農鳥岳 (のうとりだけ)

(3,026m、山梨県・静岡県)  153座

農鳥小屋から少し登った地点から見た西農鳥岳(中央)と農鳥岳(左の尖峰)


広河原〜白根御池小屋〜八本歯のコル〜北岳山荘〜間ノ岳〜農鳥岳〜奈良田(3泊4日)

2007年8月5日(日)

 自宅640−相模湖IC−甲府昭和IC−900芦安村駐車場1030−(乗合タクシー)−1115広河原(昼食)1130〜1158分岐1205〜1420白根御池小屋(泊)

 当初の予定では、昨日から北海道へ行くはずだったが、台風が北海道を直撃するというので 急遽キャンセルし、前半を南アルプスの農鳥岳へ、後半を飯豊連峰の杁差(えぶりさし)岳へ行くことにした。

 農鳥岳は北岳、間ノ岳と共に「白峰三山」と呼ばれているが、私は北岳から間ノ岳を通って塩見岳の方へ縦走してしまったので、農鳥岳はいわば“登り損ねてしまった山”なのである。

 その農鳥岳へ登るには、やはり広河原からになるだろう。かつて大樺沢から右股を登った時、ガンガン照りだったこともあってメロメロになってしまったので、今回は1日目を白根御池小屋へ泊まることにした。

 朝6時40分に家を出た。空は真夏の空が広がっているが、遠くはモヤがかかり、勝沼を過ぎても白峰三山は見えなかった。

 9時ジャスト、芦安の駐車場へ着いた。今日は駐車場が満車にならないかと心配していたが、さすがに市営駐車場だけあって、臨時駐車場を含めると600台も止められるそうだ。私は運よくバス発着所の目の前へ止めることができたが、ここは小さな駐車場があっちこっちにあり、臨時駐車場だと1キロ以上も坂を下らされる。

 車を止めるよりも早く、タクシーの呼び込みのオッサンが近づいて来た。バスなら1,000円、タクシーなら1,100円だという。すぐに飛びついたが、発車はバスもタクシーも10時30分だという。途中で道路工事をしているためゲートが開かないからだという。結局、1時間30分も待たされた。

 広河原で、コンビニのオニギリ2ケという貧しい昼食を済ませて歩き出す。北岳が少しモヤって見えた。吊橋を渡り広河原山荘まで行くと、小屋の周りで昼食を摂ってる人が大勢いた。こんな中途半端な時間に、こんな大勢いるとは驚いた。みんな白根御池小屋へ行く人達だろうか。今夜の混雑が思いやられる。

 ここからは森林地帯の急登となったが、日陰なので助かった。それに時々ヒンヤリした風が吹き渡ってくる。

 ここは展望もなく、ただひたすら急登を登って行く。足元ばかり見て歩いていると、突然、あ−!という声が聞こえたかと思った瞬間、前方上部からザックが転げ落ちて来た。とっさにザックを受け止めるべきか、避けるべきかを判断してザックをキャッチ。上部にいた女性が恐縮しながら降りて来た。女性は休憩しようと思ってザックを置いたが転げ落ちてしまったという。

 パーティー全員(5、6人)からお礼を言われたが、その時、右腕を打撲してアザが出来てしまった。恋とか人助けというのは、少々痛みが伴うようだ。


途中で見えた北岳

ピカピカの白根御池小屋

 白根御池小屋へ早く着いたので、大部屋の一番奥の列をゲット。2畳に3人ぐらいだろうか。まずは寝床を確保したので安堵。早速ビールのロング缶を買って外のベンチで飲んでいると、近くにテントを張ったという御仁がやって来た。2人で山談義をしていると、さらに3人組がやって来た。このメンバーは何と72歳のリーダーが、82歳で登山暦2年というオジイさんを引率して、明日、北岳へ登ると聞いて驚いた。

 私は、余りにも無謀ではないかと思ったが、その反面、私も80歳位まで山登りが出来たらいいなア・・・、と思った。

 夕暮れ近くなると、遠くで稲妻が走っていた。風も冷たくなって来たので小屋へ入って行った。
 この小屋はピカピカで、トイレも水洗である。南アルプス市営なので食事もマズイはずはない。(特に美味というほどでもないが)。

 夜中に外へ出てみると、満天の星だった。明日は絶好の登山日和になりそうだ。