島田娘からは空木岳と南駒ケ岳が立派に見えた。距離はまだかなり遠いが、正面奥に空木岳とその後ろにある南駒ケ岳が並び立って見えた。空木岳はさすがに中央アルプス南部の盟主だと思った。
宝剣岳、中岳、木曽駒を振り返る |
迫力ある三ノ沢岳 |
熊沢岳を過ぎたころからガスが流れ出したが、時々、ガスの切れ間から空木岳が見えた。
手前が熊沢岳 |
雲海に浮かぶ空木岳 |
小さなピークを幾つか越え、東川岳へ出たころはすっかり疲れてしまった。しかし、ここまで来ればもう小屋は近いはずだ。木曽殿山荘まで一気に下った。
木曽殿山荘は定員が200人となっているが、実際はその半分がいいところ。女将さんが、「おじいちゃんが200人と言ってしまったので、今さら減らすわけにもいかなくてね……」、と言っていた。
今日の宿泊者は5、60人ぐらいだろうか。
缶ビールを買って飲みながら、周りの人達と山談義となった。
ここは水場が遠い。3分ほど下った所にジャージャー流れているが、戻りは5分かかった。往復7、8分では遠いとは言えないかも知れないが、雨の日はつらいだろうと思った。
東川岳と木曽殿山荘 |
木曽殿山荘近くから見た空木岳T峰 |
木曽殿山荘〜空木岳〜(池山尾根)〜駒ケ根 |
昨日、ビールを飲みながら山談義をした2人連れは、山頂でご来光が見たいと言って暗いうちに出かけて行った。ご来光ならわざわざ山頂まで行かなくても小屋の前から見えるのに、どうして山頂にこだわるのだろうか。
私は小屋の前でご来光を迎えたが、あいにく雲が多くて期待はずれだった。山頂まで行った2人はさぞかしガッカリしているに違いないと思った。
空木岳の登りは、大きな石がゴロゴロしている。6畳か8畳もありそうな大きな石の上を登ったり、石と石の間を潜ったりの繰り返し。特に危険な所はないが、暗い時にヘッドランプで登るのはあまり感心できない。
ここから見る南駒ケ岳がすばらしかった。南駒は空木岳の山頂から延びる稜線の延長線上にあるため、日本百名山には選ばれなかったのだろうが、この山が百名山に選ばれても不思議ではないと思った。
(奥側が南駒ケ岳。双耳峰であることが分かる) 空木の山頂は、広くなだらかな一角に石が積み重なっていた。ここからは昨日テクテクと歩いて来た峰々が全部見渡すことができた。恵那山の細長い頂稜も雲の上に浮かんでいた。 |
空木山頂からの展望。 |
山頂から見下ろした池山尾根 |
下りは池山尾根を下った。テント場付近はかなり紅葉が始まっていた。あと1週間もすればもっと見事だろうと思った。
帰りは駐車場近くの温泉でゆっくりと汗を流してから帰ってきた。 (平成8年)