2000/5/23
2001/5/14タイトル変更



古代天皇制 第六章 武士もまた律令制から生まれた?


私の感想としては「律令制」の評判はあまりよくないような気がします。それを打倒した武士の方は人気がある。しかし歴史は連続しています。武士もまた律令制なくしては存在できなかったのではないでしょうか?


武士を生んだ基には荘園制があります。荘園制は律令制の矛盾によって先祖伝来の土地で生きていけなくなった人の溜まり場でした。そして荘園の中では領家職、名主職(自作農)、小作職までは能力によって上がったり下がったり出来ました。身分的流動性がありました。


古代の血縁社会、氏姓制度の解体が荘園を生んで独立的な武士を生んだとは言えないでしょうか?これは意図せざる律令制の効果です。律令制が身分を解放しなければ武士は生まれなかったのではないか? そして武士が出世すると官職をもらって律令制度の末端に連なりたがったのはこのようないきさつがあったからでしょう。一君万民的な(ほとんど実現しませんでしたが)律令制度に連なることが彼らの自由の確認だったのではないかと思います。