iPプロジェクト −可能性の実験−
〜アンソロジー詩集の参加者募集〜


2005年9月15日・太陽書房刊 定価1575円


<参考>

小難しいことを言うのは、もう止めよう。創りたいから創る、それで十分。

 正直言って、詩を熱く語る人たちに私は食傷気味です。当人の思いは自由ですけれど、それを他人に求めるのは傲慢としか思えません。詩とは?詩人とは?探求することを無意味とは言いませんが、そこまで考えていない人がいるというのも事実です。声高に定義されてしまうと、気の弱い人は萎縮してしまいます。
 詩人という肩書きだけで生活できる人が、いったい何人いるというのでしょうか?寡聞にして私は、誰一人として知りません。趣味で詩を書いているから詩人、それのどこがいけないのでしょうか?私は詩人と名乗るのは、自己申告で何の問題もないと思っています。たとえそれが照れながらでも、責められるいわれはありません。詩集を出してこそ詩人という人もいますが、ナンセンスもはなはだしいです。詩集が他のジャンルに比べて売れないのは、少し出版業界のことを知っていれば分かる話です。赤字になるのを承知の上で詩集を出さなければなんて、そんな負担を強いるのはおかしな話としか思えません。
 便宜上、私は自分の創るモノを詩と呼んでいます。ですから、出版する際には詩集というカテゴリーにしました。でも実際のところ、詩ではないのかもしれません。それでも詩と呼んでいるのは、他に当てはまる言葉を見つけられなかったからです。そういうわけで、私は自分を詩人と呼ばれるのに少し違和感があります。あと何年かたったら、違う自称を選んでいるのかもしれません。


 冒頭から横道にそれましたが、ようやく本題に入りたいと思います。詩に限らず文章を書く者にとっては、書籍になるというのは一種の憧れだと思います。とはいっても、出版するにはそれなりの費用が必要です。それから思うようには売れないという現実に、否応なく直面することになると思います。あれやこれやを考えると、躊躇してしまうのも無理はありません。そこで私は、著者にリスクのない方法を考えました。

費用を負担する必要がなければ、詩を本にしたい人は集まるのでは?

 この考えを基に、実験的に「iPプロジェクト」を展開してみる気になりました。嘘みたいな話ですが、完全に無料でアンソロジー詩集を出版いたします。なぜそれが可能かといいますと、単純なことで私が自腹を切って出版費用を出すからです。出版社にはすでに打診して、アンソロジー詩集の出版は快諾していただいています。
 書店への流通ですが、大学生協や大型書店であれば注文購入ができるかもしれません。それぞれの書店の対応しだいで、取り寄せてもらえるかどうかが決まります。あらかじめ断っておきますが、店頭に並ぶわけではありません。私個人の出費ですので、懐具合からそういう形で出版の予定です。インターネットでの購入は、出版社サイトで可能です。
 さて私に得があるのかどうかですが、はっきり言ってないと思います。十中八九、出版費用を回収できずに赤字という結果に終わるはずです。回収手段は後ほど述べますが、相当数の販売が必要になってくるからです。それでもやってみようと思ったのは、試みとしては面白いかもと考えたからです。インターネットを媒介にして、果たして著者を集められるのか?実験という意識が強く営利目的ではありませんので、損してもかまわないという判断です。それに書籍という形に残るので、あながち無意味な企画とは思っていません。
 とはいっても、完全に諦めているわけではありません。うまくいけば、トントンの収支になる可能性はあります。これも単純な話で、参加者の購入冊数しだいで費用は回収できるかもしれないからです。誤解を招くといけませんので断っておきますが、参加者は本を買う必要はありません。ただ人情として自分の詩が載っていれば、保存や贈呈用に何冊か買うのではないかという話です。繰り返しますが、購入の義務は全くありません。参加者の費用負担は0円ですので、その点は安心してください。
 それでは、以下にプロジェクト概要と参加者募集要項を記します。「募集要項6」の回収の仕組みの項目は、特によくご理解ください。


  <プロジェクト概要>

  1.プロジェクトの名称は、「iP(internet Poetry)プロジェクト」とします。
  2.iPプロジェクトの目的は、インターネット上の募集による無償でのアンソロジー詩集の編纂および出版です。
  3.iPプロジェクト事務局は、出版して軌道に乗るまでは発起人(恵)による個人運営とします。
  4.iPプロジェクトの運営資金は、出版して軌道に乗るまでは発起人(恵)による個人負担とします。
  5.iPプロジェクトの存続期間は、アンソロジー詩集出版後の資金回収額しだいで早期に満了する可能性があります。

  <参加者募集要項>

  1.参加者募集の締め切りは、2005年5月末日とします。参加希望人数によっては、締め切りが早まる可能性もあります。
  2.費用の負担は、アンソロジー出版後も一切ありません。出版書籍は刊行発売後に、著者自身で定価にて購入となります。
  3.参加登録名は、ペンネーム(またはHN)でかまいません。本名を連絡する必要は、出版後も全くありません。
  4.参加登録メールアドレスは、フリーメールは不可です。メールでやり取りしますので、必ず連絡できるものにしてください。
  5.著作物の出版権は、iPプロジェクトに委任してください。iPプロジェクト名義で、出版社と契約を終結いたします。
  6.著作権は参加者のものですが、印税は放棄してください。支払われる印税(定価の10%)から、出版費用を回収いたします。

  7.参加登録の際には、原稿は送らないでください。参加受付が完了してから、改めて原稿の送付を依頼いたします。
  8.参加者には無償で、現段階では4ページを提供する予定です。1ページの体裁は、17行×34文字を予定しています。


 堅苦しく述べてみましたが、要するに完全に私の個人負担で成り立っています。出版費用の捻出から出版社との折衝まで、全てが私の無償での活動ということになります。したがって私の意向で、掲載順序も決まりますし刊行する時期も決まります。それから「募集要項6」のとおり、印税の支払いは一切できません。揉め事は起こしたくありませんので、この要項に少しでも異議のある方は参加を見合わせてください。
 当然のことですが個人で出版するためには、それなりの費用の準備が必要です。それを背景にするなら、著者として我を通すことはできます。当プロジェクトでは、1円も参加者に負担を求めていません。原稿を募っていますが商業出版ではありませんので、原稿料として本を贈呈することもできません。その辺をよく理解した上で、アンソロジー詩集への参加をご検討ください。
 うまい話には裏があると俗に言いますが、この話の裏は私が利益を得る可能性が皆無ではないということです。現段階の構想で計算上の話ですが、300冊の販売で出版費用は回収できます。それ以上に売れたとすれば、その分の印税は私が利益として得ることになります。ただ出版社にこの話をすると、費用の回収はまず無理な話と一笑に付されました。それが現実です。

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