天塩岳(てしおだけ)

(1,558m、北海道)  158座


前天塩岳から見た天塩岳


天塩岳ヒュッテ〜前天塩岳〜天塩岳〜丸山〜天塩岳ヒュッテ

2008年8月4日(月)

協和温泉455−天塩岳ヒュッテ621〜646連絡路分岐〜701旧道分岐710〜907前天塩岳925〜1032天塩岳1103〜1127避難小屋1130〜1238新道分岐1245〜1312連絡路分岐〜1340天塩岳ヒュッテ

 今回はカムエクへ登る予定で遠征して来たが、前日までの大雨で沢が増水して入山できず、急きょ天塩岳に変更した。昨日は中札内から旭川へ出て、旭川動物園で時間をつぶしてから協和温泉へやって来た。
 協和温泉は山間の鄙びた温泉かと思っていたが、日帰り温泉客で賑わい、まずまずの温泉宿だった。

 その協和温泉を朝4時55分に出発した。
 まずはメインストリートであるR101へ戻り、愛別ダムを目指して行く。於鬼頭トンネルを潜り、2Kmほど下った所に「天塩岳登山口」の標識があった。その標識に従って右折。舗装された林道を走って行く。

 驚くことにキタキツネや鹿が逃げ出して行く。鹿は道路の進行方向へ逃げるヤツもいて困る。まあ、熊でないからいいかあ・・・。

 道端から突然大きな鳥が飛び立った。よく見ると鷹だった。昨日は釧路から三国峠を越えて来たが、道路の真ん中に親子熊がいて驚いた。思わず急ブレーキをかけて熊に除けてもらうのを待ったが、この辺は 何が出てくるか分からない。車だからいいものの、これが登山中だったら大変だ。

 天塩岳ヒュッテへ着くと、駐車場はガランとして車は1台もない。「まいったなあ・・・」今日も一人ぼっちかと不安になった。

(写真:手前からトイレ、炊事棟、ヒュッテ)

 しかし、ヒュツテの玄関前まで行くとワゴン車が1台横付けされていた(写真右)。ホッと胸を撫で下ろす。

 車から降りるとヒンヤリと肌寒い。Tシャツの上から長袖シャツを着込み、ヒュッテを見物しながら宿泊者と挨拶を交わす。中年3人組が出かける準備をしているところだった。私は、彼らの後から行きたかったが、彼らが一向に出かける気配がないので先に行くことにした。

 5分も歩くと山蔭からお天道様が見えて来た。8月1日に東京で見て以来だ。でも沢沿いなのですぐに山に隠れてしまう。

 沢沿いの道をホィスルを吹きながら歩いて行く。
 すぐに橋を渡って沢を右下に見るようになった。シラカバが美しい道だ。

 連絡路分岐へ6時46分着。
 さっきヒュッテの宿泊者から、「ここは熊の出没が多い」と聞かされて来たので、曲り角では早めにホイッスルを吹きながら行く。どうせ近くには誰もいないので騒音にはなるまい。

 旧道分岐へ7時01分着。ここで休憩。長袖シャツを脱いだ。頭上には紺碧の空が広がっていた。ただ、ここは沢筋なのでまだ直接陽は差さない。

 7時10分発
 ここから左手の尾根を登って行く。しかし尾根を一気に登るのではなく、トラバースしながら少しずつ高度を上げていく。

 バカでかいフキの葉があった。直径1mもありそうだ。化け物のようで気味悪い。
 ここは道幅が広く、良く整備されて歩きやすい。登山道というよりも遊歩道という感じである。

 右手の天塩岳から続く尾根が陽を浴びて輝いている。その中に尖ったピークが見えるが何だろう。

 細い沢を過ぎるとすぐに急登になった。もっともこの程度の急登ならどこにでもある。

 やっと森林地帯から抜け出した。ハイマツと石ころの山になると、4、5分で前天塩岳の巻道があった。8時40分着。

 今までガスに隠れて見えなかった天塩岳が、少しずつ姿を現して来た(写真左)。さあ、早く前天塩岳へ行こう。8時44分発。

 振り向けばガスの切れ間から西天塩岳にある三角屋根の避難小屋も見えた。

 ガレを登って行く。ここにはコマクサがあるはずだが、どこにも見当たらない。花はもとよりコマクサの株一つ見当たらなかった。ここを登った人のHPにはコマクサがあると書いてあったんだがなあ・・・。登山道から外れないと見つからないのだろうか。しかし私は登山道を外してまで見たいとは思わない。忠実に登山道を登って行った。

 風が強くて寒い。長袖シャツを着ようかと思ったが、山頂まで我慢しよう。
 9時07分、前天塩岳山頂着。山頂の標識が外れていた。風をさけられる岩場の陰で休憩。一服しながら天塩岳にかかったガスが切れるのを待った。

 2、3分もするとガスが切れ出し、やっと天塩岳の全景が見えるようになって来た。天塩岳は思っていたよりもはるかにデカく、どっしりとして重量感があった。思わず幌尻岳を思い出す。

 しばらくすると、西天塩岳も見えて来た。尖ったピークが幾つもあってアルペン的だ。それに避難小屋が小さく光って見える。


前天塩岳の山頂

前天塩岳からの天塩岳

前天塩岳からの西天塩岳