三嶺−2/2

 一気に高山らしくなって来た。大きな岩にはツララがぶら下がっていた。
 木の階段を登り、コメツツジの群落が現われると、すぐに標識が立っていた。ここは山頂とヒュッテの分岐だった。すぐ後ろには雪渓と小さな池があった。

 まずは左の山頂を目指して行く。標識には「山頂まで300m」と書いてあった。
 分岐から10mも登って振り返ると、標識の奥にヒュッテとトイレが見えた。
 最初の小さなピークを登ると、正面に三角形のピークが見えた。あれこそ紛れもない山頂だろう。

 ぬかるんだ道には登山靴とシカの足跡があった。わずかに下って登り返し9時ジャストに山頂へ到着。

 誰もいない山頂は私一人で貸切だ。展望はいいが剣山や次郎笈方面は逆光で、少し霞んで見えた。


(三嶺の山頂)

(山頂からの展望、左から剣山と次郎笈)

 山頂は風が強く寒くて長くはいられなかった。少し戻った岩陰で一服していると、山頂の方でガサガサした。熊が出たか!と立ちあがると登山者だった。反対(高知県)側から登って来たという。

 とにかく寒い。ヒュッテでゆっくり休憩しよう。

 分岐まで戻り3、40mも行くとヒュッテがあった。ヒュッテといっても無人の避難小屋である。しかし、なかなか立派な建物で中も綺麗だった。こんな所なら泊ってもいいと思った。

 ヒュッテでは写真を撮っただけで、すぐに引き返す。山頂との分岐へ9時25分着。ここからは一気に下ろう。

 途中で単独行の旦那さんに会った。やはり200名山狙いで、明日は東赤石山へ行くという。
 さらに下って行くと年配のオジさんに会い、「ここは何合目ぐらいですか?」と訊かれる。結局、今日会った登山者は3人だけだった。

 林道終点との分岐へ9時58分着。朝と同じ場所へ腰を下ろして休憩。

 ここからは、尾根から離れて北斜面を下って行く。登りでは気づかなかったが、途中にあった矢印の所が水場になっていた。(ただし、水場の標識はないので注意)

 駐車場へ11時3分着。車が5、6台あった。工事関係者か釣りの人かも知れない。駐車場の広場で宿で作ってもらった弁当を広げる。山頂を往復した弁当は最高に美味しかった。

 昼食も早々に、明日登る予定の金剛山へ行くため、大阪へ向かって行った。

さて、ここでクイズです。下の写真2枚で、人は何人いるでしょうか?

(正解:0人)

(正解:1人)

 名頃の村は「カカシの村」と言われているそうです。近くにいたオバさんに「なぜカカシが多いのか」を訊いてみると、『過疎化で村民は45人にまで減ってしまい寂しいので、カカシを作って賑やかにしているんですよ・・・』、とのことだった。