【プロロ−グ】 久しぶりに白馬大雪渓を登って来た。今年は雪解けが早く小雪渓は無くなっていたが、その分すばらしいお花畑が広がっていた。 また、以前から一度は登って見たいと思っていた旭岳に登頂、翌日は唐松岳まで行く予定だったが天気が思わしくなく断念したが、素晴らしいお花畑の中を歩くことが出来た。 白馬岳は「日本屈指の花の山」と言われているが、まさにその通りだった。今回見てきた花だけで一冊の図鑑が出来てしまうほど素晴らしく、最高の「花紀行」が出来た。 |
自宅745−825高尾山IC−1023安曇野IC−(R148)−1240八方・無料駐車場1305−(タクシー)−1320猿倉1325〜1433白馬尻小屋(泊) |
朝7時45分に家を出た。今日は大雪渓の取っ付きにある白馬尻小屋泊まりである。若い頃は夜行列車で行って大雪渓を登ったものだが、今はもうそんな元気はない。
中央高速はお盆のUターンラッシュで登りが渋滞しているかと思ったが、逆に下りが渋滞で驚いた。
今日は笹子トンネルを抜けても南アルプスも八ケ岳も見えなかった。上空には青空が広がっているのだが・・・。これでは白馬岳も見えないかも知れないと思った。
安曇野(旧豊科)ICで降り、一路八方をめざして行く。 八方の信号の左手にあった「第一郷の湯・美人の湯」へ車を止めた(無料)。しかし、猿倉へ行くバス停が見当たらない。近くにいた子供に聞いて猿倉方面へ5、60mほど歩いて行くと、「第五駐車場」というバス停があり、大きな無料駐車場があった。 私がバス停に立つと、駐車所にいたタクシーの運転手が「猿倉までバス代と同じでいいから乗らないか」と声を掛けて来た。ラッキー、とばかりにタクシーへ乗り込んだ。 |
猿倉へ降り立ったのは何と37年振りである。猿倉荘のかき氷がうまそうだった(帰りに食べて来た)。 猿倉荘のすぐ左手から登って行く。道端には終わりかけたアジサイが咲いていた。 10分ほど歩くと林道へ出た。そして4、5分で鑓温泉との分岐があった。まさかこの道を下って来ようとは夢にも思わなかった。 |
下りの人が多いのに驚く。大雪渓を下って来たのだろうか。 緩やかな林道もやがて終点となって階段を登って行く。 すぐに展望が開け、正面に切り立った山が見えて来たが、頂上付近はガスっていた。 |
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石がゴロゴロした所を登って行くと、「おつかれさん!ようこそ大雪渓へ」と書かれた白馬尻小屋へ着いた。 ちなみに手前にあった村営の「白馬尻荘」は更地になりテント場になっていた。 小屋の庭先で山を眺めながらビールを飲んだ。至福のひと時だった。 |
白馬尻小屋540〜555大雪渓〜738雪渓終点〜835葱平850〜1037村営頂上宿舎〜1053旭岳との分岐(昼食1)1113〜1123白馬山荘(デポ)1135〜1150白馬岳(昼食2)1223〜1242旭岳との分岐〜1350旭岳1400〜1453白馬山荘(泊) |
昨夜、大雪渓を下ってきたという同部屋の方から、「絶対にアイゼンがあった方がいい」と言われ、朝食後に4本歯のアイゼンを買った(1,000円)。大雪渓は2回登っているが、アイゼンなど着けたことはない。しかし、もう若くはない。足がふらついて滑っても困るので保険のつもりで買った。
小屋から15分ほど歩くと、ついに雪渓が現れた。すでに先行者の姿が見える。
今日は天気もいいので、日焼け止めクリームをたっぷり塗ってから雪渓へレッツゴー。
大きなクレバスを左から巻いて行く。ここは剱沢雪渓のように下が沢になって流れている訳ではなさそうなので落ちても死ぬようなことはなさそうだ。
(やっと雪渓の取っ付きへ) |
(いたる所にクレバスがあった) |
雪渓を20分も歩くと、雪渓がズダズダになった所があり、左側の草付を登って行く。
その草付を15分ほど歩いて再び雪渓へ乗る。そこで保険のつもりで買ってきたアイゼンを着けた。4本歯でもアイスバーンなので効果はテキメンだ。変な力を使わずに済む。
雪渓は風が爽やかで気持ちがいい。 気が付けば天狗菱と呼ばれる岩峰がそそり立っているではないか。 |
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雪渓の途中にあった流木のダケカンバに腰を下ろして一服。 ここからも次々と追い抜かれる。体力の無さをイヤというほど思い知らされた。 雪渓の最後は右へトラバース。ここでアイゼンを外してまた休憩。 |
ここからは岩がゴロゴロした所を登って行くが、周りは一面お花畑である。ハクサンフウロやヨツバシオガマ、イワオウギなどの写真を撮りながら登って行った。 |
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花畑の中を登り、葱平(ねぶかっぴら)へ8時35分着。ここには簡単な標板があるだけだった。 少し登った所で休憩。一服しながら大雪渓を見下ろすと、登山者がまるでアリの行列のように連なっていた。そして、その上空にボンヤリと見える山は何だろう。飯綱山か高妻山だろうか。 私がボンヤリしていると、登って来た単独の外国人に流暢な日本語で話しかけられた。 「TOPまであとどのくらいですか?」と聞かれ、「あと1時間ぐらいでしょう」と答える。さらに、 「TOPの小屋にレストランありますか?」と聞かれ、「ありますよ」と答える。この外国人は日帰りだという。 |
ここからも花畑の中を登って行く。 雪渓の下のガレ場をトラバース(写真右)。ここが小雪渓に違いないと思った。本来なら雪渓のトラバースで緊張する所だが、今は雪渓が後退し単なるガレ場を歩いて行く。 |