小屋の前へザックを置いて、乙女の森へ向かって行った。小屋から5分ほどの距離にあるが、20mほどの坂を登って行くと、チラホラとシャクナゲが咲いていた。そして丸太で組んだ櫓があった。その櫓に登った瞬間、劇的な光景を見た。山の斜面全体がシャクナゲの群落だった。
「ヤッター!」
「すげぇ〜なぁ〜」
と歓声を上げながら、カメラのシャッターを押しまくった。
さらに、そこから10mほど登った所にも櫓があった。こっちの方が見通しが利いてすばらしい。シャクナゲの群落に圧倒された。
ここのシャクナゲは、小屋の周りにあった「花壇の花?」とは違い、まぎれもない天然物だ。これを見て感動しない人はいまい。
“今年は花が少ないかも知れない”という不安など一瞬にして吹っ飛んだ。これほどのシャクナゲを見るのは初めてだった。本当に来てよかったと思った。
大満足した所で、次は「カモシカ展望台」へ向かった。すぐに大木が茂った森林地帯になるが、その下部をシャクナゲが覆っていた。花はイマイチだが、それなりに咲いていた。
水場を過ぎ、なだらかに登って稜線へ出ると、そこもカラマツの大木の下部をシャクナゲが覆いつくしていた。
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何とシャクナゲが多いことか。日当たりが悪いせいか花付きはあまり良くないが、これらがもし一斉に咲いたら本当に凄いだろうと思った。
カモシカ展望台は、稜線がストーンと切れ落ちて絶壁になっていた。そのため展望は良かったが、地図を置いて来てしまったので山座同定ができなかった。正面に見える山も残念ながら分からなかった。
十文字小屋へ戻り、シャクナゲを見ながら昼食にした。 十文字峠のシャクナゲは、私が知っている限り他の山とは群落のスケールが違うと思った。もし、シャクナゲが見たいという人がいたら、ぜひここをお勧めしよう。ここはきっと日本一に違いない。 |