アカヤシオ紀行・・・その1 月 山 (がっさん)

満開のアカヤシオ

2007年5月8日(火)


自宅445−(R16-R3)−久喜IC−802今市IC−鬼怒川−900栗山ダム駐車場912− 1005分岐−1012山頂−1117ダムサイト−1145駐車場

 今年は徹底的にアカヤシオを見に行こうと思い、先月、石裂(おざく)山へ行って来た。しかし、時期が少し早過ぎてまだ2分咲きだった。今度こそ満開の花が見たい、そんな思いで日光栗山村の月山の開花を待っていた。

 月山は、日光栗山村と言った方が通りはいいが、正しくは今市市にあるため、先月、今市市役所へ開花状況を尋ねたところ、「たぶん連休明けになると思いますよ」と言われたので、連休明けまで待っていた。

 そして連休明けの昨日、再び電話をしてみると、
「3日から5日ごろが盛りだったようです。でも一週間位は見られますので、あと2、3日は大丈夫でしょう」と言われて焦った。

 クソー・・・連休中に行けば良かったと思いながらも、じっとしていられなくなり、急遽、 上司に休暇を申し出た。

 そんな訳で、今日は会社を休んでのアカヤシオ紀行である。
 朝4時45分に家を出た。天気も上々。平日に山へ行くのも悪くない。
 R16号線で川越へ出て、久喜ICから東北道へ乗った。

 高速は順調に流れ、今市ICで降りて鬼怒川を目指して行く。雲が少しずつ広がってきた。今日は快晴と報じていたので雨具を持ってこなかったが、少しヤバイかも知れない。

 鬼怒川を過ぎ、栗山村へ向かって左折する。日陰という集落へ入り、「栗山ダム」(日陰牧場だったかも)の標識にしたがって左折して林道へ入って行く。

 林道には前にも後ろにも車は1台も走っていなかった。やはり平日に山へ来るバカはいないのだろうか。私一人で山へ入って熊に喰われやしないかとツマラナイ心配をしていたが、トンネルを抜けると何と50台もの車が止めてあって驚いた。それにしても「毎日が日曜日」という人が何と多いことか。

 駐車場は200台も置けそうな広い駐車場で、立派なトイレもあった。車を止めた隣の青年と挨拶を交わす。この青年は東京の人だが今はこの地元でボランティアをしているという。

 この青年と肩を並べて舗装された林道を歩き出す。すぐに正面奥に桜が咲いたようなピンク色の山肌が見えて来た。
「オ−、凄い!」と歓声を上げた。
 青年は、「例年は山全体がピンク色に染まるんですが、今年は半分ぐらいですねぇ・・」と言った。例年ならもっと凄いということらしい。

 林道をしばらく歩きカーブを曲がり切った時、広場になった所にカマドのようなヘンなモノがいっぱいあり、その奥にアカヤシオがピンク色に染まっていた。思わず、「すご〜い!」と歓声を上げながら走り出した。

 すでに三脚をセットして構えているカメラマンが大勢いた。その脇まで近寄ってシャッターを押しまくった。


バーベキュー広場からの月山

例年はピンク色に染め上がるというアカヤシオ

 ボランティアの青年が、「ここは地元の人達がバーベキュー大会を開いて花見をするんですよ。花は桜ではなくヤシオなんです」と言った。

 なるほど、それでここを「バーベキュー広場」というのが納得できた。
 ヤシオツツジは、桜と同じように葉が出る前に花を咲かせるため、遠くから見ると桜と変わらない。

 登山道は、このバーベキュー広場の左手にある尾根を登って行く。右も左もアカヤシオでいっぱいだった。先月行った石裂山とは比較にならない。まさにアカヤシオのトンネルだった。

【拡大できます】

 こんな綺麗なアカヤシオを、山仲間や職場の人達にも見せてやりたいと思った。いつの日か是非ここを案内してやろう。

 ここからは花を見ながらの散策である。ヤシオは背が高いので写真がうまく撮れない。それに実際のピンク色がレンズを通すと鮮やかに出ないのが残念だが、せめてイメージだけでも見て頂こう。

【拡大できます】

 山頂には大勢の人がいた。オジさんオバさんが腰を下ろすでもなくウロウロしていて落ち着けない。
 山頂からは女峰山の赤薙山が見事に見えた(写真右)。

 山頂から反対側へ下る道が2本あった。しかし、どこへ下るのか分からないので、そのまま分岐まで引き返す。

 分岐からはダムサイトへの道を下る。ここもアカヤシオがいっぱい咲いていた。ある人のHPに「花でダムが見えないくらい」と書いてあったが、まさにその通り。こんな所を急いで下ってしまってはもったいない。ここでお花見をしながらランチタイムにした。

 私がオニギリを食べていると、100人ぐらいの団体さんが登って来た。オバさんが「おいしそうねぇ・・」と声を掛けて来たので、何処から来たのかを尋ねると宇都宮から来たという。

 ヤシオは栃木県の県花であり、ここはその県花が咲くことで地元では有名だそうだ。しかし、近年は他県からド−と人が押し寄せて来るという。

 駐車場へ戻ると、観光バスが3台、乗用車が100位になっていた。さすがはアカヤシオの名所だと思った。GWはきっとここが満杯になり、溢れた車もあったに違いない。

 この山は、登山としてはあっけなく一周してしまうので物足りないが、アカヤシオは最高だった。気が済むまでアカヤシオを見ることが出来て、本当に満足だった。

  (開花状況の問い合わせは、今市市役所・観光商工課:0288−21−5170)

  
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