東海地震

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想定東海地震は「大規模地震特別措置法」という法律のもとで、常時観測・監視されている唯一の地震であり、観測データに変化や異常が発見されると、その段階に応じた情報が気象庁より発表されます。

観測データに一定以上の異常が発見されると判定会が招集され、判定会によって想定東海地震が起きそうだと判定されると、気象庁長官が内閣総理大臣に地震予知情報を報告し、内閣総理大臣はただちに閣議を開いて警戒宣言を発令するような手順になっています。

【注】 想定東海地震の発生が切迫していると指摘(1976年)されてから、2011年で35年が経過しましたが、未だ想定東海地震は発生しておりません。今後、東海地震-南海地震(南海トラフ沿いの巨大連動地震で想定東海地震を含む)の発生周期が近づきつつある中で想定東海地震だけが単独で発生するとは限らず、次の東海地震-南海地震に備えるべきだという考えが大きくなっています。

  1. 想定東海地震
  2. 想定東海地震のシナリオ
  3. 東海地震への対応
  4. 震度分布および震度6弱以上が予想される市町村
  5. 地震防災対策強化地域の指定
  6. 津波の高さと到達時間

想定東海地震

「想定東海地震」は駿河湾から御前崎沖の震源域において近い将来発生すると予測されている想定地震に対する名称であり、もともとは「駿河湾地震」と呼ばれた地震です。さらに、想定東海地震は単に東海地震という名前で呼ばれることが多くなっています。

南海地震と東海地震の発生時期

図 1 南海地震と東海地震の発生時期(黒丸印は遺跡で地震跡が認められたもの)

寒川明 遺跡に刻まれた地震の痕跡 地質と調査 '93第4号より

南海トラフの巨大地震

南海道・東海道沖には南海トラフと呼ばれると呼ばれる海底の凹地が連続しています。南海トラフでは、日本列島を載せたユーラシアプレートの下に、一定の速度でフィリッピン海プレートが沈み込んでいる場所に相当し、プレート境界型の巨大地震が繰り返して発生しています。

図 1 は、古文書の調査(図の下段の実線)と遺跡の調査から推定される南海トラフでの地震(黒丸印)の発生時期を示しており、歴史的に繰り返して大地震が発生していることが分かります。比較的資料の多い1605年以降では、100~150年程度の周期があります。一方、それ以前の繰り返し周期は一見異なるようにも見えますが、資料(古文書)が少ない、あるいは欠如しているためと考えられ、周期は不明であっても、有史以来、繰り返して発生していることは分かります。

図 1において、A、Bの範囲でおきる地震を南海地震、C、D、E の範囲でおきる地震を東海地震と呼んでいました。

駿河湾地震説と想定東海地震

図1の領域Eを震源域とする地震が切迫しているとして、1976年(昭和51年)に石橋克彦氏によって発表されたのが「駿河湾地震説」であり、この地震を「駿河湾地震」または「想定東海地震」と呼ばれました。駿河湾地震説は次のようなものです。、

  1. 駿河湾トラフは巨大地震発生能力をもつプレート沈み込み境界である。
  2. 1854年安政東海地震の震源域は図 1、図 2の C+D+E だった。
  3. 1944年東南海地震の震源域は C+D だった。
  4. 領域 E が大地震空白域で、来るべき東海地震はむしろ「駿河湾地震」である。
  5. 明治以来進行している駿河湾西岸の沈降と湾一帯の西北西-東南東の短縮は駿河湾地震の準備と考えられる。
  6. 大きな変形量と1854年以来の経過時間から考えて大地震発生は切迫している恐れがある。
  7. 駿河湾地震が完全な形で起こればM8級直下型地震となって最悪の災害が予想されるので直ちに地震予知防災対策に着手すべきである。<石橋克彦 第地震動乱の時代 岩波新書より>

「駿河湾地震説」では、静岡、清水、焼津などの都市直下を震源域とする巨大地震であることから、地震学会での発表が社会に大きくインパクトを与え、東海地震の予知の実現についての社会的要望が高まることになりました。これによって、

1976年12月測地学審議会が予知計画の見直しの建議を行い、翌年の地震予知推進本部の決定によって、観測の強化、常時観測体制の充実、判定組織の整備が推進されることとなった。この結果、気象庁、国土地理院、国立大学などのデータが気象庁の一室にテレメータで集められ、24時間監視されることになった。これをじっさいの防災に役立てるためには法的裏づけが必要とされ、1978年に「大規模地震対策特別措置法」(大震法と略記する)が制定、施行されている。<茂木清夫 地震のはなし 朝倉書店より>

