森吉山 (もりよしざん)

(1,454m、秋田県)  182座

ヒバクラ分岐手前から見た森吉山

ヒバクラ登山口〜山人平〜森吉山往復

2010年6月26日(土)

自宅510−705岩槻IC−(東北道・秋田道)−五城目八郎潟IC−(R285・R219)−阿仁前田−(R309)−森吉山荘−1615ヒバクラ登山口−親子キャンプ場(泊)

 この山は、写真で見る限りボッテリした山容で余り登行意欲もなかったが、1ケ月ほど前にある人のHPを見て心がときめいた。それは山頂直下にある山人平やまびとだいらに花が群落で咲いていたからだ。
 そして、「今年は何が何でも森吉山へ行こう!」と決めた。

(写真左はNPO森吉ネイチャー協会様の壁紙を使用)

 花の見頃は6月中旬から下旬だという。その時を待っていたが、先週は天気が悪く、梅雨時の登山はままならぬ。

 一週間遅くなってしまったが、今年は全国的に雪解けが遅く開花も遅いというので、今が見頃かも知れない。コースは山人平を通って山頂へ立つ「ヒバクラコース」と決め、朝5時10分に車で家を出た。

 まずはR16で岩槻ICから東北道へ乗った。今日は約12時間のドライブである。途中、安達太良付近で渋滞になり、明るいうちに登山口近くにあるキャンプ場へ着けるか心配になって来た。

 しかし、その渋滞も徐々に解消された。北上JCTから秋田道へ入って行く。秋田道を走るのは初めてだった。電光掲示板に「只今の気温35度」と表示されていた。

 五城目八郎潟ICで降り、R285を進んで行く。途中から阿仁前田へ行くためR214へ右折。いずれも道路が良く、空いているので飛ばせる。

 阿仁前田へ近付くと、正面にひときわ目立つ山があった。あれが森吉山だろうか。阿仁前田の十字路のコンビニで買い出しをして、レジの若い女性に聞いてみると、「あれは森吉山です」とのことだった。ここから見ると双耳峰に見えた(写真左)。

 ここからは森吉山荘へ向かって行く。R309は「くまげらエコーライン」と呼ばれ、道も良くガラガラなので、ついスピードが出てしまう。

 森吉山荘は山の中にポツンとあった。それを見送って進んで行くと、「ヒバクラ登山口」の標識が現われた。ここを右折して林道へ入って行く。舗装道路で走りやすい。
 まずは登山口へ行って見た。親子キャンプ場との分岐から少し進むと、「ヒバクラ登山口」の標識があり、ここから約1kmがダートになっていた。

 登山口へ16時15分着。家を出てから11時間になるが、明るいうちに着けて安堵した。登山口にはまだ車が5、6台あった。

 ちょうど下って来た中年のご夫婦がいたので、
「山人平のチングルマはどうでしたか?」と尋ねてみると、
「もう、ほとんど終わってました。全くの期待はずれでした」
 と、はるばるやって来た者の期待を打ち砕くような言葉が返って来た。
 思わず、「そうですか〜」と応えるのが精一杯だった。

(左が駐車場、右が登山口)

 登山口を確認したので、今度はキャンプ場へ行った。親子キャンプ場は広く、設備も整っていた。トイレは水洗で高速道路のSAと変わらない。それで無料である。

 先客のテントが2張あった。私も近くにテントを張った。一人で焼肉でかんぱ〜い!
 日没近くなって3台の車がやって来た。かなり遠くへテントを張っていた。

 一杯やってから、先客に挨拶に行った。今日、登って来たというので山人平の花の状況を聞いて見ると、やはりチングルマはほとんど終わっていたという。でも、イワカガミとヒナザクラがいっぱい咲いていたという。明日はチングルマは諦めてイワカガミとヒナザクラでも見て来よう!

 一人のご婦人から、「チングルマを見たいなら秋田駒の方がいい」と言われる。そもそも今月は秋田駒ケ岳へ行くつもりでいたが、例の写真を見てここへ変更して来たのである。それが裏目に出なければいいのだが・・・。

 夜中に腹が痛くなって2回もトイレへ駆け込んだ。焼肉かピーマンに当たったのだろうか。それに小雨が降って来た。朝になっても止まないようなら山へ登らずに帰ろうかと思った。


2010年6月27日(日)

親子キャンプ場−455ヒバクラ登山口515〜545立川展望台〜725ヒバクラ分岐〜804西ノ又分岐815〜855森吉山915〜940西ノ又分岐〜1007ヒバクラ分岐〜1133登山口

 朝、4時に目が覚めた。雨もほとんど止んでいた。これなら行けそうだ! すばやくテントを撤収し、車中で昨日コンビニで買ってきたサンドイッチと缶コーヒーで朝食。

 登山口までは5、6分である。広い駐車場には車は1台もなく、ガラ〜ンとしている。まだ5時前だから、私が早過ぎたのだろう。
 時々、小雨がぱらつく。それに、ここは虫が多い。雨具のズボンを穿き熊鈴をぶら下げて5時15分に出発。

 開けた森林帯の中を行く。熊が出てきそうな感じはしない。
 5分もすると大粒の雨が降って来たが、雨具の上着は着ずにそのまま歩いて行った。
 所々に木道があった。いつの間にか雨が止んだ。バカでかいミズバショウの葉があったが、花はもちろん終わっていた。

 周りがブナ林になった。ここは道幅も広く草つゆで濡れることもない。
 道端にはマイズルソウがいっぱい咲いていた。

 30分ほど歩くと、パッと開けた所へ出た。太い丸太を輪切りにしたイスが幾つか置いてあった。ここが立川展望台らしい。対岸に見える山は何だろう。
 ここでは休憩もせずに、そのまま歩いて行くと、白いイワカガミの群落があった。ヨッシャー! こうでなくっちゃあ〜、せっかく花を見に来たんだから・・・。

 ここは山を登っているというよりも、歩いているという感じだった。急登らしい急登もない。しかし、湿度のせいかもう汗だくだ。足元に咲いているイワカガミやマイズルソウなどの写真を撮りながら登って行った。

 途中に「水場1分」の表示があった。冷たい水も欲しいが帰りにしよう。
 また雨が降って来た。しかも本降りである。大きな木の下で雨具の上着を着込み、ついでに一服。

 歩き出してすぐに、ピンク色のかわいい花を見つける。イワナシのようだ。この花を見るのは初めてだった。これを見ただけでも来た甲斐があった。

 一跨ぎできそうな沢を続けて2回渡り、しばらくすると丸太の階段になった。いよいよ急登が現われたということは、ヒバクラ分岐が近いということか。

 階段を登っているうちに雨が止んだ。そして、背後の視界が開ける。左後方に見える雲がかかった山は岩手山だろうか。
 さらに5分ほど登ると、左前方に雪渓が見えた。あれがヒバクラ岳に違いない。


(岩手山か?)

(ヒバクラ岳だろう?)

 登山道は、雪渓の上の尾根へ回り込んでから、ピークへは立たず反対側へトラバースして行く。するとパーと視界が開け、木道になった。ここがヒバクラ湿原に違いないと思った。
 しかし、チングルマは全くない。ポツンポツンとイワイチョウが咲いているだけだった。正面に待望の森吉山が見えて来た。
 ヒバクラ分岐へ7時25分着。


(ヒバクラ分岐からの森吉山)

(ヒナザクラ)