(2,160m、 群馬県)
相模原−川越IC−佐久IC−白根火山バス停〜湯釜往復〜本白根山往復−草津温泉−高崎IC |
草津の
大きな噴火口跡にコマクサが一面に咲き、まるでコマクサを栽培している畑のようだった。地元の人達が保護して復元させているようだが、それにしてもあんなに多くの群落を見たのは初めてだった。
それに、私が今まで見たコマクサはピンク色をしていたが、ここのコマクサはあずき色をしている。コマクサに種類があるのかどうかは知らないが、実にあざやかな色だった。
良く観察すると、どうも咲き出した頃はどの花も濃いあずき色をしているが、色があせてくるとピンクになるのではないかと思った。北アルプスなどで見たのは、いずれも7月末から8月の上旬だったので、見頃を過ぎた花ばかりを見ていたのかも知れない。
草津にコマクサが咲くなんて全く知らなかった。まさに大発見だった。コマクサを見たいという人がいたら、是非ここをお勧めしよう。
草津白根山といえば、ほとんどの人があのエメラルド・グリーンの水をたたえた湯釜を思い浮かべるに違いない。実は私も百名山を登ろうと思ってから、この本白根の存在を知った。湯釜は2、3回行ったことがあるが、日本百名山の草津白根山は、お釜とは反対方向にある本白根山である。
万座ハイウェイから草津温泉へ向かう途中に白根火山というバス停があり、大きな駐車場がある。(駐車は有料400円)
まずは、ここから観光客と一緒になって北側の湯釜を往復した。軽装の観光客ばかりで、ニッカズボンにごっつい靴を履いているのが恥ずかしかった。湯釜からは今年の春に登った四阿山がクッキリと見えた。感激しながら写真を何枚も撮った。自分で登ったことがある山を見ると親しみを覚える。
観光客と一緒に湯釜へ向かう。後方手前の山が逢ノ峰 | 草津白根の名所、湯釜 |
一旦駐車場へ戻ってから、今度は道路の反対側の本白根を目指す。いよいよこれからが本番である。道路を隔てて逢ノ峰という小さな山を登る。ここへ登れば本白根が見えるかと思ったが、周りは平凡な山ばかりで、どれが何んという山か分からなかった。
この逢ノ峰を下った所にロープウェイの山頂駅があった。ここまでは道路が走っており、無料駐車場には群馬ナンバーの車が2、30台ほど止まっていた。
ここからはスキー場のゲレンデになっている急斜面を登る。しかし距離は短い。すぐになだらかな道になった。ひと汗かいた頃、急に視界が開け、目の前に大きな噴火口跡が見えてきた。そして、その火口壁にコマクサがいっぱい咲いていた。カメラを持った人達がさかんにシャッターを押していた。
草津の山にコマクサが咲くなんて信じられなかった。「移植でもしたのかな」と思ったが、「コマクサを保護、復元しています」と書いたものが立っていた。復元というからには、もともと野生のものがあったに違いない。(後日、地元の小学生が移植しているのをテレビで見た)
ここから火口の中へ下ると木道になっていた。ここにもコマクサがいっぱい咲いていた。木道に三脚をセットして写真を撮っている人が多く、遠慮しているといつまでたっても通れない。
対岸の一番高いピークが山頂かと思ったが、それは山頂ではなく地図には「展望所」と書いてあった。
展望所 |
コマクサ |
火口跡、正面が最高点(山頂ではない) |
展望所へ登る道を分けて右へ進んで行くと「最高地点」という標識があり、20人ほどが休んでいた。ガイドブックには「ここが山頂と思われていたが、山頂はここから10分ほど行った所にある」と書いてある。そのまま進んで行くと分岐点へ出た。左側はロープが張られ「立入禁止」と書いてある。右は万座温泉へ下る道だ。
その「立入禁止」と書かれたロープをまたいで登って行く。なぜ山頂へ行く道が立入禁止なのか解せない。人はほとんど入っていないようで、道はハイマツの枝で隠れているような所が多かった。
山頂には先客が1人いて、セルフタイマーで写真を撮っていた。そこへ私が現れたので歓迎された。お互いに写真を撮り合った。そこには三角点と、「ここが本当の本白根山です」と書いた標識があった。なんともユニークな山頂ではないか。もしこの標識がなかったらどこが山頂か分からないような山頂だった。
帰りは展望所から鏡池へ抜け、ロープウェイの山頂駅から車道を下って帰って来た。
家へ帰って来てから、「鏡池は世界遺産に登録しようという声があるほど、水がきれいで美しい池である」ということを知った。立ち寄って来れば良かったと悔やんだが遅かった。池は登山道から少し離れた所にあったので素通りしてしまったのだ。
今回は、草津の本白根にコマクサが咲いているという大発見をした。色も鮮やかで実に見事だった。ロープウェイの山頂駅までは車で入れるため、2、30分も歩けばコマクサを見ることが出来る。ぜひ友達に教えてあげよう。(車の場合は白根火山のバス停から、弓池を右手に見ながら登る。駐車場まで5、6分)。(平成9年)