(1,644m、宮崎県) 167座
【プロローグ】
憧れの大崩(おおくえ)山へやっと登ることが出来た。今回の九州遠征の最大の目的がこの大崩山だった。当初は大崩山、尾鈴山、市房山と登る予定だったが天気の都合で最後になってしまったが、とにかく久しぶりに感動した山だった。
若い頃は槍や穂高で歓声を上げていたが、今回、この大崩山で何回歓声を上げたことか。
大崩山は今回初めて登ったのでエラそうなことは言えないが、この山を登るにはそれなりの経験と技術がいる。高度恐怖症の人は絶対に登らない方がいい。
具体的には、難易度では槍や穂高、剣岳などに比べても決して引けを取らない。北アルプスの山は高度感はあるが鎖や梯子などがしっかりしている。それに対して大崩山は、岩峰に立たない限りさほど高度感はないが、梯子やロープがメチャクチャ多くそれも不安定なものが多い。
場所によってはルートハンティングも要求される。単なる憧れだけで気楽に登れる山ではないことを警告しておく。
2009年4月28日(火)
大崩の茶屋502−535登山口540〜613大崩山荘620〜640三里河原分岐〜826袖ダキ展望台840〜上和久塚〜中和久塚1010〜1100上和久塚1120〜1154坊主尾根分岐(昼食)1220〜1241大崩山1250〜1312坊主尾根分岐〜1354小積ダキ分岐1405〜1615大崩山荘〜1637登山口−大崩の茶屋(泊) |
昨日は尾鈴山を登り、そのまま上祝子(かみほおり)へ来て「大崩の茶屋」さんにお世話になった。美人の湯に浸かりながらも明日への期待で心がはずむ。
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夕食の時、福岡から来ているという常連のカメラマンと女性4人・男性1人のパーティー、それに「大崩の茶屋2代目」から、大崩について色々とご教授を頂いた。
朝は弁当だけを頂いて5時2分に宿を出発。細い道を登山口へ向かって行く。ここは車のすれ違いが怖いが、この時間なら対向車も来ない。
約30分ほどで駐車場へ着いた。すでに3台の車が止まっていたが、出掛ける準備をしている間にも続々と車が入って来た。さすがに人気がある山だ。
登山届を出して5時40分発。これから憧れの大崩山へ登ると思うと嬉しい。昨日まで心配していた足の痛みも大丈夫そうだ。大崩を登るのに“痛いの痒いの”などどは言っていられない。
ここは一般コースとはいえ甘く見てはいけない。私は左カーブの所をそのまま進んでしまい、20mほど行って引き返す。
岩やロープ、木の梯子なども現れて来る。雨上がりの岩は滑りそうで怖い。
(登山口の案内板→拡大できます) |
梯子も |
ロープもあるでよ! |
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20分も歩いた時、少し開けた所にミツバツツジが咲いていた。そして、その奥に朝日を浴びた岩峰が見えた。オ〜!と思わず歓声を上げた。
(写真拡大できます) |
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大崩山荘はなかなか立派な小屋だった。ロケーションもいい。せっかくなので中を覗いてみたが誰も泊まった気配はなかった。こんないい小屋なら泊ってみたいと思った。 |
ここでヤッケを脱いでいるオジさんがいたので私もヤッケを脱いだ。今朝は季節外れの冷え込みでヤッケを着て来たが、もうその必要もない。
私が真っ直ぐ「三里河原分岐」へ向かおうとした時、ヤッケを脱いでいたオジさんが、「こっちじゃあないんですか?」と河原の方を指差す。私は「和久塚コース」を登って「坊主尾根コース」を下る旨を話し、大崩の茶屋の2代目からもお勧めコースと言われたことを話すと、「私もそのコースにしよう」と言って付いて来た。
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10分も歩くと岩場のトラバースが現れる。左手の岩峰が朝日を浴びて輝いていた。 |
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三里河原分岐へ6時40分着。いよいよここから湧塚岩峰群へ入って行く。
1、2分で河原へ出た。すると正面に小積ダキの岩峰が天を突くように聳え立っていた。オ〜凄い! 周りの人も盛んにシャッターを押している。 |
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橋を渡り、ルートハンティングをしながら進んでいく。 |
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すぐ小さな沢へ出た。大きな岩をロープでよじ登る。あとは沢沿いに登って行く。 |
途中で休憩。冷たい沢水を飲みたいが、ぬるくなったポカリで我慢する。最近やっと胃のピロル菌を駆除したばかりなので、沢水は飲まないようにしている。(^^)
しばらくすると大きな岩が現れ、岩と岩の間をすり抜ける。前にいた旦那さんに一瞬だけ立ち止まってもらい写真を撮った。ヤラセである。