大きな石や岩がゴロゴロした涸れ沢を登り詰めると、さらに急登が続く。アルミ梯子を登り、岩や木の根っこに掴まりながら登って行く。
大きな岩の下で厚手のシャツを脱いだ。とにかく暑くてたまらない。
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ここは半端な急登ではない。石と岩の急登で、心臓をバグバグさせながら登って行く。ふと見上げるとシャクナゲが咲いていた。しかし、木が高すぎて写真は撮れない。
袖ダキの分岐へ8時22分着。当然、袖ダキへ向って行く。
ロープを直登すると、突然視界が開け岩上へ出た。すると目の前に絶壁が現れ、思わず絶句。正面に400mもあるという小積ダキの絶壁がそそり立ち、右手には下和久塚の岩峰群が並び立っている。何とすばらしい光景だろうか。このトキメキを、この感動を、何と言えばいいのだろう!
(袖ダキ展望台からの小積ダキ) |
(袖ダキ展望台からの下和久塚) |
(袖ダキ展望台) |
ここで心行くまで展望を楽しんだ。とにかく凄いの一言だった。剣岳や西穂高の岩場も凄いが、ここは絶壁と並び立った岩峰群がすばらしい。あの下和久塚の岩峰へ登れると思うと嬉しいが、ゾーとする。とにかくこのすばらしい展望を見ただけで、はるばるやって来た甲斐があったと思った。
8時40分、展望を満喫したので先へ行くことにした。そのまま岩場を直進して行く。
縦走路と合流した所から、縦走路を2、3分戻ると乳房岩があるというので行ってみた。オッパイにも見えるがおむすびのようにも見える。「これがオッパイ岩かな〜?」、あまり自信はないが勝手に乳房岩だろうと写真を撮った。
(乳房岩かな?自信はありません) |
(乳房岩?から見た小積ダキ) |
(乳房岩?から見たアケボノツツジ) |
そのまま縦走路へ引き返していると、展望台から下って来たパーティーが私の姿を見て「縦走路はあっちか?」とモジモジしているのが見えた。私が「縦走路は向こうですよ。私は寄り道をしただけで〜す!」と大声で知らせてやった。
分岐から5、6分も登ると下湧塚の岩峰群がだいぶ近づいて来た。それにアケボノツツジも群落で見られるようになって来た。「山はこうでなくっちゃあ〜!」、昨日、一昨日と登った尾鈴山も市房山もアケボノツツジはイマイチだった。やはりアケボノツツジはここが一番多いようだ。
(下和久塚の岩峰が近づいて来た) |
(アケボノツツジ) |
アルミ梯子を登った所にご夫婦が立ち止まっていた。標識には左が「下和久塚」とあった。見れば梯子が5、6段連続している。私もここで一本立てよう。梯子の途中でヘバってはまずいから。
私が一服していると、空身の中年男性が下って来た。「え、空身なの?」と思ったら、このご夫婦と同じメンバーで、この方だけが空身で下和久塚をピストンして来たようだ。
私はこの下和久塚から岩峰を縦走できることを聞いていたので、荷物を背負って登り出した。さっき袖ダキの展望台から見た時は、どうやって登るのだろうと思ったが、岩峰を右手から巻いてここから梯子で一気に登るようだ。
連続した梯子を登ると、大きな岩にロープが縦に2本ぶらさがっていた。それをよじ登る。なんとも心細いロープだが、登り切った所は細長い岩上の広場になっていた。ついに下和久塚のテッペンへ立ったぞ〜!
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しばし展望を楽しみ、サア、次は中ワクだ!と尾根伝いに歩き出すと、岩上にいた大きな三脚を背負ったオジさんから、「そっちから行けるんですか?」と声がかかる。私は「行けるはずですよ〜」と言って歩き出すと、そのカメラマンと青年が後から付いてきた。
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