緊急署名で詳細調査にストップを!!
〜長島の貴重な自然を守るため、ご協力をお願いします〜
T.神社本庁が売却承認
上関原発をめぐる情勢が神社地売却を機に急展開しています。
8月20日、神社本庁は1号機の炉心予定地を含む約10万平方メートルの四代正八幡宮神社地の売却を承認しました。この神社地は、売却に反対したため、解任された林宮司の後任者である宮成宮司が、2003年12月、売却申請していたものです。8月20日は時おりしも、祝島の伝統行事である神舞の最終日という暴挙で、地元祝島をはじめ、各団体はただちに声明を発表し、抗議するとともに、反対派氏子は本庁を相手取り、売却処分の禁止を求める仮処分を山口地裁岩国支部に申し立てました。
10月5日、中国電力は反原発3団体による申し入れの直後、正式に譲渡契約を結んだことを公表。これを受け、氏子は仮処分申請を取り下げ、中国電力を相手に本訴に踏み切る姿勢を明らかにしました。
U.立地のめども立たないのに詳細調査を強行
中国電力は直ちに、係争中である炉心予定地の四代地区共有地を除いた詳細調査を、年内にも先行実施する意向を表明しました。上関原発計画は@四代地区共有地訴訟で、一審の地裁岩国支部が、原告である反対派住民の入会権を認め、立ち木の伐採・整地など現状変更禁止を命じたため、現時点では調査の完全実施は不可能。A解任された宮司は地位保全仮処分申し立て・有印私文書偽造同行使で告訴しており、仮処分の審尋では解任理由を明らかにするよう本庁が指示されるなど、有利に展開している。B予定地海域の共同漁業権についても、8漁協のうち7漁協は漁業補償に同意したが、祝島漁協は契約無効で訴訟中であるーなど、課題だらけで立地の目途が立っていません。炉心部分も未取得なのに、調査を強行する目的はただひとつ、中国電力に前約束させた36億円の寄付金獲得です。
欲にまみれた金と引き換えに、長島の貴重な自然を売り渡すなど、断じて許すことは出来ません。
V.調査による壊滅的な打撃―長島の貴重な生態系
長島は@スナメリ(ワシントン条約保護動物)・ハヤブサ(環境庁絶滅危惧種)・ナメクジウオ(水産庁危急種)・ヤシマイシン近似種・ナガシマツボ(世界的に希少な貝類)など貴重な生物の宝庫である。A1960年代以降の人工的改変により失われた瀬戸内海の原風景ともいえる健全な環境が今なお保存され、カサシャミセン・イソコハクガイなどが健在である。B豊後水道より流入した黒潮支流の影響でアマクサウミコチョウ・ヒラドサンゴヤドリなど外洋性暖流系の生物が生息し「瀬戸内の小さな太平洋」的様相を呈している。C照葉樹林が二次林として絶妙なバランスを保っており、ビャクシンの数少ない自生地である。―など「究極の楽園」という呼び名に値する生態系に恵まれています。
詳細調査は、炉心部から周囲30キロの範囲で、約100ヶ所をボーリング掘削し、特に原子炉予定地の真下は直径2m、深さ10数mの穴を掘るというものです。調査のための森林伐採やボーリング掘削による騒音、海水汚濁などで長島の自然環境・生態系が甚大なダメージを蒙ることは明白です。中国四国地区会は2003年5月、詳細調査をめぐる事態の緊急性に鑑み、「詳細調査」反対と環境アセスメントのやり直しを求める決議を行いました。
W.予断許さぬ山口県の対応
中国電力は、近日中に、詳細調査に入る諸手続きのための申請を県に提出すると予想されます。こうした緊迫した情勢を踏まえ、10月18日、長島の自然を守る会として山口県に申し入れを行いました。主な内容は「2004年4月23日の交渉において、@炉心部分が取得されていないことは、立地の目途が立っていないと見做す。A立地の目途がたたない詳細調査は無意味であるB係争中の土地については、詳細調査を認可しない(地区共有地・四代正八幡宮神社地)」という見解の確認でした。
ところが、県側は4・23発言について、@地区共有地は保安林なので、係争中は認可できない。A神社地については、「認識の違い」と居直り、「訴訟などにより、未取得の場合もありうるという仮定の発言だった」と詭弁を弄し、一歩後退した態度に終始しました。今後、県の許認可が大きな鍵を握っているだけに、発言の後退は予断を許さぬ事態であることを物語っています。
X.圧倒的多数の署名で詳細調査阻止に追い込もう!!
詳細調査を阻止するためには、何としても、県の認可にストップをかけねばなりません。
緊急の署名行動を実施し、圧倒的多数の世論を背景にプレッシャーをかけたいと思います。
今後、中国電力が県に申請した時点では、座り込みなど緊急抗議行動も展開します。
長島の生き物たちにとって、生きるか死ぬかの瀬戸際です。あらゆる手段で詳細調査を阻止する構えです。皆さんのご支援をよろしくお願いします。