海岸侵食(静岡大崩海岸)

このページの内容


大崩海岸は崩壊が繰り返され、崖状の急斜面が形成されています。崩壊の根本原因は波浪による侵食です。

海食による岩盤崩壊

絵1 富士山を背景として、岩盤崩壊跡と海上橋を望む

絵1

富士山を背景として、岩盤崩壊跡と海上橋を望む

静岡大崩海岸

静岡県の静岡市と焼津間の駿河湾沿岸のうち、急峻な地形が海に落ちこむ区間を通称「大崩海岸」と呼び、一般県道焼津静岡線が通過しています。この路線は国道150号線として供用されていましたが、平成16年に山体をトンネル(新日本坂トンネル)で通過しているバイパスが国道150号線本線となり、旧国道は県道に変更されて現在に至っています。

なお、平成25年10月15日に崖状斜面を通る県道が陥没するという岩盤変状が発生しました。陥没個所は大崩海岸の焼津側(焼津市浜当目地内)で、それ以来全面通行止が続いています。静岡県によれば、平成27年3月にトンネル工事を発注する予定とのこと(静岡県 県道静岡焼津線(静岡市浜当目)における現在の状況より)。

岩盤崩壊と海上橋(絵1)

絵1は岩盤崩壊跡地と海上橋を描いています。

昭和46年7月、旧国道150号線の洞門上で岩盤崩壊が発生しました。崩壊した岩盤が洞門を押しつぶし、洞門内を走行中の乗用車に乗っていた1名が死亡しました。旧国道の復旧は、危険な斜面を避けて海側に逃げる海上橋として昭和47年7月に竣工しました。

絵2 旧国鉄のトンネル坑口崩壊跡(静岡市)

絵2

旧国鉄のトンネル坑口崩壊跡(静岡市)

廃線となった鉄道トンネル坑口の崩壊跡(絵2)

トンネル坑口が大きく割れ、レンガの色が鮮やかなままに海側に転がっています。  旧国鉄東海道線の静岡側は、石部トンネルを経由する大崩海岸に沿ったルートでした。昭和23年のアイオン台風により石部トンネルの焼津側が被害を受けて絵2に描いている区間は廃線となったといいます。現在も、台風の来襲のたびに盛土や坑口周辺が大波をかぶり、自然の猛威をそのまま受け続けています。

現在の東海道線で大崩海岸相当部を静岡側から焼津に向かうと、石部トンネルを通過して海岸斜面の裏側に抜けますが、現在の新幹線のルートを使用していた時期もあり、紆余曲折があったようです。

絵4 津波の押し波

絵3

海食崖と山地斜面(焼津市) 斜面の中腹に県道が通過している

大崩海岸の焼津市側の海食崖(絵3)

海食崖に続く急斜面が尾根筋に向かって続いています。斜面の中腹を通る県道および斜面はテトラボット、擁壁、アンカー打設のり面、落石防護ネットなどでかろうじて守られています。

この急峻な斜面は崩壊が繰り返されてきたことにより形成された地形です。波浪に斜面の足元をえぐられ、斜面の岩盤は気温の変化や雨水の影響による風化に晒されて劣化します。また、当地は想定東海地震の震源域東端に位置しており、東海地震の発生による斜面崩壊が懸念されています。大雨や地震による斜面の不安定化は将来にわたって続きます。

遠景に見える白い建物は観光ホテルです。ホテルから絵と逆の方向の静岡方向を眺めると、急峻な大崩海岸の斜面を左に見て、正面に雄大な富士山を見ることができます(空気の澄んだ晩秋から冬季)。急峻な斜面という非日常的な風景が観光の目玉になっています。

危険な箇所を避けることは防災の基本ですが、絵1の道路は橋梁として海側に逃げ、絵2の鉄道はトンネルとして山側に逃げています。現在の国道150号線、東海道新幹線、東名高速道路も山側にルートを取ってトンネルで通過しています。

絵4 焼津側から静岡方向に向けて「たけのこ岩」を望む(焼津市)

絵4

焼津側から静岡方向に向けて「たけのこ岩」を望む(焼津市)

たけのこ岩(絵4)

山地が海岸に迫る大崩海岸では波浪による激しい侵食(海食)で海食崖が形成されています。波浪による破壊・侵食作用によって斜面が後退していきますが、時にはたけのこ岩のように侵食に対する抵抗力のある岩体が海中に取り残されます。さらに細く直立した岩体はローソク岩と呼ばれることがあります。

 タケノコ岩やローソク岩のような名称は通称あるいは愛称として全国に多数存在しているようでが、中には下の例のように国土地理院発行の2万5千分の1地形図に記載されているものもあります。

タケノコ岩 北海道羅臼町(知床半島)
竹の子岩 山口県長門市(青海島)
ローソク岩 北海道深川市(雨竜川右岸)
北海道苫前郡苫前町
北海道厚岸郡浜中町
蝋燭岩 北海道久遠郡せたな町
北海道余市郡余市町
東京都小笠原村(東島)