ウルップソウ&コマクサ紀行

八ケ岳・横岳〜硫黄岳縦走・・・2/2

2018年7月10日(火)

天望荘〜横岳〜硫黄岳〜赤岳鉱泉〜駐車場

赤岳天望荘550〜556地蔵ノ頭〜705三叉峰〜725横岳735〜818硫黄岳山荘830〜901硫黄岳915〜935オーレン小屋分岐〜937赤岩の頭940〜1050赤岳鉱泉1130〜1306美濃戸山荘〜1311赤岳山荘・駐車場

 朝4時半に起きると、東の空がオレンジ色に染まっていた。遠くには富士山がシルエットになって雲海に浮かんでいた。

 ご来光はイマイチだったが、今日の天気が約束された空に感謝した。

 朝食を頂き、飲み放題のコーヒーを頂いてから出発。
 外は寒いので、長袖を着て、その上にヤッケを着込んで行く。

 これから向かう横岳が、幻想的で素晴らしかった。


(手前が地蔵の頭、奥が日ノ岳)

 振り向けば赤岳も阿弥陀岳も朝日に照らされて輝いているではないか。

 12,3分も歩くと、その赤岳と阿弥陀岳が並んで見えた。

(左から、赤岳、中岳、阿弥陀岳)

 いよいよ横岳の核心部(日ノ岳)へ入って行く。

 ここは核心部といっても特に難しい所はない。昔々、高尾山しか登ったことがないという女の子を二人連れて縦走したことがあった。

 それも夜行電車で茅野まで来て、そこからバスで美濃戸口まで来て、そこからテクテクと歩いて文三郎道から赤岳、横岳、硫黄岳を越えてその日の内に夏沢峠の小屋まで行った。今、思えば、かなり無茶をしたもんだ。

 チョウノスケソウやイブキジャコウソウなどが多くなって来た。写真を撮りながら登って行く。しかし、ツクモグサはまだ見つからない。


(チョウノスケソウ)

(イブキジャコウソウ)

(チシマギキョウ?)

(コケモモ)

 凄い絶壁が見えて来た。日ノ岳基部のトラバースである。

「あんな所、本当に登れるのだろうか?」とさえ思えるが、クサリが付いているので問題はない。

 途中で下山者とすれ違う。

 ここを登り切って振り返ると、赤岳が恰好良く見えた。

 岩場はまだまだ続く。

(右手の鉾岩を約100mトラバース、左上が石尊峰)

 花が多くなって来た。私は写真を撮り、ツクモグサを探しながら登って行く。



(オヤマノエンドウ)

(ミヤマシオガマ)

(ウルップソウ)

(ミヤマオダマキ)

 途中で後から来た若者に、「あれが横岳ですか?」と、三叉峰(さんじゃほう)を指さして問われる。
 私が、「奥の標識が見えるピークですよ」と応えると、「まだまだありますねぇ・・・」とガッカリしたように言う。

 私が、「せっかく来たんだから、花でも見ながら登って下さいね!」と言うと、
 彼は、「花は名前が分からないから・・・!」といって、サッサッと登って行ってしまった。

 私は、ツクモグサがないかと10m歩いては立ち止まって探し、また10m歩いては立ち止まって探すが、まだ見つからない。

 桝添、いや杣添(そまぞえ)尾根との分岐である三叉峰へ着いた。杣添尾根は10年ほど前に登ったことがあり、その時見たウルップソウをもう一度見たくなってやって来たのである。

 ここまで来ると、もう横岳は近い。手前の無名峰の奥に奥ノ院の頭上だけが見える。(左3つ目のピーク)

 ここからがウルップソウやオヤマノエンドウが多い所である。前回、ツクモグサを見たのもここから奥ノ院の間だったので期待が膨らむ。

 しかし、奥ノ院までツクモグサは見つからなかった。ウルップソウも盛りを過ぎたモノばかりだった。

 奥ノ院からは、今までの岩場と違いなだらかな山が見えた。これから向かう台座の頭と硫黄岳である。


(横岳、奥ノ院)

(手前が台座ノ頭、奥が硫黄岳)

(台座の頭をトラバース)

  
 台座の頭は、まさにコマクサだらけだった。株は小さいが、花はちょうど見頃だった。保護用のネットが少々目障りだが、これも仕方がないのだろう。

 コマクサを見ながら下って行くと、ガスの中から硫黄岳山荘が見えて来た。山荘付近にもコマクサはあったが、台座ノ頭とは比べものにならない。

 山荘のベンチで休憩タイム。

 ここからは本日最後の登りである。ガレ場を大きなケルンに導かれながら登って行く。

 途中にツガザクラが咲いていた。

 山頂には大勢の人がいて驚いた。赤岳鉱泉や桜平から来たのだろうか。14、5人のツアーの団体さんもいた。

 山頂はガレた平坦地なのでガスられると怖い。今日は赤岩の頭方面も見えているので安心だ。


(ツガザクラ)

(硫黄岳山頂)

(赤岩の頭方面)

 赤岩の頭からは、森林地帯の中をジグを切って下って行く。ここは道幅も広く、ぬかるんだ所もないので滑る心配もない。グングン下って行く。

 赤岳鉱泉へ着くなりラーメンを注文。美味いラーメンを頂く。

 ここからは、テクテクと北沢沿いの道を下って行く。道端にキバナオダマキが沢山咲いていた。 

 結局、今回は、ツクモグサとホテイランは見ることが出来なかったが、またいつの日かホテイランでも探しに来よう!