馬面(まつら)




「馬面」とは、船の向きに対して横の方向に入れるU字形の補強材のこと
船体の内側に、「棚」・「加敷」・「せんだい」に沿うようにつける

船底中央に材木を横に寝かせ、その両端にL字形に加工した木材をつける




「棚」と「加敷」の繋ぎ目に当たるL字の角の部分は
後日修理するときのため少しスペースを作っておく

海水などが漏れてきた場合などは、「足ノミ(中央の写真)」を
右の写真のように中に入れ、「まきはだ」などを詰めるそうだ
(もっとも、今まで修理する必要があるようなことはなかったそうだが)




「馬面」をつけた後(左)、「す板」をつける(右)




そして、「馬面」の上部の両端をさらに板で繋ぐ
これは補強という意味合いもあるが
後で「デッキ(床板)」を載せるので、それを支えるためにつける




「馬面」のL字形の材木は、左写真のように枝分れしているものを使う
そうしないと強度の面で問題があり、木の繊維の入り具合によっては
右の写真のように繊維に沿ってきれいに折れてしまう

「馬面」は本来、L字形の材木2本を直接繋いで作る
その方が強度も強くなる
しかし最近はいい具合に枝分かれし
且つ太くて長い材木がなかなか手に入らないそうだ

そのため今は仕方なく、2本のL字形の材木の間に
もう一本材木を入れて作っているそうだ



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