(ウルップソウ) |
(コマクサ) |
(オヤマノエンドウ) |
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2018年7月9日(月) |
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山から帰って1か月もすると、また山へ行きたくなる。いや、山へ行きたくなるというよりも、山小屋で生ビールが飲みたくなって来る。
ビールなら家で毎晩飲んでいるが、山小屋で飲む生ビールは格別うまい。
そこで、今回は八ケ岳の赤岳天望荘へ一泊して旨いビールを飲み、翌日、ウルップソウやツクモグサなど珍しい花を見て、最後の〆に硫黄岳のコマクサを見て来るという、欲張りなプランである。
早速、Sさんを誘って出かけて行った。
中央高速を走って行くと、南アルプスの北岳や間ノ岳、鳳凰三山などがクッキリと見えた。もちろん甲斐駒ケ岳も見えた。「甲斐駒の黒戸尾根はもう登れないかも知れないなあ・・・」と一人つぶやく。
南アルプスはバッチリ晴れているが、肝心な八ケ岳の山頂部には雲がかかっていた。天気予報では「曇りのち霧か雨」と報じている。今日一日、何とかもってほしいと祈るばかりだ。
美濃戸口から林道へ入って行く。車が解体してしまうのではないかと思うほどの悪路であるが、往復2時間弱の林道歩きを考えれば、デコボコ道も何のその!
赤岳山荘の駐車場へ車を止めると、すぐに集金に来た。1泊2日なので2,000円也。駐車場はまだ余裕があった。 美濃戸山荘は休業中だった。山荘の前の分岐から南沢へ入って行く。 |
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15分も歩いた時、「ホテイランが咲く場所の案内板」があった。ここにホテイランが咲くとは知らなかった。ぜひ一度お目にかかりたいものだ。 それからは左右、目を凝らしながら歩いて行く。とにかく、ひと目みたい! (ホテイランを探しながら歩いていたので、コースタイムを大きくオーバーしてしまった…言い訳です) |
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結局、ホテイランは見つけられなかった。花どころか葉さえも見つからなかった。 (写真はホテイラン:Wikipediaより借用) |
沢沿いの樹林帯は静かで涼しくていい。
広い河原へ出た。本来なら正面にドガーンと横岳が見えるはずだが、生憎ガスって見えない。今日は展望を諦めるしかないようだ。
行者小屋へ2時間のコースを大幅にオーバーして着いた。余りにも時間が掛かり過ぎてショックだった。 ここで昼食にした。小屋の屋根の奥に、ガスの切れ間から大同心が見えた。 |
小屋の裏手から地蔵尾根を登って行く。この道は下ったことはあるが、登るのは初めてである。いずれにしても、1時間半頑張ればビールが待っている。
連続したハシゴを登って行くと、シャクナゲやコバイケソウなどが咲いていた。シャクナゲは、キバナシャクナゲかハクサンシャクナゲか良く分からないが、いずれにしても私はピンク色のアズマシャクナゲの方が好きだ。
少し開けた所へ出ると、隣の文三郎尾根を下っている登山者が見えた。 |
幾つものハシゴを登って行くと、ミヤマシオガマやイワヒゲなどが咲いていた。
稜線近くなった時、お地蔵さんがあった。これが地蔵尾根の由来だろうか。でもちょっと顔が怖そうだ。
(連続したハシゴ) |
(ミヤマシオガマ) |
(イワヒゲ) |
(お地蔵さん) |
赤茶けた岩場を登って行く。ガスの切れ間から右手上部に小屋が見えた。サア、もう少しだ。
そして、ついに地蔵ノ頭へ到着。指導標の下に地蔵さんが祀られている。
ここを右に行けば赤岳天望荘、左へ行けば横岳である。
(やっと小屋が見えた) |
(地蔵ノ頭) |
(シャクナゲ) |
ここで、ついに雨がポツンポツンと落ちて来た。雨具を着るほどでもないかなぁ・・・? 小屋はもうすぐだ。このまま行ってしまおう。
小屋まであと3,40mという所にコマクサが咲いていた。それを撮ろうとしゃがんだ時、右足の太ももが吊ってしまった。しばらく動けずにわめいていた。
小屋の玄関前まで行くと、ウルップソウが咲いていた。盛りは過ぎていたが、咲いていただけで嬉しい。
振り返って見れば、横岳が見えた。小同心、大同心も見える。明日は絶対に降らないでほしいと願う。
(コマクサ) |
(ウルップソウ) |
(イワベンケイ) |
(天望荘の玄関口) |
部屋へ荷物を置いて、すぐに食堂へ行って、生ビールでカンパ〜イ!これが最高に旨いんだなあ〜。 私はこれが楽しみで山へ登っているのかも知れない。まさに至福のひと時・・・! |
(赤岳) |
(阿弥陀岳、手前は中岳) |
今回、初めて個室を予約した。宿泊者は4、50人だろうか。そのうちの7,8割が個室利用で、大部屋はガラガラだった。これが現在の登山スタイルなのだろうか。
食事はバイキングで美味しかった。ネットで、「所詮、山小屋のバイキングだから期待しない方が良い」と書いてあったが、そんなことはない。前回行った、有名な某温泉旅館のバイキングより美味しかった。(笑い)
夕食後、大雨が降った。屋根を打つ雨音で寝つきが悪かったが、夜中に起きた時は満天の星だった。