私自身が考えた「音楽療法」の定義は、
「音楽を活用して、その人にとって、
よいと思われる方向へ向かわせること」です。
岐阜県音楽療法研究所の研修前講座で、
先生がまとめとして話された音楽療法の定義は、
「音楽療法の利用法(「療法」と「言葉」がかかっています)」
でした。
それは、ある人にふっと言われた言葉だそうです。
「いろいろ言ってるけど、
要するにあんたのしてることは音楽の利用法でしょ?」と。
・・・誰もが納得した一言でした。
先生が強調されていたのは、
音楽療法に携わったり興味を持つ人の多くが、
視野が狭くなる傾向が強いということでした。
つねに広い視野を持ち、ゆったりと構えることが大切であると、
何度も話されていました。
音楽療法の定義
音楽療法の定義に関しては、
「音楽療法を定義する」(ケネス=ブルーシア著・東海大学出版・2001年)
という本が出されています。
言い方をかえれば、一冊の本が書けるほど
音楽療法を「定義」するのは難しいということかもしれません。
日本音楽療法学会の定義
『音楽療法とは「音楽のもつ生理的、心理的、
社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能維持改善、
生活の質の向上、行動変容などに向けて音楽を意図的、
計画的に使用すること」をさす』
岐阜県音楽療法研究所の定義
『クライエントが健康を維持、改善、回復するのを援助するために、
音楽とそのあらゆる側面を療法士が用いる
相互人間関係的プロセスをいう』(ブルーシア)
援助が必要な方と、音楽を聴いたり、唄ったり、
楽器を鳴らしたりする中で、心や身体を刺激し、
健康を促進したり、生活をより豊かにしていくお手伝いをするのが、
音楽療法の役目です。
岐阜県音楽療法研究所のパンフレットでは、
『目的をもった音楽の利用法(おんがくりょうほう)』と
説明しています。