万太郎山・・・2/3

紅葉真っ盛りの谷川岳〜万太郎山・縦走(2日目・・その1)


2015年10月13日(火)
谷川岳肩の小屋〜万太郎山〜土樽駅

谷川岳肩の小屋540〜650オジカ沢ノ頭700〜731小障子ノ頭740〜751大障子避難小屋〜823大障子ノ頭843〜944吾策新道分岐〜950万太郎955〜958吾策新道分岐〜1102井戸小屋沢ノ頭(昼食)1120〜1401登山口1405〜1450ごろ・土樽駅

 朝4時半起床。ヘッドランプを点けて休憩室で湯を沸かし、コーヒーとパンで朝食。(小屋の朝食は6時から)
 東の空がオレンジ色に染まりだすと、ほとんどの人がご来光を見に谷川岳山頂へ向かったが、私は弁当をもらって5時40分、オジカ沢の頭をめざして下って行った。

 振り向けば、トマノ耳にいる登山者の姿が見えた。ヤッホ−と声を掛けたいと思った。

 中ゴー尾根との分岐を過ぎ、最低鞍部付近で朝日を浴びた。

 オジカ沢ノ頭(右)と川棚ノ頭(左)のスカイラインが朝日に染まって綺麗だ。ここからは川棚ノ頭より、オジカ沢ノ頭の方が尖って見える。”早くあのテッペンへ立ちたい”と心が逸る。

 土樽側の雲海が気になる。あの雲海が這い上がって来なければいいのだが・・。

 小屋のご主人に、「今日は西高東低になり、風向きも変わる。もっても午前中でしょうねぇ・・」と言われて来が、何とか下るまでは晴れていてほしい。


(谷川岳を振り返る)

 オジカ沢ノ頭が大分近づいて来た。

 最初のピークの岩場を登ると、さらに奥に2つのピークが見えた。

 近づいて行くと、かなり痩せた岩稜(写真左)で、”ちょっと嫌らしい”と思ったが、左へ巻いてからクサリで登る(写真右)。

 登り詰めた所が山頂かと思いきや、奥にまだ2、3のピークがあった。そう簡単には登らせてはくれない。

 斜面が緩やかになり、俎ー山稜の写真を撮ろうとした時、避難小屋が見えた。

 そして、ついにオジカ沢ノ頭へ立った。「オジカ沢ノ頭へ立ったぞ〜!」

 ここから万太郎の堂々とした山容が見えた。特に恐竜の背中のようなゴツゴツした万太郎尾根(吾策新道)の岩峰が目を引く。
 ここから万太郎山までは幾つものピークを越えて行かねばならない。縦走路の途中に大障子避難小屋が見えた。


(オジカ沢ノ頭から万太郎山方面)

 さあ、早く万太郎へ行こう。
 オジカ沢ノ頭を下りだしてすぐにガスが這い上がって来た。すっかりガスに覆われてしまい、視界は3、40mだろうか。その中をササに覆われた斜面を下って行く。

 そして、小さなアップダウンを何度も繰り返して行く。

 突然、小さなピークに標識が見えた。小障子(こしょうじ)ノ頭だった。「こんなに早く着いちゃったの〜?」と驚く。オジカ沢ノ頭からコースタイム50分のところを31分で来てしまったからだ。

 後から気づいたことだが、コースタイムはオジカ沢ノ頭から小障子ではなく、避難小屋までが50分だった。私は休憩込みで51分だった。

 大障子避難小屋はドアの具合が悪く、中を見ることは出来なかった。

 ここからは大障子(おおしょうじ)ノ頭への登りになる。心して行こう。
 避難小屋からは予想通り急登になった。この登りは単なるピークではなく、大きな山を登っている感じである。
 登山道はU字溝のようになり、草が覆いかぶさり、朝露と霧でスパッツも靴も、ズボンまでもがビッショリで泥だらけだ。

 やっと登り詰めた所(写真左)が山頂かと思ったが、左手奥に本物の大障子ノ頭が見えた。

 大障子ノ頭へ、8時23分着。

 本来なら、ここから目の前に万太郎山がドガーンと見えるはずだが、今は何も見えない。

 水分を補給して一服していると、何と雪が降って来た。大した降りではないが、急いで雨具の上だけ着てザックカバーを着けた。雨具のズボンは泥だらけのスパッツを外すのが面倒なので穿かないことにした。

 下り出してすぐに雪から雨になった。その雨の中での岩場の下りが大変だった。岩が乾いていれば何でもない所だが、岩が濡れて滑るのだ。ツルツルした岩の下りは、まさに命がけの下りだった。

 私が岩場で苦戦している時、昨夜、肩の小屋で一緒になり、「明日は平標まで行く」と言っていた旦那さんが追いついて来た。この寒いのにTシャツ姿なので驚いた。

(岩場を下る半袖のオジさん)


 その旦那さんが、「なんで鎖がないんでしょうねぇ・・!危ないですよ、ここは!」と言っていたが、ここは雨天の日は本当に怖い。

 岩場を過ぎ、さらに下って行くと、さっきの旦那さんが裸になって着替えていた。

 いよいよ万太郎の登りになった。草黄葉が次第にハイマツやシャクナゲに変わって来た。高度が上がった証拠だろう。


 大きな石や岩が現れると、山頂らしきピークが見えた。「ヨイシャー!」と気合を入れて登り詰めると、そこは山頂ではなく、吾策新道との分岐だった。万太郎山へは90度左へ曲がって行く。

 稜線をわずかに進んだ所に万太郎山の山頂があった。
 せっかく立った山頂は、雨で何も見えない。一服してすぐに下山にかかる。