高尾山−2/2

 このお堂の後ろからは階段がアイスバーンになっていた。慎重に階段を登って行く。

 階段を登ると、なだらかな雪道になった。そして雪道から解放されると山頂だった。山頂着10時25分。

 山頂には大勢の人がいた。私は富士山が見える展望台(大見晴園地)へ向かった。
 見えた!富士山が正面にドーンと見え、手前にはピラミダルな大室山や丹沢の山々が見えた。前回登った石老山も見える。左端には、これまたピラミダルな大山が霞んで見えた。やはり高尾山の魅力はこの大展望にあるようだ。



(大山)

(手前から大室山、加入道山、富士山)

 私がこの高尾山の山頂から富士山と大山が見たいと思ったのは、実はこの三山が深いかかわりがあることを知ったからである。

「高尾山薬王院のHP」には、
『江戸時代には、高尾山から富士山山頂をめざし登拝修行の後、大山山頂までの登拝参拝が行われていました。大山と冨士山のご縁は深く、高尾山が富士の前立ち、大山が後ろ立ちの信仰があり、関東近辺の富士講のよりどころとなりました。』
 と書いてあった。

 高尾山から富士山まで行くのも大変だが、それから大山を登って高尾山まで戻って来るというのは、まさに命がけの修行だったに違いない。私は清掃登山で毎年大山へ登っているが、次は大山をレポートしなくては、と思った。

 山頂で展望を存分に楽しみ、軽い昼食を摂った。

 下りは「稲荷山コース」を下ることにした。

 展望台の左側(富士山に向かって)から急な階段を下って行く。登山者が続々と登って来る。こんな急な階段を登りに取らなくて良かったと思った。

 階段が終わると、アイスバーンになった。そして、日当たりの良い所はドロンコ道になって来た。

 さらにドロンコ道は続く。ギャル達がキャキャしている。そして、凍った道へ出るとホッとするから不思議だ。

 だが少し甘かった。アイスバーンの下り坂が待っていた。登山道脇の樹木に掴まりながら慎重に下って行った。アイゼンを付けようかと思ったが、ハイカーがアイゼンなしで登下山しているので気が引ける。もっとも凍っていない場所もあるので付けても中途半端なのだが・・。

 途中で、筑波山を見るのを忘れていたことに気づく。このコースは筑波山が見えるというので下って来たのだが、アイスバーンやドロンコ道で足元ばかり見ていて、展望など見る余裕がなかったのだ。

 やがて、なだらかでアイスバーンもなくなり気持ちのいい尾根を歩くようになった。冷たい風が爽やかに感じる。

 東屋とトイレが建った展望台へ到着。ここが筑波山が見えるという所に違いないと思った。しかし、新宿副都心のビル群は見えたが、筑波山は見えなかった。

 またドロンコ道になった。こんなドロンコ道を歩くのは久しぶりのような気がする。丹沢のバカ尾根以来かな。
 やっと雪や氷、ドロンコ道から解放された。気が付けば周りはクヌギやミズナラなどの落葉樹が多くなっていた。

 右下に駐車場が見えると、すぐに稲荷神社があった。
 ここから最後のアイスバーンの洗礼を受ける。階段の手すりに掴まりながら登山口へ降り立った。ちなみに12時18分だった。

 ケーブルカー駅前のベンチに座って一服。
 この山は、ワンピッチで登ってワンピッチで下って来てしまい、少し物足りなさを感じたが、いい汗をかくことが出来た。
 今日会った人は200人位だろうか。ケーブルカーやリフトで登っている人も多いだろうから登山者はその数倍になるだろう。

 下りでも外国人のパーティーや若いグループ、そして家族連れがなんと多かったことか。ここはコースを選べば初心者からベテラン、幼児から老人、車イスでも山頂に立てる。犬まで登っていた。さすがは登山者数、世界一の山だと思った。