雲仙岳−2/2

2010年3月31日(水)

雲仙の宿−仁田峠P820〜905紅葉茶屋〜933普賢岳950〜1010紅葉茶屋1015〜1034国見岳分岐1037〜1047国見岳1052〜1102国見岳分岐1112〜1132妙見神社1143〜1148ロープウェイ−1204仁田峠−諫早IC−福岡1800−1930羽田

 今日は朝から雨を覚悟していたが、外を見ると雨は降っておらず高曇りで明るい。何とか午前中は持ちそうである。
 朝食を済ませ、早速、仁田峠へ向かった。しかし、ゲートへ早く着き過ぎてしまい、8時まで待たされた。
 ゲートからはロープウェイの駅が見え、眼下にはゴルフ場が見える。視界が利くので期待できそうだ。

 当初の計画では、仁田峠から歩いて妙見岳へ出て、国見岳、普賢岳を登って紅葉茶屋から仁田峠へ下る予定だったが、天気は下り坂で、いつ雨が降ってくるか分からない。しかも、ロープウェイの始発は8時51分だという。待つ時間がもったいない。
 そこで、
 @まずは雨が降ってくる前に普賢岳へ登ってしまう。
 A天気が持つようなら国見岳、妙見岳を登ってロープウェイで下る。
 B最悪の場合は普賢岳のみ往復する。
 ということで、当初の逆コースで登ることにした。

 仁田峠の駐車場を8時20分発。
 ロープウェイ駅の脇にある普賢神社拝殿で山の安全を祈願して、石の鳥居を潜って行く。

 もう平成新山にはガスがかかり出している。昨日、ロープウェイから見た絶壁を頭上に見上げながら、良く整備された道を歩いて行く。

 ロープウェイから見た時は、とても絶壁の下に道があるとは思えなかったが、この道は普賢岳へ登る表参道のようだ。


(ここが普賢岳登山口)

(絶壁の下を巻いて行く)
 すぐに普賢岳の山頂が見えて来た。しかし新山はもうガスの中に隠れて見えない。

 駐車場から20分も歩くと、開けた所に出た。神社やベンチがあった。道端に咲いている白い花は何だろう。ハルトラノオだろうか。

 ここからは、なだらかな登りになった。左手には屏風のような絶壁が見える。あれが妙見岳だろうか。

 駐車場では風が強くて寒く、やたらと着込んで来てしまったが、ここは沢沿いのため風も弱く、もう汗が流れ出した。

 次第に石段の傾斜が増して来た。歴史を感じるような石段を登りながら、ほとんどの登山者がこの道を下りにとっているようなので、私も当初は妙見岳から普賢岳を登ってここを下る予定だったが、ここを登りにとって正解だったと思った。
 風が少し強くなって来た。ビュービューと唸っている。もう稜線は近いのかな、と思って見上げると標識が見えた。9時5分、紅葉茶屋へ到着。

 ここは紅葉茶屋といっても何もない。その昔は茶店でもあったのだろうか。さっきまで見えていた妙見岳は、もうガスって見えない。

 ここからは、石段ではなく普通の登山道になった。しかし、溶岩が固まった石がいっぱいで、石段よりも歩きにくい。

 ここは山頂近くなっても背丈の低い樹木が多い。ハゲ山でないのも驚きだ。

 最後の急登を登り切ると、少し開けた所に普賢神社があった。山頂か?と思ったが、山頂ではない。右手に岩塊があった。その岩塊を登ると標識と三角点があった。
 ついに立った普賢岳! しかし、展望は利かない。しかも、凄い風だ。風上では呼吸が出来ないほどだった。


(普賢神社)

(山頂が見えて来た)

(ついに立った山頂)

 山頂は思ったよりも広く、この標識が立った岩ともう一つの岩があった(写真右)。そちらの岩の方が少し高く見える。ザックを置いて登って見た。しかし、風で吹き飛ばされそうなのですぐに降りた。そして岩陰に隠れて一服。

