4.遠見尾根〜五竜岳〜鹿島槍ケ岳〜赤岩尾根・・・2/2

 五竜山頂でゆっくりとくつろいだ後、いよいよ鹿島槍へ向かって出発する。

 ここからは一旦下って北尾根ノ頭を越え、さらに八峰キレットを越えて行くが、肝心な鹿島槍にガスが流れ出した。鹿島槍の双耳峰をバッチリと拝みながら歩きたかったが、辛うじて2つのピークが見えるので”良し”としよう。それに天気が崩れて来た訳でもない。ガスはすぐに切れるだろう。

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(こんな岩場もある)

(鹿島槍にガスが・・・)

(でも双耳峰は何とか分かる)

 八峰キレットを越え、いよいよ鹿島槍・北峰の登りにかかる。しかし、この北峰は山頂へは登らず途中から右側を巻いて行く。右手の南峰(最高峰)が凄い迫力で迫って来た。しかし、薄っすらとかかったガスが切れない。

 (写真は、北峰を巻きながら南峰を仰ぐ。南峰が凄い迫力で迫って来る)

 登り詰めた所が分岐で、左へ行けば北峰へ立てるが、北峰へ立ち寄るつもりはない。そのまま南峰へ向かって進んで行くと、雪渓があった。

 雪渓では大勢の人が休んでいた。我々も一息入れて行くことにした。雪渓をほじって食べたり、汗ばんだ顔に塗りつけた。

 山頂手前でガスが切れた。いや、ガスから抜け出したのだ。山頂は晴れた陽射しの中にあった。ヤッター! 思わずザックを放り出し、バンザイしてしまった。やっと晴れた鹿島槍の山頂へ立つことが出来た。感激だ! もうこれ以上言う事はない。感無量だった。


(山頂で思わずバンザ〜イ!)

 ここで湯を沸かし、しばしコーヒータイム。キリマンジャロならぬカシマンジャロのテッペンで飲むコーヒーは最高にうまかった。

 長年の夢が叶い、本当に嬉しかった。冷池山荘まで一気に下り、早速、祝杯を挙げた。
 我々が飲み終わった頃、隣で4、5人のパーティーが酒盛りが始まった。次第に彼らの輪に巻き込まれ(本当は積極的に介入したのかも?)、勧められるままにウイスキーをガバガバ飲んだ。本当に至極の一日だった。


 翌朝、目が覚めると二日酔いで頭がクラクラした。昨日は嬉しさのあまりに酒を飲み過ぎてしまった。・・・反省。

 外へ出ると、ちょうど御来光の時間だった。二日酔いで見る御来光は、少しにじんで見えた。

 

   陽が昇ると、鹿島槍がオレンジ色に輝いた。実に神々しく、思わず両手を合わせたくなった。


(朝日に輝く鹿島槍)

 今日は爺ケ岳を越えて扇沢へ下る予定だったが、二日酔いで頭が痛いため弟に詫びて、爺を諦めて赤岩尾根を下ることにした。こういう時は身内だと気楽にコース変更ができる。

 その赤岩尾根からは鹿島槍の双耳峰と布引山などの主稜線が見渡せ、まさに絶景だった。


(赤岩尾根から見た鹿島槍)


(鹿島槍ズーム)

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