位山 (くらいやま)

(1,529m、岐阜県)  162座

位山の全景。白っほく見えるのがモンデウススキー場。


 2008年10月16日(木)

道の駅モンデウス飛騨位山から往復

自宅430-相模湖IC-805中津川IC-R257-R41-久々野-1014道の駅モンデウス飛騨位山(登山口)1030〜1125リフト最上部〜1135本奈山〜1242天ノ岩戸〜1255位山1310〜天の泉〜1436駐車場−下呂温泉(泊)

 最初は裏木曽の名峰と言われている小秀(こひで)山へ1泊2日で行こうと思っていたが、地図を眺めているうちに近くに位山という日本二百名山があることを知った。しかもコースタイムが往復3時間半と手頃なことから1日目に位山へ登って下呂温泉へ泊り、翌日、小秀山へ登ることにした。

 そこで、この位山について調べてみると、「BIGLOBE百科事典」に次のようなことが書かれていた。
『位山には岐阜県の県木であるイチイの原生林がある。位山の名前の由来について、朝廷に位山のイチイを笏(しゃく)の材料として献上した際、この木が一位の官位を賜ったことから、木はイチイ、山は位山と呼ばれるようになったという説があり、現在でも天皇即位に際して位山のイチイの笏が献上されている』、と書かれていた。

 ちなみに笏(しゃく)とは、神事の際に神職が右手に持つ細長い板である。天皇即位と関係があるというその位山へ登ってみることにした。

 自宅を4時30分に出発。
 中央高速を走っていると甲斐駒ケ岳(写真左)と八ケ岳が朝日に照らされて輝いていた。たまらず八ケ岳パーキングで休憩。甲斐駒の写真を撮った。しかしここから八ケ岳の赤岳は見えない。

 今日は平日なので高速道路はガラ空きで、ついスピードを出したくなるが、お巡りさんが怖いのでセーブしながら走って行く。一度スピード違反でパトカーに追いかけられたことがあるからだ。

 中津川ICで降り、R257で下呂温泉をめざして行く。右手奥に恵那山(写真右)がひときわ大きく見えたが、少しモヤっているのが残念だった。

 R41と合流する手前に加子母(かしも)という集落がある。ここで明日登る予定の小秀山の登山口である乙女渓谷の入口を確認して行った。実はここを確認するためわざわざ遠回りをして来たのである。

 下呂温泉から高山へ向かって行き、途中、久々野(くぐの)からR98へ入り、やっと「道の駅モンデウス飛騨位山」へ着いた。10時14分着。

 ガランとした駐車場の正面に見えるボッテリした山。あれが位山だろうか? とても日本二百名山とは思えない。
 しかし、この駐車場の周りの紅葉はすばらしかった。街路樹や隣の公園のドウダンツツジ、ナナカマドなどが真っ赤に色付いていた。今回は紅葉は全く期待していなかったので意外だった。これを見ただけでも来た甲斐があったと思った。山の上の方はもっとすごいかも知れないと期待が膨らむ。

【拡大できます】

道の駅

駐車場から見た位山

道の駅周辺の紅葉


 10時30分出発。
 駐車場から公園の中を高山側へ歩いて行くと、位山遊歩道の標識があり、「よ志川」というロッジの先に登山道があった。ゲレンデの牧草のような草が生えた中に登山道があった。スキー場のゲレンデを登るほどつまらないことはない。

 登山道には高山植物のハクサンフウロに似た小さな花が咲いていた。
 今日は肌着を長袖にしてきたので暑い。駐車場は冷たい風が吹いていたが、ここは全くの無風で、その上真夏のような太陽が照りつける。

 いつの間にか登山道の周りはススキに覆われた。私の背丈よりも高いススキに、「今日はススキを見に来たんだっけ?」とつぶやきたくなった時、真っ赤なドウダンツツジがあって感激!

 リフトの最上部へ11時25分着。
 ここからやっと広葉樹林の中の登山道になった。まだ全面的な紅葉というには少し早いが、所々に紅葉が見られる。なかなか気持ちがいい道だ。

 だらだらとした登りを登り切った所に、三角点があった。何の標識もないが、ここが太奈山だろう。森林に覆われ展望は利かない。駐車場から見えた山は、実はこの太奈山であって、肝心な位山はこの奥にある。

 ここはドングリがいっぱい落ちていた。ドングリが多いということは熊がいる可能性がある。熊が出るような雰囲気ではないが、念のため声を出したりホイッスルを吹いたりしながら登って行った。

 途中に姫子平という所に御手洗岩があった。その奥に目が覚めるような真っ赤なモミジがあった。しばらく立ち止まって背丈が高いモミジを見上げていた。

 段々と紅葉が良くなって来た。しかし視界が開けず、位山は見えない。