「紅葉と温泉・みちのくの山旅」
神室山(かむろさん)

(1,365m、秋田・山形)  147座

神室山と前神室山の中間から見た神室山頂。右側に避難小屋が見える。

西ノ又登山口〜(西ノ又コース)〜神室山〜(パロラマコース)〜西ノ又登山口

2006年10月8日(日)

自宅630−R16−岩槻IC−(東北道)−古川IC−川渡温泉(泊)

 今秋の紅葉狩りのメインイベントは、東北の神室山と船形山である。数年前に栗駒山で目が覚めるような紅葉を見て感激した。その栗駒山と同じ「栗駒国定公園」にある神室山なら、 きっと同じような紅葉が期待できると思ったからだ。

 その神室であるが、私が「カムロへ行く」と言うと、「何カムロ?」と聞かれて戸惑った。近くに仙台神室や山形神室、さらには禿(かむろ)岳などという山があるらしい。私が目指すのは秋田と山形の県境にあり、日本200名山でもある「神室山」である。

 予定では3連休の初日、つまり昨日から行く予定だったが、関東地方に300ミリもの大雨を降らせた台風並みの低気圧が東北地方に居座っていたため、出発を一日遅らせた。

 東北道を走っていても強風にあおられた。この風と300ミリもの大雨では、紅葉は落ちて しまったかも知れない。いや紅葉よりも林道の崖崩れの方が心配だった。もし、通行止めで登山口まで行けない場合は、温泉にでも浸かって帰って来ようと思った。

 古川ICで降り、そのまま宿へ向かわず明後日に登る船形山の林道入口を確認するため、 色麻(しかま)町を目指して行った。清水小学校のすぐ先にあった船形山登山口の表示を確認し、今度は鳴子から秋ノ宮温泉を目指して行った。明日登る神室山の林道入口を確認するためである。しかし、途中で時間切れになってしまい引き返して来た。

 今宵の宿は鳴子温泉の手前にある川渡(かわたび)温泉の湯治場である。神室山と船形山の中間点にあるこの温泉を今回のベースキャンプにした。いつでも自由に温泉へ入れるのが いい。
 ビールや食料はすべて持ち込みである。途中にあったコンビニで買って行った。


2006年10月9日(月祝)

川渡温泉の宿430−545西ノ又登山口605〜631第1吊橋〜643第2吊橋〜730徒渉点745〜910御田の神〜940前神室との分岐〜 956神室山1025〜1145前神室山1215〜1358登山口

まずは目の保養からどうぞ!


 4時30分に宿を出た。まだ真っ暗であるが、空には星が輝いていた。
 鳴子温泉を過ぎ、山間部の道を走って行く。

 鬼首峠を過ぎ、長い長いトンネルを走っていると、途中に「秋田県」の表示があった。トンネルの中が宮城県と秋田県の県境になっていた。
 そのトンネルを抜けると、空はどんよりとした雲が覆っていた。宮城県側は晴れていたのに、こうも違うものかと驚く。

 秋ノ宮温泉は、寂しいほどの山間部にあった。平家の落人という感じである。

 秋ノ宮温泉から役内を目指して行った。民家が少なく、いささか不安になったころ目的の中山小学校があった。その前に「神室山登山口」の表示があり、そこを左折して下って行くと役内である。

 鳥居の所を右折して進んで行くと、西ノ又コース登山口の駐車場へ着いた。R108から4.7km。

 すでに3台の車があった。栃木の鹿沼から来たという男性2人がちょうど出かけるところだった。彼らは西ノ又コースを行くという。さらに私が準備をしている間に、車が1台通り過ぎて行った。西ノ又コースを往復するなら、もう少し先まで車で行ける。

 6時5分に出発。
 この辺は熊出没の心配があるが、すでに3人が前を歩いていると思うと気分的に楽だった。

 6時21分、林道終点となった。先程の車が止まっていた。細い道を行くとすぐに再び林道になった。 ここは林道終点というより、崖崩れで車が通れなくなっただけである。

 6時31分、第1吊橋へ出た。沢の左岸から右岸へ渡る。周りはブナなどの落葉樹である。こういう ところは熊が出やすいので注意しながら行くことにした。

 6時43分、第2吊橋があった。この橋を渡り、沢の左岸についた道をなだらかに登って行く。少しずつ沢から遠ざかって行く。

 途中に小さな沢があった。石を2、3個飛び移る程度だが、石に飛び移った瞬間、靴が滑ってジャボン! 思わず周りをキョロキョロしてしまったが、誰もいなかったのでホッとした。こんな無様なところを見られては恥ずかしい。靴の中は水でグジャグジャになってしまった。

 そこから4、5分で三十三尋の滝がある第3徒渉点へ着いた。7時30分着。ここは昨日まで雨が降っていたせいか石伝いには渡れそうもなかった。靴はすでに濡れてしまったが、これ以上濡らすわけにはいかない。靴を脱いで渡ってから靴下を絞った。

 そこから数分登ると、不動明王があった。
 ここからは急登になった。道が真っ直ぐについている。ジグが切っていないので歩きにくい。しばらく登るとそこに「胸突八丁坂」との表示があった。この辺からブナが少しずつ色づいてきた。

 次第にガスが流れ出した。これでは稜線へ出ても神室山は見えないかも知れない。それにガスがかかっては紅葉も 期待できないと思った。

 途中で一服していると、ガスがパーと切れて、周りの色づいた尾根が見えた。このままガスが切れてく れることを願った。
 風がビュービューと唸っている。凄い風だ。タバコを1本吸い終る前に身体が冷える。のんびりと一服もしていられなかった。

 しばらくすると、ガスの切れ間から時々、陽が差すようになってきた。

 後から単独のオジさんが登って来た。私は紅葉の中を登山者が歩いている写真が撮りたかったので、そのオジさんに被写体になってほしいと思ったが、そのオジさんは私の前で立ち止まってしまった。

「登山者が歩いている写真が撮りたいので先に歩いて下さい」と言うと、
「それなら私が写真を撮ってやるから貴方が歩きなさい。自分の写真はなかなか撮れないだろうから」という。

 そう言われると、自分が歩いている写真はまだ1枚もないかも知れない。せっかくなので、「やらせ」か「撮らせ」か分からないが、写真を撮ってもらった。(左の写真:モデルは私です)

 やっと斜面がなだらかになった時、かすかな朝日を浴びた。展望もやっと良くなって来た。
 トラバースして進んで行くと、さらに展望が開ける。尾根へ出た。ここから正面奥に裾だけ見える山が神室山だろうか?

 草原の中で先程のオジさんがじっと立っていた。近づいて行くと、ここが「御田の神です。写真を撮ってあげましょう」と言う。私のためにここで待っていてくれたのだ。東北の人は親切でやさしいと思った。

   (写真右:御田の神の草原を行くオジさん)

 右手に前神室山が見える。左手には神室山が見えるはずだが、神室山はまだガスの中である。

 稜線近くなるとドウダンツツジがあった。紅葉した葉は昨日までの暴風雨で散ってしまい、残っているのはまだ元気な緑の葉ばかりだった。これではモミジ狩りにはならない。

 前神室山との分岐へ9時40分着。いよいよ神室へあと0.4kmとなった。だが、肝心な山容は見えない。

 分岐から下って、サア、最後の登り、という時、ガスがパーと切れて山頂が見えた。小屋も見えた。ヤッター! とばかりにシャッターを押しまくった。


神室山山頂、拡大できます。

 右手(山形県側)の紅葉が良くなって来た。写真を撮りながら登って行った。