霞沢岳 2/2

2006年11月4日(土)

徳本峠小屋502〜602ジャンクションピーク621〜845 K1 858〜921 K2 930〜950霞沢岳1005〜1056 K1 1125〜1334ジャンクションピ ーク1340〜1508明神〜1552上高地バスT1600−沢渡

 団体さんが4時半に起きたので、私も起き出した。
 私は、彼らが騒がしく出かける準備をしている脇で、朝食のパンを食べ、彼らより3分遅れて、5時2分に出発した。

 外はまだ真っ暗だった。ヘッドランプを点けて展望台から真っ直ぐ登って行った。
 しかし、私より早く出たはずのあのグループが見えない。どこへ行ってしまったのだろう、と思っていると、後ろから「ヤッホー」という声が聞こえて来た。声からしてあのグループに違いないと思ったが、誰が誰にエールを送っているのか分からなかったので黙っていた。

 途中で女性2人に追い越される。昨夜一緒に歓談した若い2人だった。やはり若い人は速い。
 スタジオジャンクションへ5時40分着。ここからは、背後にシルエットになった穂高がよく見えた。そのためスタジオという名がついたのかも知れない、と思った。

 東の空がオレンジ色に染まっていた。遠くにボンヤリと見えるのは富士山だろうか(浅間山だったようだ)。穂高はまだ眠りから覚めない。

 空も段々白じみ、ヘッドランプがなくても歩けるようになって来た。
 しばらくして後ろから来た諏訪さんと一緒になった。諏訪さんの話によると、東京△クラブの連中は不要な荷物をデポするため、一旦分岐まで戻ったという。道理で私より後ろにいる訳だ。

 斜面が平坦になった所にジャンクションピークがあった。女性2人も休んでいた。我々もここで休憩。6時2分着。

 東側の空が良く見えた。諏訪さんが、「間もなくご来光だから待とう」というので、一服しながら待っていると、団体さんも登って来た。

 6時14分ごろ、オレンジ色に染まった東の空から、眩い光線が走った。
 ここからは八ケ岳や南アルプスなどが遠くに見えた。


 ジャンクションピークから下りになった。帰りの登り返しが思いやられる。
 めざす霞沢岳が朝焼けに染まっていた(写真右)。霞沢岳の左手遠方には冠雪した乗鞍岳が見え、さらにその左後方に御嶽山が見えた。


(左の写真:右が乗鞍岳、左が御嶽山)

 霞沢岳の写真を撮りたかったが、樹木が多くてなかなか撮れない。

 小湿原から1分ほどで鞍部へ着いた。穂高が朝焼けに輝いていた。

 ここからは、高度約400mほど登らねばならない。時間にして約2時間。女性2人、諏訪さん、私の順で登って行った。

 正面に樹木の間からK1(霞沢1峰の略だと思う)ピークが屹立しているのが見えた。その右側の岩峰群は穂高と繋がって見える。

 7時46分、正面にK1ピーク、左へK2ピーク、本峰と並び、右手には穂高がズラリと並び立った。最高のロケーションだった。

(左の写真:右端の樹木の間にチラッとみえるのがK1、左へK2、霞沢岳→クリックで拡大)

(右の写真:穂高岳→クリックで拡大)


   北斜面には一昨日降ったという雪の残骸があった。表面が凍っているので注意して行こう。

 すぐに下りになりK1との鞍部へ出た。いよいよK1への最後の登りである。(7時55分)

(左の写真:高いピークがK1、左がK2)

 K1の直下は雪と石のミックスになった。もともと急登でロープがぶら下がっている所もあったが、ロープがない所は、なりふり構わず木の枝や根っこ、岩や石などに掴まりながら登って行った。

 ピークまであと20mというあたりで、頭上から「うわ〜あ〜、すご〜い!」という女性の歓声が聞こえて来た。思わず力が入る。

 そして、私もピークに立った瞬間、歓声を上げた。ザックを放り投げ、穂高と霞沢の写真を撮りまくった。
 諏訪さんはもうK2へ向かったらしくいなかった。

【クリックで拡大】

K1からのK2(右)と霞沢岳本峰(左)

