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多文化共生教育資料
わたしの大すきなかぞく
6年  (ブラジル)
 わたしのかぞくは、十年前にブラジルから日本にやってきました。わたしが三年生になる前に、いちどブラジルにかえって、五年生のおわりに日本にもどってきました。
 いまから、わたしのかぞくのくらしについて、話します。
 わたしの大すきないもうとの名前は、○○○といいます。としは、二さいです。いもうともお父さんもお母さんも、みんなわたしのたからものです。
 お母さんとお父さんは、朝早くしごとに行くから、いもうとをほいくえんにつれていくことができません。だから、わたしが、毎日いもうとをほいくえんにつれていきます。わたしは、学校に行くつうがくだんの班長だから、いもうとと班の子どもたちを、ほいくえんの前のしんごうまでつれていって、あとは、ふく班長につれていってもらいます。わたしは、ほいくえんにいもうとをあずけてから、学校に来ます。
 学校のじゅぎょうがぜんぶおわったら、いもうとをむかえに行きます。家にかえったら、家のそうじをして、お母さんとお父さんがかえってくるまでまっています。
 お母さんとお父さんがやきんにはいるときは、わたしは、いもうととねます。いつも、よるにおきるから、ちょっといやです。でも、楽しいです。
 つぎの朝、ぜんぶまたはじまります。わたしは、いもうとをほいくえんにつれていくことは、大すきです。いもうとは、ほっぺたがふくらんで、すごくかわいいので、大すきです。いもうとは、お母さんとそっくりです。お父さんにもにているけど、少しだけです。
 ある日、わたしのかぞくに、とてもたいへんなことがおこりました。お母さんが、にゅういんしたのです。お母さんがにゅういんしたとき、わたしは、お母さんは、わたしのたからものだ、しんだらどうしようと、思いました。
 でも、一しゅうかんたって、お母さんがびょういんから家にもどりました。二しゅうかんぐらい家でやすんでから、お母さんがはたらいていたしごとにいきました。けれど、お母さんとお父さんがしごとについたとき、お母さんがかいしゃの人によばれて、くびになってしましました。
 お母さんが、それをわたしにはなしてくれたとき、わたしは、どうしてお母さんがくびにされたのかなと、思いました。そのあと、お母さんは、
「わたしがくびにされたのは、びょうきでいっぱいやすんだからだよ。ちがう人をわたしがしごとをしていたところへいれたから、
 『やすんだから、しごとがないよ。』
 っていわれたの。
 『あとでしごとがあったらでんわするよ。』
 っていわれて、わたしは、
 『もうこのしごといいわ』
 ってかえったの。」
って、いいました。わたしは、とてもくやしくなりました。
 それから三しゅうかん、お母さんはしごとをさがして、なんどもでんわをしていました。それで、やっと、しごとがみつかりました。わたしは、とても、うれしくなりました。お父さんとお母さんも、とてもうれしくなりました。
 二日たって、お母さんが、やっとしごとに行きました。お母さんは、すごくたのしみなかおをしていました。それを見て、わたしの心は、うれしくなりました。だって、お母さんのしごとがなかったとき、わたしの心は、かなしかったです。
 わたしは、今、こんなことをねがっています。お母さんが、もう二どとくびにならないでほしいです。びょうきのときは、それだけでさびしいのに、そのときにくびになってしまうというのは、もっとかなしいことです。だから、お父さんとお母さんが、あんしんしてはたらけるようになってほしいです。