ニッコウキスゲ紀行
雄国沼(おぐにぬま)湿原


雄国沼のニッコウキスゲ。盛は過ぎていましたが、まだ楽しめました。


2009年7月11日(土)

雄子沢登山口〜雄国沼湿原往復

自宅330−岩槻IC−磐梯河東IC−ゴールドライン−R459−825雄子沢登山口833〜928雄国山分岐〜935休憩舎940〜1002展望台〜雄国沼湿原散策1035〜1058休憩舎1110〜1157雄子沢登山口

 我家のニッコウキスゲが世間より1週間以上も遅れて咲き出した。毎日花を見るたびに山へ行きたくてウズいていた。
 そんな折、家内が「テレビでニッコウキスゲをやってたわよ。いい旅夢気分という番組で、すごく綺麗だったわよ」と言う。場所を訊くと、「福島県の三国何とか」だという。

 早速、インターネットで「福島県、ニッコウキスゲ」で検索してみると、「雄国沼のニッコウキスゲ」がヒットした。家内に確認すると、「そうそう、そんな名前だった」という。ミクニではなくオグニだったのだ。

 詳しく調べてみると、雄国沼湿原はニッコウキスゲが咲くことで有名らしい。喜多方側は交通規制でシャトルバスに乗り換える必要があるが、雄子沢(おしざわ)登山口なら車で行ける。そこから1時間ほど歩くことになるが、山屋は少しぐらい歩いた方がいい。

 すぐにパッキングを始める。パッキングといっても日帰りなので簡単だ。

 そして今朝、3時半に家を出た。カーナビでは目的地まで6時間、9時30分着になっていた。
 どんよりとした黒い雲が覆った東北道を飛ばして行った。那須岳は山麓も見えず、磐越道からの磐梯山は山頂部が雲に覆われていた。

 磐梯河東ICで降り、磐梯ゴールドラインを登って行く。前の車が続けて駐車場へ入って行った。八方台の駐車場だった。ここは磐梯山へ登る最短コースなので駐車している車が何台もあった。
 電光掲示板に、「只今の気温18度」と表示されていた。窓を開けると昨日までの暑さがウソのように涼しい風が入ってきた。

 雄子沢登山口へ予定より1時間も早く、8時25分に着いた。2、30台ほど置けそうな駐車場は満杯で路肩駐車も多かった。私も路肩へ止めて出発。


駐車場

路肩駐車

登山口

 登山口には、「雄国沼3.3km」と書かれた標識が倒れていた。丸太で土留めした階段を登って行くと、すぐになだらかになった。道幅も広く歩きやすいが、足元はかなりぬかるんでいた。

 今日はTシャツでは肌寒いぐらいだ。

 ここには熊がいるというので熊除け鈴とホイッスルを持って来たが、これだけ人が入っていればその必要もないだろう。ザックに入れたまま歩いて行く。

ここは水平歩道とでも呼びたくなるような、なだらかな道だった。まるでザックを背負い登山靴を履いてウオーキングをしているような感じである。森林浴を楽しみながら、ほとんどアップダウンのない道を歩いて行く。

 それでも30分も歩くと額に汗がにじんできた。バイトで汗をかくのとは違い山でかく汗は気持ちがいい。

「休憩舎1.5km」の標識を過ぎ、しばらくすると石がゴロゴロしたカレ沢のような登りになった。やっと遊歩道から登山道になった感じだ。

 もう下って来る人もいる。一体何時に出発したのだろうか。彼らにニッコウキスゲの咲き具合を聞きたかったが、じっと堪えた。ヤボなことは聞かず、楽しみは最後まで取って置いた方がいい。

 すぐに山頂のような平らな所へ出た。その平らな道を100mも進むと「雄国山との分岐」があった。ここを左へ進む。ここからは、なだらかに下って行く。

 下りきった所に水場があった。太いエンビのパイプから水が流れ出していた。そこから5〜6mも登ると目の前に立派なログハウスの建物が見えた。とても休憩舎とは思えないピカピカの建物だった。


分岐・右が雄国山、左が雄国沼

水場

ログハウスの休憩舎

玄関前からは樹木越しに雄国沼が見えた。(写真左)

 その雄国沼の右端にわずかに黄色いものが見えた。ニッコウキスゲに違いない。早くあそこまで行きた一心に一服もせずに歩き出した。

 ここからは林道というか遊歩道になっており道幅も広く、まるで上高地の遊歩道を歩いているようだった。時々、左下の湿原にニッコウキスゲが見えた。しかし、群落というほどではない。

 分岐まで来ると、私の前を歩いていた中年のご夫婦は左手の湿原へ下って行ったが、私は右手の展望台へ向かって行った。帰りに展望台へ寄る方法もあるが、その場合は急登になるというからだ。

 先客が5、6人いた展望台へ到着。眼下に雄国沼が広がり、右端の一角に湿原が見えた。その湿原の木道を歩いているハイカーや、薄っすらとニッコウキスゲの黄色が見えた。


金沢峠の展望台

展望台からの雄国沼・左側(北側)

展望台からの雄国沼・右側(南側)

(右上の写真・湿原をズーム)

(木道を散策するハイカー。キスゲがわずかに黄色く見える)

 ここで写真を2、3枚撮っただけで急いで湿原へ向かった。
 丸太とチップを敷いた急な階段を走るようにして下って行った。登って来る人が息を切らしていた。ここを下りにとって正解だった。
 階段を降りるとパーと湿原が開けると思ったが、樹木で湿原は見えない。ここから2本の木道になり、その真ん中に一方通行の標識が立っていた。ここは時計と反対周りで一周800mと書いてあった。

(拡大できます)

 やっと湿原までやって来た。はやる心を抑えながら木道で足を滑らせないように注意しながら進んで行く。はたしてニッコウキスゲは咲いているのだろうか。群落とは、どれほどのモノなのだろうか。