笈ケ岳 (おいずるがたけ)

(1,841m、富山県・石川県・岐阜県)  151座

冬瓜(かもうり)山からシリタカ山へ下る途中から見た笈ケ岳。左が山頂、右が小笈。


中宮自然保護センター〜ジライ谷〜冬瓜山〜シリタカ山〜笈ケ岳往復(2泊3日)

2007年5月3日(木)

相模原500−相模湖IC−(中央道・長野道・上信越道・北陸道)−1205金沢西IC−R8-R157-R360−中宮温泉(泊)

 私は、「日本200名山を登る」というガイドブックに載っていた笈ケ岳の写真を見た時、何が何でもこの山を登りたいと思った。残雪を抱いた独特なピラミダルな山容に、たまらぬ魅力を抱いたからだ。

 しかし、この山を登ろうとすると、そう簡単にはいかない。何しろ登山道がないため積雪期か残雪期にしか登れず、しかも山中テント泊を余儀なくされるからだ(山毛欅尾山からの場合)。

 そこでテント泊を覚悟して、雪山用のシュラフなどを買い込んで準備をしていたが、中宮(ちゅうぐう)温泉のジライ谷から登れば日帰りも可能なことを知って、私も日帰りで挑戦することにした。

 このコースは、ほとんどの人が12時間前後を要し、急登やヤブ漕き、登り返しなどでヘトヘトになっているというから、私は14時間ぐらいは覚悟しなくてはならない。そこで登山口にある中宮温泉へ前後泊で登ることにした。

 今日はゴールデンウイーク後半の初日で、渋滞が心配なので朝5時に家を出た。
 中央高速からは白峰三山や甲斐駒、八ケ岳などがバッチリと見えた。心配した渋滞もなくスンナリと長野自動車道へ入り、三角錐の常念岳を左手に見ながら進んで行くと、今度は残雪をたっぷり抱いた妙高山(写真)が見えて来た。

 妙高SAで一服しながら妙高山を見上げる。妙高はハクサンコザクラが咲く頃に、ぜひ登ってみたいと思った。(9時5分着)

 北陸道を南下し、金沢西ICで降りる。ここからR8、R157、R360で一里野温泉へ出た。当初はここから登る予定だったので、車を止めて山毛欅尾(ぶなお)山を眺める。何の変哲もない普通の山だった。

 ここからスーパー林道へ入り中宮温泉を目指して行く。(注意:ここにゲートがあり、たしか17時か18時ごろから翌朝8時まで通行止めになる)

 ここから4キロ先に登山口となる「自然保護センター」があり、その先が料金所でここからは6月上旬まで通行止めになっているが、中宮温泉はその手前で右折する。

 私は時間があったので、まずは自然保護センターへ車を止め、明日は暗いうちから歩き出さねばならない登山道を偵察することにした。まずはジライ谷の渡渉と尾根の取り付き点を確認したいので、野猿公園まで行くことにした。

(写真左が駐車場。奥に標識はないが広い遊歩道がある)

 駐車場には車が20台以上止まっていた。こんなに大勢登っているのかと驚いたが、野猿公園まで散策する人もいるようだった。

 まずは駐車場の奥にある遊歩道を登って行くと、すぐに分岐があり一瞬躊躇した。標識はない。近くで写真を撮っている人に道を尋ねると、直進が野猿公園とのこと。(左の道を10mも進むとカタクリの花がいっぱい咲いていた)。

 この分岐を確認して直進すると、すぐにトンネルが現れる。丸い普通のトンネル(下の左側の写真)で、昼間は天井灯が点いていた(山から下って来た時は点いていなかった)。次に四角いトンネル(下の右側の写真)を潜る。

 駐車場から20分ほどで、ボロ小屋の「休憩舎」が現れ、その横を流れる沢がジライ谷である。休憩舎には「マムシ注意」の張り紙があった。さて、最大の難所であるジライ谷はどこを渡渉するのだろうか。よく見れば簡単に石を飛び移ることが出来る。心配するほどのことはなかった。


休憩舎

ジライ谷

 次に尾根の取り付き点だが、良くみれば足跡がしっかり付いていた。インターネットに「暗くて取っ付きが点が分からなかった」という人や、「登り口を間違えてとんでもない所を登ってしまった」という人がいたが、ヘッドランプさえあれば絶対に間違うことはないと確信し、そのまましばらく登って行った。

 ここは、まさに「聞ききに勝る急登」である。所々にトラロープがぶら下がっている。木の根っこに掴まりながら5、6分ほど登って感触を掴んだので引き返す。これでもう明日は何の心配もない。

 中宮温泉の旅館へ行くと、「今日山へ登っているお客さんがいる」と女将が教えてくれた。夕食後にその登山者の部屋を訪ね、色々と教えて頂いた。

 その@は、ピッケルよりストックの方がよいこと。A水は1.5L以上持っていくこと。Bとにかくコースが長いので、朝は4時には出発した方がよい、等々。

 私が、日本百名山でも最もキツイと思った平ケ岳と比較した場合を尋ねると、「平ケ岳? 全くオヨビじゃあないね。平ケ岳の1.5倍位大変ですよ」と言われる。

 そして、「とにかく大変な山だが、いい山だったよ! ぜひ明日は頑張って!」と激励された。

 そもそも私は、日本100名山、200名山といわれる山の中で、この笈ケ岳が一番シンドイ山だと思っている。女将さんにも、到着早々「明日は夕食時間までに戻れないかも知れないが心配しないように、這ってでも帰って来るから」と言ってある。

 明日は私にとって最大のイベントであり、最大の挑戦の日である。明日は3時起床なので8時に就寝、のはずだったが、隣で宴会が始まってしまい、とても寝るどころではなかった。

 夜の11時を過ぎても酔っ払いの甲高い声がうるさい。女将に「部屋を変えてくれ」と言ったが、生憎満室だといわれる。明日は寝不足で登らねばならないことを覚悟した。