という経過をたどるたどることになりました。

南海地震と南海地震の繰り返し

図マーク図 2 東海地震と東南海・南海地震について(中央防災会議 2001年 に着色)

東海地震は本来、C、D、Eの領域を震源域とする名称として使用されていましたが、1944年に起きた地震は E の領域を含んでいないことから、東海地震と呼ばずに東南海地震と呼びました。さらに、領域Eだけを震源域とする地震を想定東海地震と呼んだことから、最近では想定東海地震を東海地震と呼ぶ場合が多くなりました。この区分によると、A、B領域を震源域とする地震を南海地震、C、D領域を震源域とする地震を東南海地震、E領域を震源域とする地震を東海地震ということになります。これらの地震は同時に発生するか、あるいは同時的(数時間から2年程度の間)に発生するなど、連動する傾向が強いという特徴があります。

図2に示すように、南海トラフで発生した地震は、1605年の慶長地震から前回(1944~1946年)の東南海地震・南海地震まで4回あります。その期間での最大発生間隔は147年ですが、E の領域では、安政東海地震以来、既に147年以上を経過しており、E 領域ではいつ地震が発生してもおかしくない状態にあると考えられています。ひずみが増え続けている根拠としては、明治以来繰り返して実施されている水準測量や最近のGPS測量により、掛川に対して御前崎周辺が一定の割合で沈降していることや三角測量により水平的な移動が蓄積していることなど挙げられています。

E 領域単独の大地震は歴史上例がなく、次の南海トラフでおこる一連の巨大地震を待って、一緒に起るのではないかという意見もあります。これは、現在想定されている東海地震が図2の最下部に黄色のバー示した時期(今世紀中頃近く)まで起こらないのではないかということです。

想定東海地震のシナリオ

判定会*会長の溝上恵氏はその著書「徹底検証 東京直下大地震」(小学館文庫)で、"東海地震へのシナリオ" -M8級巨大地震への条件は整った- という章を設け、章の扉で、東海地震を次のように紹介しています。

過去を遡ると、南海トラフのプレート境界を震源域とする巨大地震は周期的に起きている。また、東海・東南海沖の2地域の震源地で発生する巨大地震は、互いに間をおかず連動している。しかし、東海沖一帯は、1854年の「安政東海地震」のとき、未破壊領域として震源域とならないまま取り残され現在に至った。146年間もの長い間、断層の歪は蓄積され、すでに限界状態に達している。巨大地震は、いつ起きても不思議ではない。

溝上恵氏は前回の東海地震(1854年「安政東海地震」)から近い将来に起こる次の東海地震に至るシナリオを6段階に分けて解説していますが、そのシナリオの一部を抜粋あるいは簡略にして示すと次のようになります。

  • 第1期 長期的前兆活動(1974年~1989年)
    伊豆半島沖、浜名湖付近、山梨県東部、長野県西部などの地震活動は、東海地震の震源域を遠く取り巻く、いわゆる「ドーナツ・パターン」を形成した。
  • 第2期 中期的前兆活動Ⅰ(1990年~1996年10月)
    伊豆半島の地震活動域が一歩駿河トラフよりに西進し、新島、神津島付近を中心とした銭洲海嶺北東部の地震活動が活発化した。また、御前崎の沈降速度の低下が見られるようになり、プレート間の固着状態にやや弛みが生じ始めた兆しとも考えられる。
  • 第3期 中期的前兆活動Ⅱ(1996年10月~2000年)
    東海地方のプレート境界の固着域と推定される領域を縁取り、地震が発生した。固着域のほぼ全域でまだ固着状態が保たれているものの、その周辺部では固着域の「剥がれ」が進行しつつある。これは、固着域の一部が緩やかに「滑り」出す”プレスリップ”の発生の準備段階に対応する。御前崎の沈降速度の低下はその後も継続し、その傾向はさらに目立ち始めた。
  • 第4期 中期的前兆活動Ⅲ(2000~?)
    東海地震の震源域の外縁域でM6クラスの地震が発生し始め、固着域の「剥がれ」現象が加速する一方で、静岡県を中心とした固着域では地震が減少し、静穏期が続く。同時に、御前崎の沈降速度の低下も引き続いており、1999年8月頃からはフィリッピン海プレート内の地震にも静穏期の傾向が出てきた。これは、巨大地震の前の静穏期に入ったと考えることができる。
  • 第5期
    御前崎では沈降の停滞が終わり、隆起傾向が始まる。プレート境界付近では前震活動と考えられる微小な地震活動が始まる。GPS(汎地球測位システム)によって陸プレートの動きが広範囲にわたり変化し始めたことが観測される。
  • 第6期
    GPSは第5期の変化がいよいよ加速しつつあることを確認し、体積歪計観測では三地点以上でほぼ同時にあらかじめ設定されてレベルを超える異状が表れ、地震防災対策強化地域(東海地震)判定会が急遽招集される。
     判定会で東海地震が目前に迫っているという判定が下されると、その結論を気象庁長官が内閣総理大臣に対し、地震予知情報として伝える。内閣総理大臣は閣議を経て、警戒宣言を発し、東海地震の発生に備える。

