昭和６２年（１９８７年）に旧国鉄が分割・民営化されて発足したJR各社の中で、本州の北陸・近畿地区以西を基盤とするＪＲ西日本は、更なる経営の効率化と綿密な旅客サービスをめざして、京阪神のアーバンネットワークをメインとした近畿２府４県と北陸地区をネットする「ＪＲ近畿」と、山陽新幹線をメインに岡山県以西の中国地方をネットする「ＪＲ中国」とに再分割し、地域に密着した鉄道会社として新たなスタートをきった。

なかでも私鉄路線との競合が著しいＪＲ近畿では、旅客ニーズを取り込み、サービスおよび経営体質の改善と強固さを増すために、経営陣のトップをオーナー制にして、関西財界のなかでも無類の鉄道マニアとして知られる某資産家を、三顧の礼をもって迎えることに成功。そのオーナーのユニークな経営手腕に注目が集まっている。