ウルップソウ&コマクサ紀行

八ケ岳・横岳〜硫黄岳縦走


(赤岳天望荘からの横岳)


(ウルップソウ)

(コマクサ)

(オヤマノエンドウ)



2018年7月9日(月)
美濃戸〜行者小屋〜(地蔵尾根)〜赤岳天望荘(泊)
650相模原IC−(圏央・中央)−諏訪南IC−845赤岳山荘駐車場854〜902北沢登山口 〜1155行者小屋1230〜1406地蔵ノ頭〜1418赤岳天望荘(泊)

 山から帰って1か月もすると、また山へ行きたくなる。いや、山へ行きたくなるというよりも、山小屋で生ビールが飲みたくなって来る。
 ビールなら家で毎晩飲んでいるが、山小屋で飲む生ビールは格別うまい。

 そこで、今回は八ケ岳の赤岳天望荘へ一泊して旨いビールを飲み、翌日、ウルップソウやツクモグサなど珍しい花を見て、最後の〆に硫黄岳のコマクサを見て来るという、欲張りなプランである。

 早速、Sさんを誘って出かけて行った。
 中央高速を走って行くと、南アルプスの北岳や間ノ岳、鳳凰三山などがクッキリと見えた。もちろん甲斐駒ケ岳も見えた。「甲斐駒の黒戸尾根はもう登れないかも知れないなあ・・・」と一人つぶやく。

 南アルプスはバッチリ晴れているが、肝心な八ケ岳の山頂部には雲がかかっていた。天気予報では「曇りのち霧か雨」と報じている。今日一日、何とかもってほしいと祈るばかりだ。

 美濃戸口から林道へ入って行く。車が解体してしまうのではないかと思うほどの悪路であるが、往復2時間弱の林道歩きを考えれば、デコボコ道も何のその!

 赤岳山荘の駐車場へ車を止めると、すぐに集金に来た。1泊2日なので2,000円也。駐車場はまだ余裕があった。


 美濃戸山荘は休業中だった。山荘の前の分岐から南沢へ入って行く。
 15分も歩いた時、「ホテイランが咲く場所の案内板」があった。ここにホテイランが咲くとは知らなかった。ぜひ一度お目にかかりたいものだ。

 それからは左右、目を凝らしながら歩いて行く。とにかく、ひと目みたい!

 (ホテイランを探しながら歩いていたので、コースタイムを大きくオーバーしてしまった…言い訳です)
 結局、ホテイランは見つけられなかった。花どころか葉さえも見つからなかった。

 (写真はホテイラン:Wikipediaより借用)

 沢沿いの樹林帯は静かで涼しくていい。

 広い河原へ出た。本来なら正面にドガーンと横岳が見えるはずだが、生憎ガスって見えない。今日は展望を諦めるしかないようだ。

 行者小屋へ2時間のコースを大幅にオーバーして着いた。余りにも時間が掛かり過ぎてショックだった。

 ここで昼食にした。小屋の屋根の奥に、ガスの切れ間から大同心が見えた。

 小屋の裏手から地蔵尾根を登って行く。この道は下ったことはあるが、登るのは初めてである。いずれにしても、1時間半頑張ればビールが待っている。

 連続したハシゴを登って行くと、シャクナゲやコバイケソウなどが咲いていた。シャクナゲは、キバナシャクナゲかハクサンシャクナゲか良く分からないが、いずれにしても私はピンク色のアズマシャクナゲの方が好きだ。

 少し開けた所へ出ると、隣の文三郎尾根を下っている登山者が見えた。

 幾つものハシゴを登って行くと、ミヤマシオガマやイワヒゲなどが咲いていた。

 稜線近くなった時、お地蔵さんがあった。これが地蔵尾根の由来だろうか。でもちょっと顔が怖そうだ。


(連続したハシゴ)

(ミヤマシオガマ)

(イワヒゲ)

(お地蔵さん)

 赤茶けた岩場を登って行く。ガスの切れ間から右手上部に小屋が見えた。サア、もう少しだ。

 そして、ついに地蔵ノ頭へ到着。指導標の下に地蔵さんが祀られている。
 ここを右に行けば赤岳天望荘、左へ行けば横岳である。


(やっと小屋が見えた)

(地蔵ノ頭)

(シャクナゲ)

 ここで、ついに雨がポツンポツンと落ちて来た。雨具を着るほどでもないかなぁ・・・? 小屋はもうすぐだ。このまま行ってしまおう。

 小屋まであと3,40mという所にコマクサが咲いていた。それを撮ろうとしゃがんだ時、右足の太ももが吊ってしまった。しばらく動けずにわめいていた。

 小屋の玄関前まで行くと、ウルップソウが咲いていた。盛りは過ぎていたが、咲いていただけで嬉しい。
 振り返って見れば、横岳が見えた。小同心、大同心も見える。明日は絶対に降らないでほしいと願う。


(コマクサ)

(ウルップソウ)

(イワベンケイ)

(天望荘の玄関口)

 部屋へ荷物を置いて、すぐに食堂へ行って、生ビールでカンパ〜イ!これが最高に旨いんだなあ〜。
 私はこれが楽しみで山へ登っているのかも知れない。まさに至福のひと時・・・!

 夕方になって雨も止み、赤岳や阿弥陀岳の山頂も見えるようになて来た。あすは好天が期待出来そうだ!


(赤岳)

(阿弥陀岳、手前は中岳)

 今回、初めて個室を予約した。宿泊者は4、50人だろうか。そのうちの7,8割が個室利用で、大部屋はガラガラだった。これが現在の登山スタイルなのだろうか。

 食事はバイキングで美味しかった。ネットで、「所詮、山小屋のバイキングだから期待しない方が良い」と書いてあったが、そんなことはない。前回行った、有名な某温泉旅館のバイキングより美味しかった。(笑い)

 夕食後、大雨が降った。屋根を打つ雨音で寝つきが悪かったが、夜中に起きた時は満天の星だった。