判定会* 気象庁長官の諮問機関として気象庁に設置されている「地震防災対策強化地域判定会」の略称です。

東海地震への対応

大規模地震特別措置法

1978(昭和53年)に施行された「大規模地震特別措置法」は、大規模地震に備えて国や地方自治体・企業・事業所などが取るべき対策を定めた法律であり、事前対策および予知された場合の対策について定められています。

第三条では、地震防災に関する対策を強化する必要がある地域を内閣総理大臣が地震防災対策強化地域(強化地域)として指定することとなっており、東海地震を対象とした強化地域として、8都県の263市町村が指定されています。

大規模地震特別措置法の主な項目は次の通りです。

  • ・事前・直前対策の推進
    1. 観測および測量の強化(第四条)、
    2. 中央防災会議における地震防災基本計画(第五条)、
    3. 行政機関等における地震防災強化計画(第六条)、
    4. 病院、劇場、百貨店、石油類の取り扱い施設、鉄道等の特定民間業者における地震防災応急計画などの計画の作成(第七条、第八条)
  • ・警戒宣言の発令(第九条)
  • ・警戒宣言発令に伴う地震災害警戒本部、都道府県地震災害警戒本部、市町村長地震災害警戒本部の設置(第十条、第十六条)

「(図 3 常時観測~前兆すべりの検出~警戒宣言の発令と対応」を参照

情報の発表と警戒宣言

南関東から中部地方にかけて展開されている地殻変動や地震活動の常時観測網のデータは気象庁(東京都千代田区大手町)にリアルタイムで集められて自動処理による常時監視(地震活動等総合監視システム)が実施されています。常時観測網に異常現象等が検出されると、その程度によって、東海地震調査情報、東海地震注意情報、東海地震予知情報が公表されます。情報の種類とその発表基準、およびその対応を表 1 と図 3 に示します。

表マーク表 1 東海地震に関連する情報と対応 (内閣府および気象庁ホームページより編集)
情 報 名 発  表  基  準 防 災 対 応
種  類 
東海地震予知情報
(カラーレベル 赤) 
・3カ所以上のひずみ計で有意な変化を観測し、判定会において、その変化が前兆すべり(プレスリップ)である可能性が高まったと判定さえれた場合
・5カ所以上のひずみ計で有意な変化を観測(あるいはそれに相当する現象を観測)し、かつその変化を基に推定した前兆すべり(プレスリップ)の発生場所が、東海地震の想定震源内に求まった場合(急激な変化が観測され、「判定会」の開催が間に合わない場合の基準)
● 警戒宣言の発令に伴って発表。
 ○ 地震災害警戒本部が設置されます。
 ○ 津波や崖崩れの危険地域からの住民避難や交通規制の実施、百貨店等の営業中止などの対策が実施されます。
東海地震注意情報
(カラーレベル 黄) 
・2カ所異常のひずみ計で有意な変化を観測し、同時に他の観測点でもそれに関係すると思われる変化を観測した場合であって、判定会において、その変化が前兆すべり(プレスリップ)である可能性が高まったと判定された場合。
・3カ所以上のひずみ計で有意な変化を観測し、東海地震の発生の恐れについて検討が必要と判断した場合。(急激な変化が観測され、「判定会」の開催が間に合わない場合の基準)
● 東海地震の前兆現象である可能性が高まった場合に発表。
 ○ 必要に応じ、児童、・生徒の帰宅等の安全確保対策が行われます。
 ○ 救助部隊、救急部隊、消火部隊、医療関係者等の派遣準備が行われます。
判定会が開催される。
東海地震調査情報
(カラーレベル 青)
臨 時 ・1カ所以上のひずみ計で有意な変化を観測し、同時に他の複数の観測点でもそれに関係すると思われる変化を観測している場合。
・その他、ひずみ計で東海地震との関連性の検討が必要と認められる変化を観測した場合。
・東海地方においてマグニチュード6.0以上の(あるいは震度5弱以上を観測した)地震が発生した場合で、ひずみ計で当該地震に対応するステップ状の変化以外の特異な変化を観測した場合。
・東海地域においてマグニチュード5.0以上の低角逆断層型の地震(プレート境界の地震)が発生した場合、マグニチュード4以上の(或いは震度4以上を観測した)地震が短時間で複数発生した場合などにおいて、東海地震との関連性の検討が必要と認められた場合。
観測データに通常とは異なる変化が観測された場合、その変化の原因についての調査の状況を発表。
● 防災対応は特にありません。
● 国や自治体では情報収集連絡体制がとられます。
定 例   毎月の定例の判定会で評価した調査結果魚発表。
● 防災対応は特にありません。

