裏妙義縦走−2/2

 さあ、我々も早くあの肩まで行こう! 長い鎖を登って肩へ到着。ついに登ったぞ!バンザーイ!

 肩には青年が2人いた。交代でテッペンへ登っていたが、我々オジさんはパス。ある方のブログに、「どうしてもテッペンへ立ちたいという方は、今生の見納めをしてアーメンとか南無〜などととなえてから登るべし」というようなことが書いてあったので、初めから登るつもりはなかった。

 ここからは表妙義が怪獣の背中のようにシルエットになって見えた。また、これから行く赤岩や烏帽子岩もバッチリ見えた。


(長い鎖を登って肩へ)

(表妙義)

(これから行く赤岩、烏帽子岩)

 しばらく展望を楽しんでから、丁須のテッペンは無理でも、せめて一段下の岩棚まで行って見たいと思いチャレンジすることにした。鎖で登り、幅30cmほどの岩場を馬乗りになってズッて行く。そして狭い岩棚へ立った。再びバンザーイ!


(丁須岩の全景)

(テッペンAに立った青年)

(私はBまで)

 ここ(B)から見るテッペン(A)は、丁の形を真横から見ることになり、キノコのようなケッタイな感じだが、オーバーハングしているのが分かる。

 そのハングした岩からぶら下がった鎖に掴まってみると、私にも登れそうに思えたが、さっき登った青年に聞くと、「勇気がいる所が2ケ所ある」と言う。その勇気とは、両足が宙に浮いて振られるという。とてもそんな勇気は私にはない。

 丁須岩でスリルと展望を存分に楽しんだので、次は赤岩と烏帽子岩へ向かうことにする。
 我々が下ろうとした時、ヘルメットを被った2人が登って来た。後ろは若い女性で、前の方はガイドのようだった。

 2人が登って来るのを待って下って行く。
 三方境方面の一つ目の鎖を登った所から丁須の頭が格好良く見えた。これぞ丁須の頭だ、という感じだった。

 10分ほど歩くと、草むらにポッコリと穴が開いていた。覗き込んでみると、そこがこのコース最大の難所と言われている20mのチムニーだった。さっき丁須の頭へ登っていた青年の一人が下っている最中だった。上から石を落とさないように注意しながら彼が降りるのを待った。

 しかし、どこから下るのだろう。良く見ると草むらの陰に鎖があった。

 そして、いよいよ私の番だ。最初の一歩が勇気がいる。最初はザックを反対側の岩壁に押しあてて寄りかかると足場が良く見えた。

(写真左:最初が勇気がいる)

 途中に人工足場もあるが、それに足を乗せるまでに苦戦した。下から見るとたいしたことはないのだが・・・。

(チムニーを下るSさん)
 チムニーを下った所で休憩。

 ここからは痩せた稜線を歩いて行く。正面にめざす赤岩と烏帽子岩が見える。
 赤岩の標識がある「赤岩基部」へ10時54分着。丁須の頭から小一時間かかったことになる。

 ここから鎖で下ったり、トラバースしながら絶壁の真横に出る。そして、いよいよ桟道のトラバースである。ネットで何回も見ているが、ネットで見るより簡単そうだ。鎖があり、道もしっかりしている。黒部の水平歩道に比べれば高度感もなく、この程度ならヘノカッパだ。


(桟道を歩くSさんも余裕のヨッちゃんである)


 桟道が終わてからも鎖場が続く。

 あるピークから七つ星といわれる岩峰が見えた。7つの岩峰が離れているので全部を写真に収めることは出来ないが、これが7つ星に違いないと思った。そして、目の前にある岩峰がモアイ像に似ていると思った。

(右の岩、モアイ像に似てない?)


 岩壁の左側基部を巻いて行くので、どの壁が7つ星なのか烏帽子岩なのか分からない。ここは難しい鎖場はないが、とにかく鎖のオンパレードである。

 途中で休憩していると、ヘルメットを被った2人がやって来た。ガイドらしい方が、「楽しいですね!」と声を掛けて行った。

 そこから今度は岩壁の右側を回り込んで行く。

 そして、登り詰めた所から背後に、烏帽子岩と赤岩、丁須の頭が並んで見えた。標識はないが、ここが「風穴尾根ノ頭」だろうと思い、ここで昼食にすることにした。もうシャリバテだ!

 ここから丁須の頭の岩棚にいる人まで見えた。



(手前から烏帽子岩、赤岩、丁須の頭)

(丁須の頭をズーム)


 ここから針葉樹が混じった尾根を下って行くと、オジさんが一人休んでいた。そこが三方境だった。ここは展望が利かないので、そのまま素通り。国民宿舎を目指して下って行った。

 いよいよここからが凄い紅葉が見られるという、通称・紅葉谷である。我々はその紅葉を見るために来たのであるが、一向にその「凄い紅葉」が現れない。

 どこにでもあるような紅葉ばかりで、気落ちしながら下っていたせいか、S字の涸れ沢で道を間違えて涸れ沢を下り、次第に獣道のようになってしまい慌てて引き返す。約30分のアルバイト。
 そう言えばブログで「間違えて沢へ降りてしまった」という方がいたのを思い出す。我々は沢まで下らずに済んだのがせめてもの救いだった。

 正規の道へ出てヤレヤレ。気を取り直して下って行くと、待望のモミジの紅葉が現れた。しかしネットで見た「目が覚めるような紅葉」には少し早過ぎたようだ。


(紅葉1)



(紅葉2・・バックは金洞山)



(紅葉3)



(紅葉4)

 ここは確かにモミジの大木が沢山あるので、あと一週間もすれば正に目が覚めるような紅葉が見られるに違いない。

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