4.遠見尾根〜五竜岳〜鹿島槍ケ岳〜赤岩尾根



(ついに立ったぞ! 晴れた日の鹿島槍ケ岳・山頂)


1981年8月

 3年前に爺ケ岳から鹿島槍ケ岳、五竜岳を縦走したが、雨に降られて鹿島槍はついにその山容を見せなかった。

 今回はそのリベンジである。弟と二人で「何としても晴れた鹿島槍のテッペンへ立とう」と、遠見尾根から五竜、鹿島槍を越えて爺ケ岳まで縦走することにした。

 そして、やっと我々の念願が叶い快晴の鹿島槍のテッペンへ立つことが出来た。冷池山荘では到着早々二人で乾杯し、その後、隣にいたパーティーからウイスキーを御馳走になり、翌日は二日酔いで頭がクラクラ。爺ケ岳への縦走を諦めて赤岩尾根を下った。

 そんな訳で爺ケ岳は登りそこなったが、怪我の功名というか、赤岩尾根を下ったのが大正解で、赤岩尾根から見る鹿島槍はバツグンだった。

 新宿発の夜行列車に揺られ、すっかり明るくなった神城駅(大糸線)で降りた。ここからスキー場の五竜とおみへ向かって歩いて行くと、途中にシャレたコーヒーショップがあったので、早速、モーニングコーヒーを頂く。

 この店のマスターは、ある大手会社を定年になりこの土地を買い、建物は材料を買って家族全員で建てているという。私もいつかこんな家に住んでみたいなあ・・・と思った。

 前回来た時は、テレキャビンが運休で麓から歩くハメになり死ぬ思いをしたが、今日は事前に確認しておいたのでその心配はない。テレキャビンという4人乗り用ゴンドラリフトで一気に1700mの稜線へ。

 遠見尾根からは、五竜岳から鹿島槍へ続く岩稜が目の前に迫って来る。遠くに見える尖ったピークが目を惹くが、鹿島槍にしては尖り過ぎている。それに貫録もない。

 これらの岩壁を左手に見ながら、ぐるっと回り込んで行く。そして、西遠見付近まで来ると、白岳の左手に五竜山荘が見えて来る。

 もうすでに8月だというのに、残雪が多いのに驚いた。しかし、縦走路には無いようだ。
 あの白岳を見ると、5月の連休に登った時の苦労が思い出されて来る。あの時はもうフラフラで、ぶっ倒れるかと思った。

 白岳まで来ると、今まで左手にそそり立っていた岩壁が、まるで怪獣の背中のように見え、その右手に、どっしりとした台形状の五竜岳の山頂があった。


(正面の稜線が縦走路。右手に五竜山荘が見える)

(山頂がクッキリと見えて来た)

 白岳から小屋へ向かって行くと、目の前に五竜岳が立ちはだかるようにそそり立つ。ここから見る五竜岳は重量感に溢れ、貫録十分だ。


 翌朝、五竜岳をめざして出発。
 陽もすっかり昇り、今日も暑くなりそうである。

 (まずは出発前に五竜をバックにハイポーズ)
 (小屋の近くにはお花畑もある)

 五竜岳山頂からは鹿島槍がバッチリ見えた。その鹿島槍を見ながら持ってきた缶コーヒーを飲んだ。(ビールじゃあないですよ)

 鹿島槍はここから見るのが一番いい。双耳峰がスクッと立ち、それを結ぶ吊尾根が美しい。これこそが「アルプスの女王」といわれる由縁だろう。

 こちらは五竜岳から見た白馬岳方面。奥の尖ったピークが白馬岳。