鳴神山 (なるかみやま)

(980m、群馬県)



世界で鳴神山にしか咲かないというカッコソウ


2014年5月17日(土)
大滝登山口〜鳴神山〜コツナギ橋〜大滝登山口


自宅−510高尾IC−(県央・関越・北関東)−太田藪塚IC−(R315-R68-R66-R343)−720大滝登山口730〜830水場〜(カッコソウ)〜900雷神岳神社〜907鳴神山(桐生岳)920〜925仁田山岳〜938椚田峠〜(カッコソウ)〜1010昼食1040〜1055こつなぎ橋〜1110大滝登山口

 鳴神山へカッコソウを見に行くことにした。
 カッコソウは、世界でも鳴神山にだけしか自生しないという貴重な花で、ぜひ一度は見てみたいと思っていた。
 そのカッコソウが先週見頃だったと知って、急遽、出掛けることにしたのだが、果たしてまだ間に合うだろうか。

 関越道の高坂SAでSさんと6時に待ち合わせ。お互いに早く着いたので6時ジャストにSAを出発することが出来た。今日は土曜日なので駐車場が少ない大滝登山口へ1分でも早く着きたい。

 北関東自動車道の太田藪塚ICで降り、渡瀬川を渡り、桐生市内を抜けて桐生川沿いに走って行く。R343へ入ると一車線の山道になったが、この時間帯に下って来る車はない。

 路肩駐車が目立つようになると、すぐに大きな鳥居があった。ここが大滝登山口らしい。
 私が持っているガイドブックには15台程度止められる駐車場があると書いてあったが、実際は駐車場はなく、路駐するしかない。我々も何とか隙間をみつけて路駐することができホッとした。

 鳥居の脇に、「鳴神山ハイキングコース」という標識があった。今日はまさに「低山ハイク」である。
 まずは樹徳高校山荘の前を通って杉林の中へ入って行く。


 7、8分で大滝(不動滝)が見えて来た。滝の下まで行って写真を撮った。滝の脇には不動明王が安置され、宝永六年と読み取ることが出来た。
 沢沿いに林道のような広い道を登って行く。

 右手の沢が涸れると、ガレ場のようになって来た。

 途中で小休止。今日は時間は全く気にすることはない。コースタイム3時間の所を今日中に降ればいいのだから・・。写真撮影や休憩時間は無制限である。
 大きな岩にしめ縄があった。そこが水場で不動様が祀られていた。

 水の流れは細く、淀んでいるように見えた。飲むには勇気がいるかも知れない。
 途中で下山者に会った。単独で下って来たオジさんが、「花が綺麗に咲いてますよ!」と、嬉しいことを言ってくれた。もう遅いかと心配していたので嬉しい。早くカッコソウが見たいと心が逸る。

 岩や石がゴロゴロした登りになった。とても低山ハイクとは思えない。

 しばらくすると、峠のような鞍部が見えて来た。そして、その鞍部の手前に無数の看板が見えた。そこが待望の”カッコソウのお花畑”だった。早速、撮影開始。ここは群落とはいえないが、初めて見るカッコソウに感激!

 実は私が持っているガイドブックには”カッコソウ”と書いてあったので、カッコソウだとばかり思っていた。朝夕に「カッコウ〜」と鳴くのかと・・・。鳴くわけないか!(笑い)。
 これはカッコソウの”ウ”が余計で、”カッコソウ”というそうだ。(サクラソウ科 勝紅草/羯鼓草)

 カッコソウは、普通のサクラソウより花が大きく、葉の形状も違うようだ。とにかくこの花は180万年前から始まった氷河時代を生き延びて、今、地球上にこの鳴神山にしか無いというから驚く。

 お花畑を一周して鞍部へ立つと、そこが肩の広場で十字路になった分岐でもあった。

 そこから2、30mほど先に鳥居が建ち、右手に雷神岳神社があった。これはナルカミ岳神社と読むそうだ。

 鳥居からは岩場を登って行く。簡単なロープ場もあった。

 石祠が並ぶ山頂には5、6人の先客がいた。鳴神山は双耳峰でこの桐生岳がテッペンである。

 ここは360度の展望だ。遠くに富士山が見えた。男体山や日光白根山、皇海山は山頂部に雲がかかっていたが、東京スカイツリーや筑波山も見ることが出来た。

 展望を充分楽しんだので、次は仁田山岳へ行ってみよう。
 仁田山岳との鞍部へ下る時、鎖場があった。が、何とそれはプラスチック製だった。プラスチック製の鎖なんて初めてだ!

 鞍部から仁田山岳への道は、ヤマツツジのトンネルだった。そのトンネルを出た所が山頂で、祠があった。祠の前の石垣がコの字形に積まれていた。以前はお社でもあったのかも知れない。


 ここから一気に下って行く。
 こんなに下って良いのだろうかと不安になった頃、椚田(くぬぎだ)峠へ着いた。峠にはカッコソウの管理をしている方がいて、カッコソウが咲いている場所まで案内してくれた。

 ここはカッコソウが群落だった。思わず歓声を上げた。



 このカッコソウは、環境省によるレッドデータの評価は「絶滅危惧種・A類」だそうで、これは、10年後の(あるいは3世代後の)絶滅の確率が50%以上の危機的状況にあることを意味するそうだ。何とか絶滅せずに生息してほしいと願うばかりである。

 カッコソウの花畑から、そのまま下って行った。
 途中で昼食を摂り、コツナギ橋へあっという間に着いた。ここに3、4台止められる駐車スペースがあった。

 大滝登山口まで来ると、観光バスで来た2、30人が体操をしている所だった。やはりカッコソウを見に来たのだろう。その団体さんに、「カッコソウは見頃で群落で咲いてますよ〜!」と声をかけてやると、一斉に歓声が上がった。


(?)

(ヤマブキソウ)

(ヒイラギソウ)