表 1 の情報は平成23年3月より運用。


警戒宣言の発令と備え

図 3 常時観測~前兆すべりの検出~警戒宣言の発令と対応

図 3 は表1と同じ内容を流れ図にして示しました。 情報の種類によって、対応が分かれており、東海地震の前兆すべりが検出されて東海地震予知情報が発表されると、警戒宣言が発令されることになります。警戒宣言は今にも発生する可能性のある東海地震に備えるために、住民避難や交通規制の実施、百貨店等の営業中止などの対策が実施されます

表 1 と図 3 に示すように、観測によって東海地震の前兆すべりの可能性が高いと判断されると、東海地震予知情報が発表され、警戒宣言が発令されます。警戒戒宣言は「大規模地震特別措置法」の第九条に、

内閣総理大臣は気象庁長官から地震予知情報の報告を受け、地震防災応急対策を実施する必要があると認めるときは、閣議を経て警戒宣言を発する。

と規定されています。

震度分布および震度6弱以上が予想される市町村

中央防災会議*は最新の情報をもとに東海地震による震度分布や津波の高さなどの見直しを行い、震度6弱以上の分布域が西に広がるという結果を発表(2001/11/27)しました。

中央防災会議*

災害対策全般にわたる基本とな法律「災害対策基本法」で規定されており、地震対策の充実強化の検討を目的に2001年(平成13年)に設置されました。

図 4 は、見直された想定震源域と震度分布です。橙色の範囲は震度6強もしくは7で、立っていることができず、はわないと動くことができない、もしくは揺れにほんろうされ、自分の意志で行動できないような強烈な震動で、耐震性の高い住宅でも破損や破壊するものがあります。また、黄色の範囲は震度6弱で、人が立っていることが困難であり、屋内では固定していない重い家具の多くが移動・転倒するような震動であり、耐震性の低い木造住宅では倒壊するものがあります。

東海地震の特徴としては、想定震源域が海と陸にまたがっており、駿河湾や遠州灘沿岸では強烈な震動が終わった直後に津波が来襲するという特徴があります。東海地震津波の第一波予想到達時間については図 6 を参照ください。

東海地震震度分布図 図マーク図 4 想定される震度分布
中央防災会議 東海地震に関する専門委員会より(2001/11/27) 橙色:震度6強もしくは7、黄色:震度6弱、黄緑色:5強以下
ひょうたん型の曲線で囲まれた領域が想定震源域



表 2は、中央防災会議が発表(2001/12/11)した震度が6弱以上になる区域が存在する市町村名です。

 

 

表マーク表 2 震度6弱以上の1kmメッシュが存在する市町村名(中央防災会議 2001/12/11)
神奈川県 19市町 平塚市、小田原市、茅ヶ崎市、秦野市、厚木市、伊勢原市、海老名市、南足柄市、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町
山梨県 57市町村 甲府市、富士吉田市、塩山市、都留市、山梨市、大月市、韮崎市、春日居町、牧丘町、勝沼町、大和村、石和町、御坂町、一宮町、八代町、境川村、中道町、芦川村、豊富村,上九一色村、三珠町、市川大門町、六郷町、下部町、増穂町、鰍沢町、中富町、早川町、身延町、南部町、富沢町、竜王町,敷島町、玉穂町、昭和町、田富町、八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町、双葉町、明野村、白洲町、武川村、道志村、西桂町、忍野村、山中湖村、河口湖町、勝山町、足和田村、鳴沢村、須玉町、高根町、長坂町
長野県 21市町村 中川村、飯田市、伊那市、駒ヶ根市、飯島町、宮田村、松川町、高森町、阿南町、阿智村、下条村、天龍村、泰阜村、喬木村、豊丘村、南信濃村、諏訪市、茅野市、高遠町、大鹿村、上村
岐阜県 1市 中津川市
静岡県 74市町村 静岡市、浜松市、沼津市、清水市、熱海市、三島市、富士宮市、伊東市、島田市、富士市、磐田市、焼津市、掛川市、藤枝市、御殿場市、袋井市、天竜市、浜北市、下田市、裾野市、湖西市、東伊豆町、河津町、南伊豆町、松崎町、西伊豆町、賀茂村、伊豆長岡町、修善寺町、戸田村、土肥町、函南町、韮山町、大仁町、天城湯ヶ島町、中伊豆町、清水町、長泉町、小山町、芝川町、富士川町、蒲原町、由比町、岡部町、大井川町、御前崎町、相良町、榛原町、吉田町、金谷町、川根町、中川根町、、本川根町、大須賀町、浜岡町、小笠町、菊川町、大東町、森町、春野町、浅羽町、福田町、竜洋町、豊田町、豊岡村、龍山村、佐久間町、水窪町、舞阪町、新居町、雄踏町、細江町、引佐町、三ヶ日町
愛知県 45市町村 新城市、名古屋市、豊橋市、岡崎市、半田市、豊川市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、常滑市、東海市、大府市、知多市、知立市、高浜市、豊明市、日進市、東郷町、長久手町、阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、武豊町、一色町、吉良町、幡豆町、幸田町、額田町、三好町、設楽町、東栄町、津具村、鳳来町、作手村、音羽町、一宮町、小坂井町、御津町、田原町、赤羽根町、渥美町

