毛勝山−2/2

2009年9月14日(月)

テント場537〜540クワガタ池〜635毛勝山705〜750クワガタ池〜756テント場845〜1125昼食1145〜1220三角点〜14051060mピーク1415〜1535登山口

 朝起きて外へ出てみると、目の前に毛勝山、左手に後立山連峰の鹿島槍ケ岳から五竜岳、唐松岳、白馬三山、雪倉岳から朝日岳までがシルエットになって浮かび上がっていた。

 テントは結露でバリバリに凍っていた。ここは2000m付近なので朝は一桁まで落ちるだろうとは思っていたが、まさかテントがバリバリに凍るとは思わなかった。(立山は昨日雪が降ったという)
 シルエットになった後立山連峰の上空が、うっすらとオレンジ色に染まって来た。今日は最高の天気だ。

 東の空が少しずつ明るくなるのを見ながら、外でパンとコーヒーで朝食。


(後立山連峰)

 5時37分、テントを出発。
 正面に毛勝山を仰ぎながら、なだらかな道を進んで行くと右手に池があった。クワガタ池だった。まさにクワガタ虫のように2本の角があった。これが昨日から探し求めていたクワガタ池だった。テントからわずか3分の距離だった。これでクワガタ池が山頂直下にあることが確認できた。



 そのクワガタ池から1分ほど歩いた時、不帰(かえらず)から昇った眩しいほどの朝日を浴びた。

 毛勝山は直登かと思ったが、実際は左へ巻きながら登って行く。頂上の手前にポツンとテントが張ってあった。テントに向って挨拶をしたが反応がない。そこから20mも登るとさかんにカメラのシャッターを押している単独行がいた。そこが山頂だった。昨日、登山口で会った人だった。

 山頂からの展望はバッグンで、特に剣岳の展望は圧巻だった。八ッ峰が一つ一つ手に取るように見えた。早月尾根も凄い。

 剣岳の奥には立山三山が並び立ち、その右手に大日岳、奥には薬師岳らしい山が見える。
 東側には鹿島槍の双耳峰と五竜、不帰が目を惹く。西側には遠く白山まで見える。ここは最高の展望台だ。

【写真を拡大して山頂からの展望をお楽しみ下さい。】

山頂、バックは鹿島槍、爺ケ岳

山頂からの日本海

剱、立山、薬師方面

剱岳ズーム

鹿島槍、五竜、白馬方面

南峰

越中駒ケ岳と僧ケ岳

毛勝谷と北西尾根

 山頂で360度の展望を楽しみ、7時5分下山。単独行がちょうどテントを撤収して下山するところだった。彼としばし山談義。彼から「タクシーを予約したかったが携帯が繋がらないので、もし林道を歩いていたら車で拾ってほしい」との話があった。「もちろん乗せて行きます」と応えたものの、私達は足が遅いので時間的に無理かも知れない旨を伝える。彼は急な坂道を転げるように下って行った。

 途中からクワガタ池と我々のテントが見えた。クワガタ池はここから見ると確かにクワガタ虫に見えた。


(クワガタ池はクワガタ虫にに見えますか。見えない方は→こちら

 テント場へ7時56分着。テントを撤収し8時45分下山。

 草地の下りは泥が滑って歩きにくい。まるで雪道を歩いているようだ。草地から森林帯へ入ると今度は笹や木の根っこが滑る。ここは下りでも時間を短縮するのは難しい。登った時よりも時間がかかっているような気がする。

 三角点で昼食にしようと思っていたが、もうバテバテなので途中で昼食にすることにした。

 左手から沢の音が聞こえ、河原が見えるようになって来た。三角点はもう近い。三角点へ12時20分着。ここでも小休止。

 ここからは巨木が多い森林帯になった。木の根っこで滑らないように気をつけながら一歩一歩下って行く。しかし、なかなか1060mのピークへ着かない。ここは登っても登っても着かなかったが、下りも同じだ。下っても下っても着かない。本当に長い尾根だ。途中で水分補給のため何度も小休止。

 やっと着いた1060mのピークからは、急峻な下りでトラロープの連続である。まるで垂直の下りに見える。よくもこんな所を登って来たものだと思った。足元は土や木の根が滑るためロープのない所はまるで氷の上を歩いているように足がおぼつかない。

 ヘトヘトになって登山口へ着いた。予定していた時間より2時間以上も遅れてしまったが、無事に下山できたことと、毛勝を登った満足感でいっぱいだった。

 この山はとにかくシンドイ。登山口から標高差1700mもあり、ピークの登り下りを入れるとそれ以上になる。そして、三角点と山頂以外には何の標識もない。目標となるものがないというのはつらいものだ。

 しかし、山頂からの展望はバツグンだった。特に剣岳の展望がすばらしい。ハッ峰の一つ一つのピークが手に取るように見えた。早月尾根もいい。いつの日か早月尾根も登って見たいと思った。

【毛勝の初秋】