立 山(たてやま)     3座目

(3,015m、 富山県)


(奥大日岳の途中から見た立山三山)

登頂歴
 C2012.8月 立山三山縦走(室堂〜浄土山〜龍王岳〜立山〜別山〜剱岳)
 B1975.8月(扇沢−大観峰−雷殿〜東一の越〜一の越〜立山〜別山〜剱岳)
 A1972.8月(扇沢−大観峰−雷殿〜東一の越〜一の越〜立山〜別山〜剱岳)
 @1971.8月(扇沢−大観峰−雷殿〜東一の越〜一の越〜立山〜別山〜室堂)

C立山三山縦走


2012年8月24日(金)
扇沢−室堂〜浄土山〜龍王岳〜一の越山荘(泊)

自宅530−八王子IC−豊科IC−850扇沢930−(アルペンルート)−1055室堂(昼食)1120〜1210分岐〜1216室堂山展望台1221〜1225分岐1231〜1312浄土山〜1325富山大施設前1335〜(道が分からず戻る)〜1412龍王岳1425〜1435富山大施設前1450〜1508一の越山荘(泊)

 私は立山とは、雄山(3003m)、大汝山(3015m)、富士ノ折立(2999)の総称であることは知っていたが、これを「立山三山ともいう」、と思っていた。しかしこれは間違いで、「立山三山」とは、立山、浄土山、別山であることを最近知った。

 私は立山は3回登っているが、浄土山は登っていなかったので、今回は「立山三山の完全縦走」と、一度は登ってみたいと思っていた龍王岳、さらには剱岳の登頂をめざして出掛けることにした。

 朝、5時30分に家を出た。八王子ICから中央道に乗り、一路、豊科ICを目指して行った。
 笹子トンネルを抜けると雲が多く、南アルプスは山裾だけしか見えなかった。しかし、八ケ岳に近づくにつれ八ケ岳が顔を出した。尖がった権現岳と厳つい赤岳が段々迫って来た。やはり、あの権現サマにはどうしても一度は登らなくてはならない。

 扇沢へ8時50分に到着。思ったより早く着いたが無料駐車場は満車で止められない。300mも下った所も満車でウロウロする。仕方がなく有料に止めることにした。ターミナルに一番近い所が24時間1000円、その下にある駐車場が36時間1000円になっていた。4年前に来た時はここは無料だったのだが・・・。

 ターミナルで名物のマス寿司弁当を買って行列にならぶ。この時期でも凄い人だ。何とか9時半のトロリーバスに乗ることが出来た。

 黒部ダムからは赤牛岳がバッチリ見え、ロ−プウェイからは黒部湖越しに尖がった針ノ木岳とスバリ岳が見えた。



黒部湖からの赤牛岳(正面)と水晶岳(左奥)

ロープウェイから見た針ノ木岳(右)とスバリ岳(左)

 室堂へ着くと、立山には雲がかかっていたが、浄土山や真砂岳、奥大日岳などは良く見えた。ここで昼食にした。

(室堂から:右から浄土山、鞍部が一ノ越、立山、真砂岳)

 いつの間にか周りの山は雲に覆われ、山裾だけしか見えなくなった。

 ここからは浄土山へ向かって歩いて行く。

 コンクリートの石畳を歩くのはつまらないが、道の両脇にはまだ高山植物が咲いていた。

 一の越との分岐を過ぎると俄然花が多くなり、もうとっくに終わったと思っていたチングルマやイワカガミも咲いていた。

 私は花の写真を撮りながらのんびりと歩いて行った。

 30分ほど歩いてやっとコンクリの道から解放された。

 浄土山と展望台の分岐には、展望台まで0.3Kmと書いてあった。迷わず展望台へ。どうせ今日は何も見えないだろうが百聞は一見にしかず、である。

 左手に雪渓が現れた。ガスった風が心地よく感じる。5、6分も行くと大きな岩がゴロゴロした中にベンチがあった。すでに20人位の先客が休んでいた。しかし展望は全く利かない。水分を補給しただけで引き返す。

 分岐まで戻って一服。ここでのんびりして浄土山へ着く頃に晴れて来ればいいのだが・・・。
 分岐の案内板には、ここから浄土山へのコースが点線になっていた。ここは一般コースではないのだろうか。

 小さな雪渓を渡り、岩がゴロゴロゴした所に「浄土山登山口」の標識があった。
 頭上には尖がったピークがボンヤリと見える。あれが山頂だろうか。
 しかし、尖がりは山頂ではなく、途中にあった岩だった。

 お花畑が広がって来たが、登りもきつくなって来た。心臓をバグバグさせながら登って行く。(紫色の花はトリカブト)

 やがて岩とハイマツの登りになると、石垣が見え、すぐにT字路の分岐へ出た。前のパ−ティ−が左へ行くので付いて行くと、すぐに立ち止まる。雷鳥がいるという。私もシャッターを押したが、岩か雷鳥か区別がつかない写真しか撮れなかった。


 石垣は祠があるのかと思ったが、軍人霊碑だった。
 それに山頂には標識も三角点も見当たらず、ただ大きな岩に「山」という文字だけが書いてあった。

 再び分岐へ戻り、富山大の施設へ向かって行くと、ガスの中からボンヤリと建物が見えて来た。山小屋のような立派な建物の前で小休止。ここから龍王岳を見たいと思ったが、ガスが一層濃くなり姿を見せない。

 この辺はイワギキョウやトウヤクリンドウが多い。トウヤクリンドウは久しぶりに見た。

 龍王岳は昔、東一ノ越から一ノ越まで歩いた頃、左正面に見えるこの山が恰好良く、一度は登ってみたいと思いながらも登り損ねていた。今日はガスっていても絶対に登るぞ〜!

 その憧れの龍王岳へ行くため五色ケ原方面へ下って行く。グングン下る。本当にこんなに下っていいのだろうか、と心配になって立ち止まっていると、一瞬ガスが切れて鬼岳のような山が見えて来た。完全に龍王岳を巻いてしまったようだ。再び気合を入れて登り返す。

 富山大の施設近くまで戻った所に踏み跡があり、石に×印があった。これが龍王への道だった。
 2、30mも進むと石垣があった。かつては祠でもあったのだろうか。
(龍王岳へ行く場合、富山大施設から1、2分下った所に石垣があるので目印にすると良い)

 良く踏まれた道を登って行くと、オバさんが一人下って来た。そして、「上にはだ〜れもいませんよ!」とのこと。
 石垣の所から10分ほどで山頂へ着いた。展望が利かず残念だが、長年の憧れの山頂に立てて嬉しい。何か青春時代を思い出す。

 一服していると、わずかにガスが切れ、富山大の施設がボンヤリと見えた。

 龍王岳から下り出して5分もすると、ガスが切れ、分岐まで戻ると龍王があざ笑うかのようにクッキリと見えた。「あ〜あ、あと5分粘っていれば良かったナァ・・!」

(今登って来たばかりの龍王岳)

 私は、あのテッペンへ立っただけで満足だった。後は早く小屋へ行ってビールでも飲もう!

 一の越山荘へ15時8分着。
 37年振りの山荘は昔のイメージとはかなり違っていた。

 今日の宿泊者は7、80人位だろうか。私は一人で6畳間を貸切だった。
 山荘前の公衆トイレと雄山