地震防災対策強化地域の指定

大規模地震対策特別措置法に基づき、地震防災対策強化地域が指定されています。

表 3 東海地震に係る地震防災対策強化地域(平成23年4月1日) 内閣府告示第十八号より編集

都県名 区域
東京都 新島村、神津島村及び三宅村の区域
神奈川県 平塚市、小田原市、茅ケ崎市、秦野市、厚木市、伊勢原市、海老名市、南足柄市、高座郡、中郡、足柄上郡及び足柄下郡の区域
山梨県 甲府市、富士吉田市、都留市、山梨市、大月市、韮崎市、南アルプス市、北杜市、甲斐市、笛吹市、上野原市、甲州市、中央市、西八代郡、南巨摩郡、中巨摩郡及び南都留郡の区域
長野県 岡谷市、飯田市、諏訪市、伊那市、駒ヶ根市、茅野市、諏訪郡、上伊那郡、下伊那郡松川町、同郡高森町、同郡阿南町、同郡阿智村、同郡下條村、同郡天龍村、同郡泰阜村、同郡喬木村、同郡豊丘村及び同郡大鹿村の区域
岐阜県 中津川市の区域
静岡県 全域
愛知県 名古屋市、豊橋市、岡崎市、半田市、豊川市、津島市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、常滑市、新城市、東海市、大府市、知多市、知立市、高浜市、豊明市、日進市、田原市、愛西市、弥富市、みよし市、あま市、愛知郡、海部郡、知多郡、額田郡、北設楽郡設楽町及び同郡東栄町の区域
三重県 伊勢市、桑名市、尾鷲市、鳥羽市、熊野市、志摩市、桑名郡、度会郡大紀町、同郡南伊勢町及び北牟婁郡の区域

備考 この表に掲げる区域は、平成23年4月1日における行政区画その他の区域によって表示されたものとする。

津波の高さと到達時間

津波波高図

図マーク図 5 海岸における津波の高さ(中央防災会議)

津波到着時間

図マーク図 6 東海地震津波の第一波予想到達時間(中央防災会議)

図 5 は中央防災会議(2001/11)により発表された東海地震の際の想定される津波の高さであり、3つの条件(断層モデル)を変えた計算ケースの最大値が示されています。


伊豆半島先端周辺、伊豆半島西岸、駿河湾東奥、三保半島周辺、御前崎周辺、天竜川から渥美半島先端部にかけては、津波の高さが5~10mの区域が広がっています。

東京都の新島村、神津島村、三宅村および三重県志摩半島先端部にあたる大王町、志摩町、可児町は、震度は基準に達しませんが、津波の基準により、地震防災対策強化地域に指定されています。

 東海地震は陸および陸に近い海域が震源域となるので、強い地震動に襲われるとともに地震発生から津波の来襲までの時間が短く、この意味では震源域が陸地から遠い三陸沖の地震と大きく異なります。

図 6 は東海地震の第一波(波先)予想到達時間です。

図 6 によると、起震後の津波予想到達時間は、駿河湾西部沿岸から遠州灘にかけての範囲で0分、伊豆半島先端で5分です。遠州灘東部および駿河湾西部沿岸では、立っていることができないような大きな地震動に引き続き、その直後に津波が押し寄せてくると予想されます。避難は秒単位の時間を争わなければならないことを示しています。