守屋山−2/2

 急登を登り切れば東峰だろう、と思いきや、さらにダラダラした道が続いていた。騙され!と思ったが、100mも進むと高台に大勢の人達が見えた。そこがまぎれもなく東峰のはずである。早く槍が見たいと心がはやる。

 そして、その東峰へ辿り着くと、正面(西)に待望の槍が見えた。槍、ウ〜ン? 槍にしてはちょっと物足りない。

 良く見るとそれは槍ではなく、中央アルプスの宝剣岳だった。右に木曽駒ケ岳、左手に空木(うつぎ)岳、南駒ケ岳までズラリと並び立って見えた。

 待望の槍を探したが、北アルプスは残念ながら雲に隠れて見えなかった。

 しかし、東側には蓼科山から八ケ岳の峰々がズラリと立ち並び、まさに大パノラマだった。

 南側には南アルプスが見えた。甲斐駒ケ岳は山頂に雲がかかってしまったが、仙丈岳、北岳、塩見岳、赤石岳など主な山々は重なりあって、まるでうずくまった怪獣の背中のようで、山座同定も困難なほど不気味な山塊に見えた。

 この頂きからは日本百名山が32座見えるというが、今は一体何座見えているのだろうか。北アルプスが見えないから、15、6座かも知れない。それでも美ヶ原や八ヶ岳の奥に金峰山まで見えた。

 眼下には青々とした諏訪湖が見えた。普通ならこの季節は凍結していると思うが、今年は氷も張っいてない。
 ここから見る西峰の樹氷が見事だ。早くあの樹氷の中を歩きたい!

 東峰を下って行くと、檻のような鉄格子に囲まれた「守屋山奥宮」があった。さらに下って行くと、樹氷が一段とすばらしくなって来た。こんなすばらしい樹氷を見るのは初めてだった。感激!

(画像をクリックすると拡大できます)

 守屋山の山頂である西峰へ11時50分着。20人ぐらいが弁当を広げていた。我々もここでお昼にする。時間は無制限。
 木曽駒ケ岳から宝剣岳、空木岳、南駒ケ岳を見ながら日本酒の熱燗で乾杯!

 食事を済ませコーヒーを飲んでいると、背中の方が騒がしいので振り向くと、いつの間にかすぐ後ろに20人ぐらいの団体さんが弁当を広げていた。
 山頂にはざっと5、60人が休んでいた。この季節だからこそ人が多いのか、いつも多いのかは分からないが、いずれにしてもこの山は人気があるようだ。

 展望を満喫し、腹も膨れたのでボチボチ下ることにする。
 西峰から少し下った所に避難小屋があった。ある人のHPに「ラビット小屋」と書いてあった。私はラビットという名前の小屋かと思ったが、小屋の中を覗いて納得した。まさに「うさぎ小屋」にピッタリの小さな小屋だった。風雨や雪の時などは助かるだろうが、泊まるのにはちょっと無理がある。それにしてもラビット小屋とは面白い!

 再び東峰へ立ち、しばらく展望を楽しんだ。
 下りも雪山気分も味わいながらのんびりと下った。避難小屋の手前にあった茅葺屋根の東屋で大休止。長椅子に腰を降ろし、しばし山談義。

 ここからは近道を行くことにした。木道で水場もあった。ここはザゼンソウが咲くことで人気があるそうだ。
 今度、ザゼンソウが咲く頃に訪ねてみたいと思った。
 駐車場14時40分着。

(帰りの中央高速から撮った八ケ岳)