【紅葉紀行】  剣の峰〜角落山・・・2/2

 ここから角落山をめざして行く。まずは剣の峰を下り、幾つかのピークを登ったり巻いたりしながら下って行く。

 そしてマイナーピークを登ると、そこからが凄い下りになった。垂直のような斜面に落ち葉が積もり、それが濡れているので始末が悪い。両手、両足をフル稼働。なりふり構わず木や根に掴まりながら必死の下降となった。

 途中、大きな岩がある所で立ち往生。道がない。二人で道を探す。約10分のロス。道は「まさかこんな急斜面に!」と驚くような所にあった。落葉で分かりにくいのだ。

 ここからは、まさに命がけの下降となった。とにかく凄いというより、すさまじい下りである。
 (写真左:45度以上の急斜面)

 やっとトラロープが現れてホッとした(写真右)。ここが正規な登山道である証明だからである。

 ロープ場を2、3箇所下った時、下から登山者が登って来た。私は思わず、「あ、人が来た!」と叫んでしまった。こんなイヤラシイ所を登下山する人はいない、と思っていたからだ。

 彼は、「後からもう一人来ます!」といい、「すぐそこに鎖場があります」と言った。
 彼は「はまゆう山荘」の方から来たというから、女坂分岐からピストンしているのだろう。

 凄まじい下りの最後の仕上げが、この鎖場のようだった。鎖の下にいた方が、「ゆっくり下って下さ〜い。私はここで休んでいますから〜!」と言ってくれた。この方は我々と同じ霧積温泉からの往復だという。

 この鎖を下ってしまえば、もう難所は無さそうだ。そこから5分で「女坂分岐」へ着いた。分岐へ着いてホッとした。あんなイヤラシイ下りはもうたくさんだ!

 分岐の丸い標識には、「角落山0.4Km」とあった。あと400m、されど400mである。

 この分岐の先に、「最低のコル」があるはずだが、どこが最低か分からぬ間に角落の登りになった。さっきの剣の峰の凄まじい急坂に比べれば、この登りはどこにでもあるような登りである。とにかく歩きやすいのがいい。木や根、岩などに掴まることも少ない。

 山頂へ近づくに従ってドウダンツツジが多くなって来た。しかし、真っ赤に色づいたドウダンがないのが残念である。

 角落山の山頂には、大きな社に鳥居、標識、祠などがあった。

 私は標識の前でガッツポーズ。新品の鉄兜、いやヘルメットが似合っているだろうか?
 ここで浅間山を見ながら昼食にした。


 下りは、さほど心配はない。角落山は余裕で下ることが出来る。女坂との分岐からは恐怖の急登になるが、下りに比べれば登りの方が安全だ。

(写真左は角落山の下りから見た剣の峰)

 剣の峰の登りの途中にあったリボンを1ケ外し、下る時に迷った場所に付け直した。これで、次に下る人は迷わずに済むだろう。

 剣の峰からは黄葉を楽しみながら下った。