【キスゲ紀行】
野反湖(のぞりこ)・富士見峠〜カモシカ平

(群馬県)



満開のノゾリキスゲに感激! 富士見峠からの野反湖


富士見峠〜弁天山〜エビ山〜高沢山〜カモシカ平

2017年7月19日(水)

自宅−515相模原IC−(圏央・関越)−550高坂SA615−渋川伊香保IC−(R353−R55−R292−R405)−907野反湖・富士見峠・第一駐車場934〜951弁天山〜1117エビ山〜1210高沢山1218〜1240カモシカ平(昼食)1325〜1358高沢山〜1450エビ山〜1534湖畔との分岐〜湖畔沿いの道〜1635富士見峠

 群馬・長野・新潟の県境にある野反(のぞり)湖に、ニッコウキスゲが群落で咲くという。
 尾瀬のニッコウキスゲはシカ害でほぼ全滅に近く、今やニッコウキスゲの群落は貴重になった。
 そんな貴重なキスゲを見るため、仲間を誘って出かけることにした。

 関越道の高坂SAへ6時集合。渋川伊香保ICで降り、一般道を2時間近くも走って、やっと野反湖の第一駐車場へ着いた。

 出来ればキャンプ場へ車を一台デポすれば、カモシカ平からの帰りが楽なのだが、花の季節は「駐車場がすぐに満車になる」と訊いて諦めた。
 しかし、広い駐車場にあるのは5,6台だけ!騙された思いだが、仕方がない。ここから往復しよう!


(写真は第一駐車場、左奥が休憩舎)
 車から降りると、周りにニッコウキスゲやハクサンフウロなどが咲いていた。

(左:ニッコウキスゲ、右:ハクサンフウロ)

 休憩舎まで行くと、眼下に黄色い絨毯を広げたようなキスゲの群落が広がっていた。感激!


 野反湖は「天空の湖」などと言われているが、その天空の湖の湖畔にこれほどのキスゲが咲くとは・・・、まさに天空の楽園だ!
 ここに咲いているのはニッコウキスゲだが、地元では「ノゾリキスゲ」と呼んでいるそうだ。

 少し前に観光バスが到着したようで、2,30人の観光客が歓声を上げながら、さかんにカメラのシャッターを押していた。

 サテ、我々はカモシカ平を目指して行こう!、カモシカ平にはもっと凄い群落があるという。

 まずは手前の弁天山を目指して行く。道の両脇にはキスゲはもとより、ハクサンフウロやイブキトラノオ、ノハナショウブなどが群落で咲いている。感動の連続だ!写真を撮りながらのんびりと歩いて行く。


 7、8分で弁天山南の標識があった。ここは弁天山をトラバースする巻道の分岐のようだ。

 そこから10分ほどで弁天山へ着いた(写真右)。石像は七福神の弁天様だろうか。ここで水分補給。
 ここから、緩やかに下り、そしてエビ山の登りになった。下から見た時は大した登りには見えなかったが、まさに一気の登りである。心臓をバグバグさせながら登って行く。

(手前のボッテリしたのがエビ山)

 20分ほど登り、なだらかになった所で休憩。

 エビ山の山頂は、思ったよりも広く視界も良い。標識には「恵比山」とあった。

 次なるピークは高沢山である(正面)。目的地であるカモシカ平は、あの高沢山を反対側へ下った所にある。

 高沢山へ登って行く途中にクルマユリが咲いていた。アルプスへ行かずともここで充分花が楽しめる。

 その高沢山の登りがシンドイ! 急登でもあるが何しろ暑い。今日も30度を超す猛暑日だというから堪える。

 アップアップしながら登って行くと、若い女性2人が下って来た。その女性に、
「高沢山はピークを踏むのか、ピークをトラバースするのか?」を訊いてみた。後者であることを期待したのだが、その女性から、
「山頂は展望が利きません」、という言葉が返って来た。☆※△ちょっと変じゃあない、そのヘンジ〜!

 いずれにしても巻道はなく、テッペンまで突き上げるようだ。

 さらに登って行くと単独行のオジさんが下って来た。そのオジさんは、「凄いですよ〜!花で真っ赤ですよ!感激です〜!」と本当に感激しているようで、キスゲで「真っ黄色」というのは分かるが、「真っ赤」と言ったのはよほどコウフンしていたのだろう。
 それを訊いた我々は、俄然、テンションが上がる!

 しかし、暑くてピッチはあがらない。ヘロヘロになって高沢山へ着いた。ニッコウキスゲを見るのも楽じゃあない!


 高沢山から、わずかに下ると正面に草原のような斜面が見えて来た。こんな山奥に草原があるなんて信じられないが、あの草原の麓にニッコウキスゲが咲くカモシカ平がある! さあ、早くキスゲを見に行こう!

(実際は草原ではなく、笹だった)

 カモシカ平のニッコウキスゲは凄い! 360度キスゲである。これを見て感激しない人がいるだろうか? まさに一面が真っ黄色である。




 これほどのキスゲは見たことがない。右も左もキスゲだらけである。感激!思わずバンザイしてしまう人も・・!

 私のタオルがキスゲ色に染まってしまった。全身、キスゲ色に染まってしまいそうだ!

 ここで昼食にしよう。座った目線にキスゲが入る。いや、キスゲに埋もれながら弁当を広げる、と言った方がふさわしい。仲間達もみんな満足そうだ!
 そして、ふと思う。「こんな良い場所は、誰にも教えずにそっと隠して置きたい・・・と」。

 ここで、もっとゆっくりしたかったが、先が長いので、キスゲにサヨナラをして帰路に就く。

 しかし、帰路といってもすぐに高沢山の登り返しになる。気合を入れて登って行く。

 エビ山から30分ほど下った所の分岐から、湖畔へ下って行った。もう弁天山を登りたくないからだ。

 湖畔へ出る道には花がいっぱいあった。イブキトラノオ、ハクサンフウロ、キスゲ、ノハナショウブ、シモツケソウ、フジアザミ・・・等々!


 湖畔沿いの道と合流した所がエビ平というらしい。ここからは疲れた身体をひきずって富士見峠へ向かって行った。

  そして富士見峠へ着いた時、我々は満開のキスゲに再び歓声を上げることになった。



 これだけのキスゲを見れば、もう何も言うことはない。ゲップが出そうなほどキスゲを見て感激! 今日は感動の連続だった。