 一服しながらふと見ると、普賢神社の奥に標識のような物がボンヤリと見えた。帰りに寄ってみよう。

 この山頂から、一目でいいから平成新山が見たいと思ったが、風が強く寒いので、早々に下ることにした。9時50分下山。

 普賢神社へザックを置いて、神社の奥にあった細い道を行くと、岩塊のピークに立派な標識が立っていた。金属製の煙突のように見えた。しかし、立ち入り禁止の表示があり、登山道はロープで塞がれていた。諦めて引き返す。

 山頂直下の下りで、青年が一人登って来た。その後、5、6人のパーティーも登って来た。

 さらに下って行くと、一瞬、ガスが切れて左正面に妙見岳、そして右正面にひときわ大きい国見岳が見えた。何とか国見岳の写真が撮りたいと思ったが、撮れないまま紅葉茶屋の分岐へ着いた。10時10分着。

 ここからは尾根を登って行くのかと思ったが、尾根を巻いて沢筋へ出た。すると正面に国見岳がドガーンと見えた(写真左)。これは何が何でも登らねばならない、と思った。

 背後にある普賢岳は、ガスが切れそうで切れない。左手下には雲仙の町がチラッと見えた。


 何度も普賢岳を振り向きながら、整備された道を登って行く。登り切って少し下った所に、国見岳との分岐があった。
 ここで水分を補給して、すぐに国見岳へ向って行く。少し下って鞍部から一気の登りだ。登り出してすぐに下山者に会った。「上は風が強いですよ」とのこと。確かに風が強い。クサリ場では風で吹き飛ばされそうだった。

 クサリ場を越えると、ミヤマキリシマとササが茂ったなだらかな道になり、すぐに山頂へ飛び出した。山頂着10時47分。分岐からちょうど10分だった。

 山頂の写真を撮っていると、一瞬、ガスの中からボンヤリと普賢岳が見えた。急いでシャッターを押した。


(岩場)

(国見岳山頂)

(普賢岳のガスが切れて来た)

 山頂はあまり展望も期待できず、メチャ寒いので早々に下山することにした。

 分岐まで戻り、展望の良さそうな所で一服。すると正面に妙見岳がガスの中から次第に姿を現わして来た。妙見岳は2つのピークを持った山かと思ったが、どうもその奥にあるピークのようだ。

 妙見岳へ向かっていると、普賢岳も少しずつガスが切れ出した。そして、ついに平成新山まで見えるようになって来た。「お〜!やっと見えた!」と歓声を上げた。そして、頭上に青空が広がって来たのを見て、普賢岳か国見岳のテッペンで晴れてくれれば良かったのになぁ〜、とグチが出た。


(妙見岳のピークは真ん中の奥のようだ)

(ついに平成新山も見えて来た。左手前のピークが普賢岳)

 この稜線はミヤマキリシマが多く、花の季節はさぞかし見事だろうと思った。
 妙見岳の手前のピークで平成新山の溶岩ドームまで見えるようになって来た。もうこれで心残りはない。あとは妙見神社で御参りして帰ろう、と思っていたら、ピークを右側から巻いてヒョッコリと神社の前へ出た。「え、もう着いちゃったの!」という感じだった。

 早速、御参りをして一本立てようかと思ったが、良くみれば神社の裏にピークがあるではないか。あれが妙見岳の山頂に違いない、と思って登って行った。
 やはりここが山頂のようだった。三角点や標識はなかったが方位盤があった。そして展望はバツグンだった。普賢岳や平成新山はもとより国見岳や島原湾まで見えた。


(妙見神社)

(普賢岳と平成新山)

(新山ズーム)

(国見岳)

 もうこれだけの展望を見れば悔いはない。さあ、下ろう。
 下りはロープウェイで下り、国民宿舎・青雲荘で汗を流し、昼食を摂ってから帰路に就いた。