K1からの穂高

 2週間ほど前に、ここを登った友人から「休憩するならK1かK2がいい」と聞いていたが、まさにここは絶好の展望台だった。穂高や霞沢はもちろん焼岳や笠ケ岳、乗鞍、御嶽山、常念、眼下には上高地の帝国ホテルまで見えた。

 一服しながら存分に展望を楽しんだ。
 女性達はザックをデポして行ったが、私はザックを背負ってK2へ向かった。

 K2からは焼岳(写真右)が見事に見えた。焼岳は私にとって日本百名山の100番目となった記念すべき山である。その山を、今、日本200名山の150番目という節目になる山から眺めている。

 今回は特に意識した訳ではないが、節目の山から穂高が見たいという思いが心のどこかにあったのかも知れない。

 霞沢本峰の山頂まであと30mぐらい、という平坦になった所で諏訪さんとすれ違った。やはり山慣れした人は足が速い。

 そこから少し回り込んで登った所が山頂だった。ついにやった! バンザ〜イ!
 山頂へ9時50分着。ここへ11時までに着けば今日中に帰れると思っていたので、これで間違いなく今日中に帰ることができる。まずは安堵した。

 女性2人組に山頂の記念写真を撮ってもらった。ここは何の標識もなく、朽ち果てた板切れをもってハイポーズ!

 ここはハイマツが腰から胸の高さまであったが、5、6mほど先へ進むとハイマツが切れて展望が利いた。穂高はバッチリ。吊り尾根のスカイラインの小さな岩峰や岩の一つ一つまでが手に取るように見えた。

  (左の写真:霞沢山頂からの穂高、クリックで拡大)

 女性が下った後も、しばらく一人で展望を楽しんでいた。穂高の展望を独り占め。

 10時5分、下山。
 K2の5mほど手前で、例の団体さんとすれ違った。

 さらに、K1の手前にある岩場の所で筑波さんと会った。小屋で朝食を摂って6時過ぎに出て来たという。しばしおしゃべりタイム。

(写真右はK2から見たK1)

 K1へ戻ると、食事をしていた女性2人から「お帰りなさい!」と声を掛けられた。私もここで昼食にしよう。穂高を目の前にしながらの昼食は最高の贅沢だった。

 ここでアイゼンを着け、11時25分下山する。K1直下もアイゼンを着けているので楽勝だった。

 小湿原で一服。12時53分発。
 ここからジャンクションピークまでが最後の登りとなるが、登りっぱなしではなく、わずかなアップダウンを繰り返す。ギア・チェンジが大変だ。せめて急登でないのが救いだった。

 ジャンクションピークへ13時34分着。ここで一本立てた。
 ここからは下りっぱなしになるので、今までのローかセカンドだったギアをサードに入れた。しかし、ここからは北斜面になり雪がチラホラ現れるので余りスピードは出せない。登る時は暗かったので気付かなかったが、こんな急斜面を登って来たのかと驚いた。もちろんジグは切ってあるのだが。

 今まで忘れていた右足に、軽い痛みが走った。しかし、我慢できないほどではない。よくここまで持ってくれた。あと少しだ、頑張ってくれよ。

 徳本峠と明神との分岐から、そのまま明神へ向かって下った。
 小屋との分岐へ着いたのが14時12分だった。その時、ここから明神まで1時間で下れれば、16時のバスに乗れるかも知れないと思い、一気にギアをトップに入れた。

 そして走るようにして下った。沢で水分を補給し、歩きながらニコチンを補給した。そのままノンストップでバスターミナルまで行った。
 バスターミナルへ15時52分着。バスの発車8分前だった。(終バスは17:25)

 今回は、2日間とも好天に恵まれ、穂高を存分に眺めることが出来て大満足だった。心地よい疲労感を覚えながらバスに揺られていた。