目の前に広がる水路を
ポールの先にひっそりとした丸い光を灯して進む船
波間に揺れるブイの三色の光
夜更けまで灯る窓の蛍光灯の列、屋上で点滅する赤いランプ。
ビルとビルの合間を、新幹線が一本の光の筋になってまっすぐ通過する
東京タワーのいつもと変らない光
倉庫を照らす侘しく黄色い光
眼下では、警備員の持った懐中電灯の輪が、短くなったり伸びたりして公園を進む
なめらかに整然と走る車の音は一晩中絶え間ない
もし、山を見てくつろげる人と、ビル群を見てホッとする人と、2種類のタイプがあるとしたら
わたしは後者のタイプだろう
そこに人が居る―
その安心感となつかしさのせいかもしれない
2004/6
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