鎌田康子牧師と共に

 

青年伝道を考える  @              

 2000年秋に開催された第32回教団総会において「日本キリスト教団は21世紀に向けて青年の伝道に力を注ぐ件」を可決致しました。この背景には青年の教会離れという現状があります。受洗者の統計を見ても、十代、二十代の世代が激減しており、教会の将来は決して明るいとはいえません。少子化という社会現象が教会の青年層の減少に影響を及ぼしていることは否めませんが、各世代が集まり共同体を形成していく神の家族としてのバランスを保っていくには、青年伝道を教会全体の課題として据え、積極的に取り組んでいく必要があります。
私達は、青年が教会に定着しない理由とは何か?を真剣に考える時期に来ていると思います。あるミッションスクールのアンケートによると以下の理由が挙げられています。仲間がいない。信仰の強要。敷居が高い。タテ社会で働きの場がない。モデルとなる存在がいない。魅力を感じない。などです。青年は仲間意識が強いため同じ世代か、お兄さん、お姉さん役がそこにいないと敬遠してしまうのでしょう。また、子ども達が教会学校限りで、教会を離れる傾向にあるのは、仲間がいないこと、心を開ける雰囲気が教会に少ないからです。
人間関係が希薄になりつつある現代社会で、青年達は真のふれあい、心の居場所を求めています。最近、インターネットで知り合いとなった者同士が心中した事件がありました。
親や友と、人生や命の尊さについて語り合わず画面上で知り合った人と自殺を図る。人間関係を作っていくには時間がかかります。痛みや犠牲を伴います。それらを一切回避していこうとする社会の構造がこのような悲劇を生んでいるのかも知れません。
先程のアンケートに教会を離れてもまた戻ってくる理由という項目があります。そこには聖書のみ言葉「満たされた」という経験を思い出す、教会員などの温かい励まし、祈りと書かれていました。青年たちの声、姿から、様々な事を考えさせられます。この現実を踏まえて、今、何をすべきかを問われます。
越谷教会で青年伝道ということを考える時、その対象は中学生から三十代位までと幅広い層になります。青年伝道の入り口は教会学校中高科ということができます。教会員が教会学校を信頼し、本気になって子どもを送り、まわりを誘う。教会員が教会学校に強い関心を抱く。そういう教会が将来を担う人材を育成していきます。越谷教会は、子ども達、中高生がたくさん集まり祝されていると思います。そのひとりひとりが更に育まれる場となるよう、私達は次の世代を視野に入れた教会形成を考えたいものです。
2003.3(みつばさ227)より