んで来た。

「お−、シャクナゲが咲いてるぞ!」と歓声を上げながら走り出す。まさに今が旬とばかりにシャクナゲが群落をなして咲いていた。

【拡大できます】