由布岳 (ゆふだけ)

(1,583m、大分県)  177座

湯布院駅前から見た由布岳

【登頂歴】
 2010年3月29日
 1999年3月20日風雪のためマタエで撤退


正面登山口〜マタエ〜東峰〜西峰〜正面登山口

2010年3月28日(日)

羽田空港0925−1125福岡空港−月隈IC−湯布院IC−蛇越峠展望台−湯布院(泊)

 今年の九州遠征は、由布岳(大分県)、英彦山(福岡県)、雲仙岳(長崎県)である。
 特に由布岳は、11年前の同じ3月に、吹雪にあってマタエから西峰の途中まで行きながら無念の撤退をしている。今度こそ何が何でも登らねばならない。

 それに、何としてもあの美しい双耳峰が見たい。前回は山も登れずその美しい山容さえ見ることができなかった。その無念を今度こそ晴らさねばならない。

 福岡空港へ初めて降り立った。福岡は桜が満開になったという。
 早速、レンタカーで月隈ICから高速に乗って湯布院ICを目指して行った。

 九州道、大分道と走り、湯布院IC近くなると、右手に雪渓が斑模様になった山が見えて来た。九重だ!九重に違いないと思った。一番右手の高い山は何だろう。煙のようにも見えるが雪のようにも見える。いずれにしてもまだあんなに雪があるとは驚いた。そして、九重山はもう一度絶対に登ろうと思った。

 今度は正面に待望の双耳峰が見えて来た。「オー!由布だ!」と一人歓声を上げた。ついに由布岳を見ることが出来た。しかし、高速を走っているので写真は撮れない。

 湯布院ICを降りて、すぐに路肩へ車を止めて写真を撮った(写真右)。

 そして、今度は「由布岳を見るならここ」と云われている、「蛇越峠展望台」へ向かって行った。R210から久住・阿蘇方面へ向かって行く。水分(みずわけ)トンネルを越え、やまなみハイウェイ(R11)で山をグングン登って行くと、「蛇越展望台P300m」の表示が出る。駐車場までICから約10分。広い駐車場にポツンと車を止め、階段を登って行く。登り切った所が展望台で、振り向けば湯布院温泉の向こうに双耳峰の由布岳が見えた。


(蛇越峠展望台、正面の階段を登る)

(展望台からの由布岳遠望−1)

(展望台からの由布岳遠望−2)

 しかし、モヤがかかってクッキリとは見えない。ロケーションは良いのだが、ちょっと遠すぎる。でも美しい双耳峰が見られただけで満足だった。
 とにかく風が冷たく寒いので、早々に引き返す。

 水分峠を過ぎると、正面に双耳峰が立ちふさがるように見えて来た。急いで車を路肩へ止めて写真を撮った。

 今宵の宿は「山荘鶴ノ湯」である。案内された部屋は別棟の2階で、部屋の窓から由布岳が見えた。今日は最高!私には温泉や料理よりも、由布岳が見える部屋が最高のご馳走だった。


(宿の窓から見えた由布岳)

(宿の近くから見た由布岳)

2010年3月29日(月)

湯布院の宿600−正面登山口640〜722合野越727〜857マタエ902〜922東峰938〜948マタエ〜1023西峰1038〜1107マタエ1140〜1240合野越〜正面登山口

 朝5時に起きて外を見ると、まだ真っ暗だった。
 6時近くなって、やっと由布岳が見えて来たが、山頂付近は雲がかかっていた。ちょっぴり残念。
 6時になるのを待って外へ出た。すると路面が濡れている。車もびっしょりだった。昨夜、雨が降ったとは知らなかった。

 やまなみハイウェイを登って行くと、由布岳の手前にある山が白くなっていた。雪か!それとも樹氷だろうか。いずれにしてもアイゼンを持って来たので心配はない。

 登山口の駐車場には、車は1台もなかった。今日も一番乗りだ。車から降りると風が冷たい。今日は冬山装備をして来て正解だった。もっともピッケルは持って来なかったが・・・。
 由布岳は中腹から上はガスって見えないが、昨日、充分眺めたので諦めもつく。一服してから準備を済ませ6時40分に出発。


(登山口駐車場)

(登山口)

(登山口の案内板)

 登山口で写真を撮って登り出すと、ガスがどんどん切れて行き、青空が少しずつ広がって行く。よっしゃ〜!と気合が入る。

 周りは野焼きできれいに焼き払われ、見晴らしがいい。その野焼きで黒くなった地面には所々に薄っすらと雪が積もっていた。しかし登山道にはないので、数日前に降ったのだろう。

 10分も歩くと、右手から日差しが差し込んで来た。そして、2、3分で自然観察路との分岐へ着いた。ここにはトイレがあった。

 ここからは石がゴロゴロした登山道になった。
 15分も登ると、道はなだらかになった。地面の白いのは雪ではなく、どうもヒョウらしい。白い粒になっていた。やはりここは3月下旬でも雪やヒョウが降るのだ。

 左手に見える「いもりケ岳」が格好いい。端正な三角形をしている。時間があれば登ってみたいものだ。

 合野越へ7時22分着。
 雪を被った岩に腰をおろす。ここから見るいもりケ岳が素晴らしい。この山だけでも登る価値がありそうだ。薄っすらと雪を抱いているので、一層美しく見えるのかも知れない。


(合野越)

(合野越からのいもりケ岳)

(ここからは薄っすらと残雪が・・・)

 ここからは、登山道にも薄っすらと白いものが現われて来た。昨夜降った雨が、この辺では雪になったようだ。

 登るに従って雪が多くなって来た。私が今日一番乗りの足跡を付けて行く。と言ってもこの程度(右の写真)

 やがて開けた斜面をトラバースするようになると、桜が咲いたような樹氷と、その下に湯布院温泉が見えた(下の写真)。しかし、肝心な山頂方面はガスって見えない。

 樹氷は下から見上げるより、こうして上から見下ろした方が綺麗に見える。  


(満開の桜のような樹氷)

 合野越から1時間ほど歩いた所で休憩。マタエまで行くと風が強くて休憩などしていられないだろうから・・・。山頂部は依然ガスって見えない。

 この辺から岩が現われ、石段も現れて来た。そして、すぐに見覚えのあるマタエへ着いた。8時57分着。
 残念ながら東峰も西峰も山頂は見えないが、薄っすらと明るくなったような気がする。11年前に来た時は、ここで吹雪かれて視界は全く利かず、立っていることさえ困難なほどだった。それに比べれば風もさほど強くはない。視界もまずまずだ。

 由布岳は東峰と西峰の双耳峰で、このマタエが両峰の鞍部で分岐になっている。最高峰は西峰であるが、それは最終ゴールなので、まずは右手の東峰へ向かって行った。