大 岩おおいわ ・ 碧 岩みどりいわ・・2/2

 いよいよ大岩の岩場の登りになった。ここは碧岩より容易に登れるというから大したことはあるまい。
 右手には巻道もあったが、正統派は当然正面突破を試みる。風がなければそれほど難しい岩場ではないが、ここを下るのはちょっとヤバイかも?


(大岩の岩場を正面突破。右手に巻道がある)

 標識が立った山頂へ無事到着。11時25分。
 雨も止み、展望を楽しみながら昼食にした。といってもコンビニのオニギリ2個という貧しい昼食である。


(大岩の山頂)

(山頂の紅葉)

(5月に登った立岩)

 下りは巻道を下った。
 肩からは、再び、紅葉したドウダンを掻き分け、ドウダンのトンネルを潜りながら下って行く。とにかくここはドウダンだらけである。


 主稜線へ出ると標識があった。ここが地図上の大岩分岐だったようで、行く時は見落としてしまったようだ。

 この分岐を過ぎてすぐ右足がつってしまい、痛くて道端にうずくまる。とても碧岩どころではないと思ったが、痛みがとれたので行ける所までと思って歩き出す。

 碧岩との分岐へ12時21分着。
 いよいよ碧岩である。足の痛みも和らいだので何とか登れるだろう。支尾根を下って行くと、大きな岩にブチ当たった。さて、どこから登るのだろうと思ったが、良く見ると右側に巻道があった。

 大きな岩と倒木の間をすり抜けると、トラロープが見えて来た。パッと見では、「ロープなんて無くても登れるじゃん!」と思ったが、どうしてどうして!かなり手強そうなのでストックをデポして(といってもただ放り投げておいただけだが)、気合を入れ直す。

 この岩場をクリアーして登って行くと、今、登って来たばかりの大岩が双耳峰のように見えた。ここから見る大岩の紅葉もいい。



(最初のロープ場)

(今登って来たばかりの大岩)

 しばらくすると第2のロープが現れた。ここはロープがあっても岩が逆層で、しかも途中でトラバースする必要があるので手強い。下りが思いやられる。この碧岩は南牧村のHPでも難易度が上級となっていたのも頷ける。

 この岩場を過ぎても、岩や木、根などに掴まりながら両手両足の四駆で登って行く。


(第2のロープ場)

(紅葉)

 そして、ついに標識が立った碧岩の山頂へ立った。しかし、あの大岩から見た碧岩の山頂へ立っているという実感は全くない。ただ上州のマッターホルンのテッペンに立っていることだけは間違いないのだが・・。
 
 山頂からは大岩こそ樹木で見えないが、鹿岳や四ツ又山、5月に登った立岩、さらには荒船山の行塚山などが見えた。鹿岳と四ツ又山は次のターゲットにしよう。


(碧岩の山頂)

(鹿岳と四ツ又山を遠望)

(大岩もマッターホルンのようだ)

 下りは慎重に下った。ロープ場は2ケ所とも途中でトラバースするので厄介だが、落ち着いて足場を探しながら下った。足を滑らせてもロープがあれば問題はない。

 基部のロープを下ってしまえば、もう危険な所はない。道は岩やピークを全部巻いているからだ。

 碧岩と大岩の分岐へ13時41分着。ここで水分を補給し一服していく。

 ここからは稜線分岐へ戻り、後は何も考えることはない。三段の滝をめざして下って行った。しかし道が細く、落ち葉で滑りやすいのでスピードは出せない。

 三段の滝基部へ14時34分。
 登山口へ14時54分着。
 登山口には朝と同じように私の車だけがポツンと寂しそうに置いてあった。つまり今日山へ入ったのは私一人だけだったようだ。

 碧岩と大岩は総じていうと、碧岩の方が難易度は確かに高いが、ロープがあるので命に係わるようなことはない。表妙義の難易度に比べれば1/10か2/10ぐらいだろう。

 碧岩も大岩も小じんまりした山で、アルプスなら一つのピークに過ぎないような、いかにもローカル的な山ではあるが、山容も展望も良く、岩場があって気が抜けず、スリルと紅葉を同時に味わうことが出来た。ただ稜線へ出た所に標識がなく、本当に正規のコースだったのだろうかという疑問が残る。