作成:2010/7

関東大震災の跡と痕を訪ねて

番号 : 東京 T-08

墨田区の吾妻橋際 --- あづま地蔵尊 ---

  • 所在地:墨田区吾妻橋一丁目
  • 碑銘:震火災水難殉難者各霊、交通安全御守護
  • 形状:小型の石板
  • 交通:地下鉄銀座線、東武伊勢崎線「浅草」から徒歩4分
  • 地下鉄浅草線 「本所吾妻橋」から徒歩10分弱

写真1 浅草(西)側から吾妻橋を望む

浅草寺の雷門は後方約150m

浅草(台東区)側から墨田区側を望んでいます。正面に見えるのがアサヒビール株式会社の炎のオブジェでその左手が吾妻橋本部ビルです。アサヒビール株式会社のホームページによると、次のように紹介されています。

1989年の竣工と同時に東京の新名所となった吾妻橋本社ビル。22階建ての「アサヒビールタワー」は、琥珀色のガラスと頭頂部の白い外壁で、泡のあふれるビールジョッキをイメージしています。 隣接する「スーパードライホール」は、フランスの著名なデザイナー、フィリップ・スタルク氏によるもので、屋上の「炎のオブジェ」は、躍進するアサヒビールの心の象徴です。




写真2 吾妻橋の東詰北側

隅田川に架かる赤色の欄干の吾妻橋を「炎のオブジェ」に向かって進み、渡りきると左手一角にあづま地蔵尊があります。

吾妻橋は江戸時代から架けられていた5橋(千住大橋、両国橋、新大橋、永代橋、吾妻橋)の1つで、洪水で流された木橋に換え、最初の鉄橋として1887(明治20)年に架橋されました。この橋は、関東大震災で鉄部が変形し木製だった橋板が焼け落ちてしまいました。

現在の橋は1931(昭和6)年に架橋された震災復興橋です。




写真3 あづま地蔵尊全景




写真4

あづま地蔵尊 クローズアップ

撮影:2009/11

地蔵尊は線画として描かれており、地蔵尊に向かって、右側には震火災水難殉難者各霊、左側には交通安全御守護と刻まれています。

地蔵尊に向かって右側には「あづま地蔵尊」と刻まれた石盤があり、その背面には世話人として32名の氏名と朝日麥酒株式会社(現アサヒビール株式会社)の名前が記されています。