森吉山−2/3

 ここからもイワカガミやイワイチョウ、ヒナザクラなどが咲く、気持ちのいい木道を歩いて行く。

(イワカガミが可憐だ!)

 すぐにドロンコ道を下るようになった。道端にミズバショウやサンカヨウ、ムラサキヤシオなどが咲いていた。イワカガミはどこにでも咲いている。

 鞍部から今度はなだらかに登って行く。
 カッコウが近くで鳴いていた。私のザックにぶら下げた熊鈴がガランガランとヤカマシイ音を立てているが、驚く気配もない。

 西ノ又(大印)との分岐へ8時4分着。ここには木のベンチがあったので休憩。いよいよここからが山人平であるが、逸る気持ちもない。のんびりと一服してから行こう。

 山人平のチングルマは、聞いていた通りほとんど終わっていた。チングルマの咲殻を見ながら木道を歩くのは、何ともむなしい。
 しばらくすると、わずかにチングルマが咲いていたが、絵にならない。まあ、今日はイワカガミとヒナザクラを見に来たのだから仕方がないか・・・。


(西ノ又分岐、バックはヒバクラ岳)

(チングルマが咲き終わった山人平)

(少しは咲いていた)

 一人でボヤキながら歩いて行くと、パーと開けた池塘がある所へ出た。ミズバショウが咲き、まるで白い粉を振りまいたようなヒナザクラの群落が広がっていた。お〜!と歓声を上げた。こうでなくっちゃあ〜。


(ヒナザクラと森吉山)

(ヒナザクラの群落)

 いよいよ本峰の登りになった。道端には花々が絶えない。
 今回は山人平の花の群落に期待していた分だけ落胆も大きかったが、冷静になってみれば登山道の両脇はお花でいっぱいだ。紫色のハクサンチドリが群落で咲いているのがいい。これほどの花は、そうザラにはない。


(ハクサンチドリ)

(オオバキスミレ)

(アオノツガザクラ)

 雪渓を登り、わずかに階段を登ると大きな岩がゴロゴロした山頂の一角へ出た。正面に見える山頂に登山者が一人立っていた。ハイマツを久しぶりに見た。

 山頂へ8時55分着。日本二百名山の山頂へ立ったという感激はない。それもチングルマが咲き終わってしまったせいかも知れない。
 角館から来たという先客と、しばし山談義。東京へ帰るのに一番早いコースを聞いてみると、R105から大曲ICへ出るのがいいのではないか、とのことだった。
 しばらくすると、もう一人一ノ越方面から登って来た。


(テッペンが見えた)

(森吉山山頂)

(一ノ越方面、拡大できます)

 9時15分下山。下りはもう写真を撮ることもない。スタスタと下って行くと山人平で15、6人の団体さんに会った。きっと花のツアーだろうが、皆んなガッカリしているに違いない。

 山頂で雨が止んだので雨具の上着を脱いでしまったが、西ノ又分岐を過ぎた時、小雨が降って来た。急いで上着を着た。

 ヒバクラ分岐を過ぎ、途中の道端に座り込んで一服していると、23人のツアーが登って来た。”そこのけそこのけツアーが通る”急いでザックを持ってお引越し。

 登山口へ11時33分着。車が5台増えていた。ツアー2組はマイクロバスで送ってもらったのだろう。雨も上がっていた。
 ここでコンビニのオニギリで昼食。

 問題はこれからである。どこのICへ出れば一番早く帰れるかである。コースとしては@五城目八郎潟ICへ出る。A大曲ICへ出る。B東北道の鹿角八幡平ICへ出る、という三通りが考えられるが、どれも余り変わらないような気がする。

 そこで、森吉山荘へ立ち寄って聞いてみると、Bの鹿角八幡平ICへ出るのが一番早く帰れるとのことだった。山荘から今度は大平湖を目指して“くまげらエコーライン”を走って行く。大平湖を過ぎると林道のようになり、カーブの連続になったが、対向車が来ないので助かった。

 東北道で渋滞にはまり、自宅まで約11時間だった。あ〜あ〜、疲れた。