東京大学理学部化学図書室訪問記 | 2004/11/10 | Home |
加賀乙彦先生の「加賀の賢者」(第四回)で化学図書室を訪れられた事に触発され祖父の仕事場を初めて訪れた。勿論明治期の理科大学の建物は既にない。現存する赤レンガの東館は大正5年3月竣工、大正12年3月増築。正面玄関を中心に左右対象になっていた。池田菊苗博士の基本設計で東大最初の鉄筋造り、関東大震災にも軽微な損傷で止まった。南側の2階の一角に櫻井の教授室、1階には池田博士の教授室があったと聞き胸が熱くなった。現・化学本館(図書室のある建物)は化学教室100周年記念に昭和37年、OBの寄付により建築された。と言うことを図書室の守屋文葉さんが調べてくださった。また没後30年に当たる昭和44年に化学教室の有志の方々から恵贈された記念の肖像額を見る事もできた。櫻井以降の先生方に代々引き継がれ保存されている写真などを見せて頂いた。ことに片山正夫博士にお形見分けされた祖父愛用のステッキに再会できたと孫の岩村緑は感激ひとしおだった。また在職25年祝賀会に寄贈されたレリーフと同デザインで小型のメダルの存在が確認された。これは同奉賀金を東京化学会に寄贈し、櫻井褒賞となったそのメダルだった。大勢で伺った我々の質問にも快く答えてくださり、丁寧に館内を案内してくださった化学図書室の守屋文葉さんに感謝申し上げる。 <追記>在職25年祝賀会で寄贈された肖像はレリーフではなく、図書室正面に掲げられて入る大写真である事が片山博士の追悼文から判明した。ので訂正する。 レリーフの詳細が不明であるが櫻井褒章の基になったと思われるがなぞである。(2005年8月) |
現在の化学館入口・ 旧赤レンガ東館の正面玄関と内部 |